北の生活文化(海岸地域の伝統的なまつり )

 

 

北の生活文化(海岸地域の伝統的なまつり )


 

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 北海道のまつりには、移住した人々が母村(出身地)からもたらした神との結びつきを主軸にするまつりと、近年新しく誕生したまつりが並存する。後者は特に、農山村の個性的なイベントに代表され、地域の連帯意識を醸成し、高揚させる効果が期待されている。
 
海岸地域の伝統的なまつり
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109. 函館八幡宮例祭(函館市) 110. 佐女川神社の寒中みそぎ(木古内町)
 北海道の海岸地域には、漁業と深いかかわりを持つ歴史の古いまつりが多い。

 中でも、函館の「函館八幡宮例祭」と江差の姥神(うばがみ)大神宮例祭は規模も大きく、ニシン漁が盛んだった当時の道南の隆盛ぶりを彷彿とさせる威厳のあるまつりだ。

 「函館八幡宮例祭」の始まりは定かではないが、安永9年(1780)にはすでに行われている。現在は8月14~16日の3日間で、その見どころは2日日の御巡幸祭での、本神輿、剣道神輿、幼稚園神輿の3台による134段の石段かけのぼりの神事である。

 「姥神大神宮例祭」では、宝暦年間(1751~1763)に作られた神功山(じんぐうやま)をはじめとする13台の山車が8月9~11日まで夜遅くまで練り歩く.山車には京都の「祇園祭」の流れをくむといわれる囃子の笛と太鼓が添えられ、華麗な姿に人々は引きつけられる。

 同じく豊漁を祈念した祭礼の中でも、異色なまつりに木古内町の“寒中みそぎ”があげられる。「佐女川神社の寒中みそぎ」は、1月13~15日に行われる。その由来は、天保2年(1831)ごろ、神社守が夢で「神体を清めよ」との神のお告げのもと、正月17日にみそぎをしたところ、その年から豊漁豊作に恵まれたというものだ。以来、毎年4人の若者が厳寒期の冬の海でのこの行事に挑んでいる。
 
内陸地域の伝統的なまつり
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111. 北海道神宮例大祭(札幌市) 112. 妹背牛神社の獅子舞(妹背牛町)
 明治2年(1869)、天皇の詔によって開拓三神(大国魂神(おおくにたまのかみ)、大那牟遅神(おおなむちのかみ)、少彦名神(すくなひこなのかみ))を定め、同4年札幌神社(現・北海道神宮)が造営された.その後、各地に43に分霊した神社が創建されたが、そこには開拓三神をまつることで出身地の異なる移住者の心を統一し、定住へ向かわせようという団体長や農場管理人などの開拓指導者層の意図があった。

 毎年6月14~16日に実施される北海道神宮の例祭は、明治6年に開拓使の公式行事として始まり、当初から「札幌まつり」と呼ばれて今も人々に親しまれている。神輿渡御(みこしとぎょ)では、神輿4台に明治末から大正初めに造られた7台の山車が巡幸し、1425人の行列がにぎやか囃子と共に札幌中心部を練り歩く。

 北海道神宮の分霊をまつった神社は、札幌、石狩および空知では早くも明治10~20年代にかけて創建されている.妹背牛(もせうし)町の妹背牛神社もその一つだ。9月14、15日の例祭では、神輿渡御に四国の移住者が伝えた地神宮(じじんぐう)をお旅所(たびしょ)※1に、富山県出身者の獅子舞が修祓(しゅばつ)※2を目的に加えられるなど文化の混合・融合が行われ、北海道らしいまつりとなっている。

 開拓移住村のまつりは、母村からの民間信仰や民俗芸能が巧みに取り入れられ、神社祭礼を構成してきたところに特徴がある。

※1 まつりの時、神輿を本宮から移して一時安置する場所
※2 身を洗い清めること
 
民俗芸能<神楽>
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113. 松前神衆<二羽散米舞(にわさごまい)>

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114. 太々神楽<末広> 115. 三条神楽<悪魔祓>
 民俗芸能とは、庶民が神をまつる信仰の中からいつしか演じてきた芸能である.北海道の民俗芸能は、移住者が直接、母村から伝えた獅子舞などを基準に、あとで取り入れた太鼓などの芸能を加えながら、その地域の郷土芸能として培われてきたところに特徴がある。

 民俗芸能には「神楽」という、神をまつるときに行われる舞楽がある。その代表に「松前神楽」がある。延宝2年(1674)に演技種目を統一し、福山(松前)城内で松前藩第6代藩主矩広(のりひろ)が藩の行事として行ったのが公式の始まりとされ、主に道南地域の各神社で祭礼の際に舞われている。松前神楽は、古くから神官という限られた人々に担われ継承されてきたために、洗練されて芸術性の高い芸能として育った。

 庶民が舞う神楽として新潟県三条市の八幡宮を起源とする「三条神楽」がある。明治以降に三条市付近から移住した人々が故郷から伶人(れいじん)を招いて神社へ奉納したのが始まりで、その担い手は地域の生活者であり、「松前神楽」とは異にしている。この神楽は、北海道神宮や室蘭八幡宮、滝川神社などへ伝わった(滝川神社では今は行なわれていない)。小樽市の住吉神社では、「三条神楽」を「太々神楽」(だいだいかぐら)と称している。また、江別市の野幌神社には新潟県魚沼(うおぬま)、蒲原(かんばら)、古志(こし)から伝わる「大々神楽」がある。

※ 音楽を奏でる人。特に雅楽を奏でる人
 
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