第6 令和5年度(2023年度)の成果目標 障がいのある人の自立を支援する観点から、「地域生活移行」、「地域生活支援拠点等の整備」や「就労支援」及び「障がい児支援」といった課題に対応するために、令和5年度(2023年度)の成果目標を設定します。 この成果目標の設定については、国の基本指針で示す目標値やこれまでの実績等を踏まえ、設定することとしています。 また、成果目標の設定にあたっての「地域生活」、「地域生活支援拠点等」及び「一般就労」についての考え方は、次のとおりとしています。 ・地域生活とは 障がいのある人が、障がいの程度や種別、年齢などに関わらず、希望する地域の中で自分の意志に基づき、自らの生き方を決めて、地域の方々とともに支え合いながら暮らすことと考えています。 そのため、計画においては、「地域生活への移行」を進めるにあたり地域で必要とするサービス基盤を整備するため、地域生活への移行が見込まれる利用者の数を目標値として整理しています。 ・地域生活支援拠点等とは 障がいのある人が高齢化、重度化した場合や、生活を支えていた親が亡くなった場合でも住み慣れた地域で安心して生活ができるよう、社会全体で支えるシステムが必要であると考えています。 そのため、計画においては、居住支援機能と、相談などの地域支援機能を持ち合わせた「地域生活支援拠点等」の整備数を目標値として整理しています。 ・一般就労とは 障がいのある人の意欲や障がい特性等に応じた、フルタイム、パートタイム、常勤、非常勤、季節労働などの多様な働き方があると考えています。 そのため、計画においては、1年間に在宅就労者を含む雇用契約を結んだ新規就労者(就労継続支援A型事業の利用者を除く。)及び創業した者の数を目標値として整理しています。 1 福祉施設の入所者の地域生活への移行目標 道内の福祉施設からの地域生活移行者数の目標値は令和2年(2020年)3月末の施設入所者数の約2.4%にあたる234人とします。また、施設入所者の減少見込数の目標値については、令和2年(2020年)3月末の施設入所者数の4.3%にあたる415人とします。   福祉施設の入所者の地域生活への移行目標 ・施設入所数  9,558人(令和2年3月31日の施設入所者数) ・目標値 地域生活移行者数  234人(施設入所者数9,558人の約2.4%で設定) ・目標値 施設入所者の減少見込数  415人(施設入所者数9,558人の4.3%で設定) 2 精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る目標 精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムの構築を目指すため、入院後3か月時点、6か月時点と1年時点の退院率及び精神科病床における65歳以上及び65歳未満の長期入院患者数について、国の基本指針に基づき設定しています。    精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る目標 ・入院後3か月時点の退院率  69%(令和5年3月1か月間の入院者における入院後3か月時点の退院率) ・入院後6か月時点の退院率  86%(令和5年3月1か月間の入院者における入院後6か月時点の退院率) ・入院後1年時点の退院率  92%(令和5年3月1か月間の入院者における入院後1年時点の退院率) ・精神病床から退院後の1年以内の地域における平均生活日数(地域平均生活日数)  316日以上(現状維持以上)(令和5年3月1か月間の退院者における退院後1年時点の地域での平均生活日数) ・精神病床における65歳以上及び65歳未満の入院1年以上の長期入院患者数  65歳以上6,430人以下(現状以下) 65歳未満 3,140人以下(現状以下) 令和5年6月末時点における入院後1年以上の65歳以上及び65歳未満の患者 ・保健・医療、福祉関係者による協議の場の設置 目標  圏域21か所 市町村 179か所 (各障がい保健福祉圏域及び各市町村に設置)   参考 ・地域移行に伴う基盤整備量  1,157人(令和5年度末の長期入院患者の地域生活への移行に伴う地域の精神保健医療福祉体制の基盤整備量(利用者数)) 3 地域生活支援拠点等の整備目標 「地域生活支援拠点等」については、すべての市町村に整備することを目標としますが、本道の広域性を考慮し、第6期計画期間中においては、21の障がい保健福祉圏域内に1か所以上の整備とします。 4 就労支援に関する目標 (1) 福祉施設から一般就労への移行 一般就労への年間移行者数については、国の基本指針に基づき1,414人(令和元年度(2019年度)実績1,113人の1.27倍)を目標値として設定しています。 (2) 各事業の一般就労移行者数 就労移行支援事業、就労継続支援A型事業及び就労継続支援B型事業における令和5年度(2023年度)中に一般就労へ移行する者については、国の基本指針に基づき、840人(令和元年度(2019年度)実績(646人)の1.3倍)、229人(令和元年度(2019年度)実績(181人)の1.26倍)、323人(令和元年度(2019年度)実績(262人)の1.23倍)を目標値として設定しています。 各事業の一般就労移行者数 ・就労移行支援事業 840人(令和元年度実績(646人)の1.3倍を設定) ・就労継続支援A型事業  229人(令和元年度実績(181人)の1.26倍を設定) ・就労継続支援B型事業 323人(令和元年度実績(262人)の1.23倍を設定) (3) 就労定着支援事業に関する目標 就労定着支援事業の利用者数については、国の基本指針に基づき、就労移行支援事業等を通じて一般就労する者のうち、7割以上が就労定着支援事業を利用するよう目標を設定しています。 また、就労定着率については、国の基本指針に基づき、事業所全体のうち就労定着率が8割以上の事業所が7割以上となるよう目標を設定しています。 目標 ・就労定着支援事業の利用者数  70%(就労移行支援事業等を通じて一般就労する者のうち、就労定着支援事業を利用する者の割合) ・就労定着率8割以上の事業所の割合 70%(事業所全体のうち就労定着率が8割以上の事業所の割合、就労定着率とは、過去3年間の総利用者数のうち前年度末時点の就労定着者数の割合) (4) 障がい者就業・生活支援センターの整備目標 障がい者就業・生活支援センターについては、国の方針に基づき、すべての障がい保健福祉圏域(21か所)に設置することを目標としますが、本道の広域分散型の地域特性やサービス見込み量等を考慮し、第6期計画期間中においては、12か所の整備目標とします。 また、サテライトセンターの設置など未設置圏域をカバーしているセンター等の負担軽減策に取組んでいきます。 (5) 福祉的就労に関する目標  就労継続支援B型事業所における目標工賃(道における平均工賃月額)については、30,610円(平成18年度(2006年度)実績15,305円の2倍)を目標値として設定しています。 福祉的就労に関する目標 ・平均工賃月額(対象事業所:就労継続支援B型事業所)  30,610円(就労継続支援B型事業所における平均工賃月額、令和元年度実績 19,078円平成18年度の実績(15,305円)の2倍を設定) ・工賃向上計画を策定する対象事業所の割合  100%(令和元年度実績89%すべての就労継続支援B型事業所が「工賃向上計画」を策定することを目標とする) ・障がい者就労支援企業認証制度登録企業数  213社(令和元年度実績189社直近(H29年度〜R2年度)の年間登録増加企業数の平均値(6社)から設定) ・優先調達方針を策定する市町村数  全市町村(令和元年度実績154市町村すべての市町村が優先調達推進法(用語解説62番)に基づく「調達方針」を策定することを目標とする) (6) その他の就労関連の目標 庁内関係課や労働関係機関等で構成されている北海道障害者雇用支援合同会議でまとめた目標は次のとおりで、これまでの実績などに基づき設定しています。    その他の就労関連目標 ・障がい者に対する職業訓練の受講者数  171人(福祉施設から一般就労へ移行する人のうち、職業能力開発促進法に基づく障がい者への職業訓練の受講者数令和元年度(2019年度)実績(134人)の1.27倍を設定) ・福祉施設から公共職業安定所への誘導者数  4,135人(福祉施設から公共職業安定所へ誘導する福祉施設利用者数第5期北海道障がい福祉計画の目標値より継続して設定) ・福祉施設から障害者就業・生活支援センターへの誘導者数 264人(福祉施設から一般就労へ移行する人のうち、福祉施設から障害者就業・生活支援センターへ誘導する福祉施設利用者数第5期北海道障がい福祉計画の目標値より継続して設定) ・公共職業安定所における福祉施設利用者の支援者数  936人(公共職業安定所の支援を受けて就職する福祉施設利用者数令和元年度実績(835人)の実績値伸び率(年2.9%)から設定) 5 障がい児支援の提供体制の整備目標 児童発達支援センターの設置数、保育所等訪問支援事業所数、主に重症心身障がい児を受け入れる児童発達支援事業及び放課後等デイサービスについては、設置する区域を21の障がい保健福祉圏域とし1か所以上設置することを基本とします。 なお、児童発達支援センター及び保育所等訪問支援事業所については、できる限り身近な地域で支援を受けられるよう、利便性や職員が訪問支援をするための移動距離等を考慮し、整備を進めることとします。(例えば、市町村子ども発達支援センターのサービス提供市町村区域を参考とします。) また、難聴のある乳幼児及びその家族の支援のため、市町村、医療機関、道立聾学校等が連携し、専門的な支援による乳幼児期の発達の促進を図るなど、中核的機能を有する体制を整備します。 6 医療的ケア児等支援に関する目標 医療的ケア児等支援のための関係機関の協議の場については、21の障がい保健福祉圏域及び医療的ケア児が在住する市町村において設置することを基本とします。   医療的ケア児等支援のための関係機関の協議の場の設置 ・道 1か所 ・圏域 21か所 ・市町村82か所(医療的ケア児等が在住する市町)令和2年4月時点 また、地域における医療的ケア児等に対する支援の総合調整を行う医療的ケア児等コーディネーターについては、医療的ケア児が在住する市町村において配置することを基本とします。   医療的ケア児等コーディネーターの配置 ・市町村 82か所(医療的ケア児等が在住する市町村)令和2年4月時点 7 相談支援体制の充実・強化等 地域における総合相談や専門相談の役割を担う基幹相談支援センターの設置・運営等について、市町村へ支援を行うとともに、地域において障がい者相談支援に関する指導的役割を担う主任相談支援専門員を計画的に養成します。 8 障害福祉サービス等の質の向上 指定障害福祉サービス事業者及び指定障害児通所支援事業者等に対する指導監査の適正な実施とその成果を関係自治体と共有する体制を継続します。