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柳谷 玲央やなぎや れお

出身校:
札幌医科大学卒業
出身地:
札幌市(札幌光星高校卒)
勤務先:
令和3年4月 黒松内町国保くろまつないブナの森診療所
経歴:
平成27年4月 勤医協中央病院(初期臨床研修)
平成29年4月 JA北海道厚生連倶知安厚生病院
平成30年4月 黒松内町国保くろまつないブナの森診療所

地域勤務の感想

私は医師4年目から黒松内町というところで、へき地医療に従事しています。

黒松内町は人口2,700人余りの小さな町で、町唯一の有床診療所で働いています。 黒松内町は南後志の端っこに位置しており、豊浦町、長万部町と合わせて「はしっこ同盟」を結んでいます。町内には小さなスーパーが1つと小さな商店街、それにコンビニが1つしかありません。正直、引っ越してくるときは「何もないところ」というイメージが強く「こんなところで患者さんは来るのだろうか」と不安でいっぱいでした。

でも、今はその認識が間違いだったと知りました。黒松内は自然が豊かです。山や川があり、澄んだ空気の中で過ごすことができます。住民同士のつながりもゆるやかで暖かい印象です。地域の患者さんが老若男女すべて受診に来るので、札幌にいたときよりも遥かに幅広い疾患を対応しています。

一つ一つに頭を悩ませながら、刺激に満ちた診療を行っています。大きな病院では味わえなかった医療の「醍醐味」を日々噛み締めています。

地域枠制度と診療科について

私の大学時代の地域枠制度を利用している同級生で、へき地医療の「総合診療・家庭医療」に携わっている人は残念ながらあまり多いとは言えません。もちろんスペシャリティを持って診療に当たっている素晴らしい医師が多いと思いますが、へき地診療所の医療に4年従事した感想としては、「やはり地域で求められているのは間違いなく家庭医療」だと思います。 これまでの医学は「疾患」という軸で患者を捉える概念がベースにあります。

一方で、家庭医療の視点は「本人の思い・意向」、「地域・社会・家族」といった視点でも患者を捉える概念を持ちます。「疾患・心理・社会」の三次元的患者をとらえて診療することは、特に患者同士や地域事情と密接にからむへき地医療と抜群に親和性が高いと思います。

へき地医療こそ家庭医療の「最前線」であり「最新知見を得る場」であると自負しています。 これから地域枠制度で地域に出ていく先生方にはぜひ、「家庭医療」に一度は触れてほしいなと思います。(もちろん見学もお待ちしています。)

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