北の生活文化(伝承された民俗芸能<荒馬踊、獅子舞 )

 

 

北の生活文化(伝承された民俗芸能<荒馬踊、獅子舞 )


 

 
伝承された民俗芸能<荒馬踊、獅子舞>
 
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116. 白符荒馬踊(福島町) 117. 獅子神楽(新十津川町)
 人々の往来や交通を通して伝承された芸能に「荒馬踊」や「獅子舞」などがある。

 「荒馬踊は道南の松前町白神(しらかみ)や、福島町白符(しらふ)などに古くからみられるもので、勇壮な荒馬踊に、「棒ふり」や扇を持った「ヤセヤセ踊り」(はやせはやせの略語で戦勝祝福の意)、頭に白髪をかぶった蝦夷(アイヌ民族)をかたどって帰順を表す「杵振舞(きねふりまい)」などで構成される。これは青森のねぶたのハネトと共通の要素をもつ芸能だ。

 「獅子舞」は「越中獅子」や「さぬき獅子」と呼ばれ、母村の形態がそのまま移住村へ受け継がれた芸能である。北海道の空知、石狩、留萌、上川地方のまつりに広く分布している獅子舞は、富山から移住者がもたらした芸能であり、富山県の呉羽山(くれはやま)を中心に呉西と呉東に分かれるが、呉西の百足獅子と呉東の二人獅子が出身地に従って継承されている。また、母村と移住村の姉妹提携を機に、母村の芸能をあらためて移入する現象も近年盛んである。鳥取県因幡(いなば)地方から伝わった釧路の「きりん獅子舞(第6章を参照)や富山県東砺波郡平村(ひがしとなみぐんたいらむら)から伝承された羽幌町の「筑子(こきりこ)」などがそれである。
 
現代の雪と氷のまつり
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▲118.さっぽろ雪まつり(札幌市) ▲119.層雲峡氷瀑まつり(上川町)
 室内に閉ざされがちの人々の、冬の楽しみとして道内各地に雪と氷の祭りが広がっている。

 冬最大のイベントに成長した「さっぽろ雪まつり」は、戦前の小樽・北手宮尋常小学校の児童たちが校庭の雪を固めて小雪像を作っていたのをヒントに、昭和25年(1950)に札幌市内の中学・高校生が高さ3~5mの雪像6基を作ったのがはじまりである。昭和30年(1955)からは自衛隊による大雪像作りも始まり、昭和47年(1972)の札幌オリンピックを契機に世界的に知られるようになった。大通、真駒内、すすきのの3会場で2月上旬に7日間開催し、平成13年(2001)には、雪氷像326基、観客数も234万4千人を記録した。

 ほかにも冬の網走を盛り上げるオホーツク最大規模のイベントに「あばしりオホーツク流氷まつり」がある。流氷が漂着する2月に行われ、迫力ある大雪像やライトアップされた氷の彫刻のほか、音楽と踊りが幻想的な伝統芸能「オロチョンの火まつり」もある。また、大雪山国立公園層雲峡温泉の「層雲峡氷瀑まつり」では、石狩川の両岸に氷の造形物を並べたり、千歳市支笏湖温泉の「千歳・支笏湖氷濤まつり」では2カ月かけて支笏湖の水を吹き付けて氷像群を造ったりと、2月の厳寒期に、各地で寒さや氷雪などのマイナスイメージをプラス志向に切り換えたイベントが増えている。
 
昭和に生まれたまつり
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120. 函館港まつり(函館市) 121. おたる潮まつり(小樽市)
 春秋の例祭は、生業の豊穣祈願が中心となって営まれるが、夏には“庶民のエネルギー”を発散させるまつりが多い。その中には昭和に入って新しく始まったまつりもある。

 歴史的に大火の多かった函館では、昭和9年(1934)の大火で2千人以上の死者を出した。「函館港まつり」は、この打撃から町の復興を目指し、市民の気運を盛り上げようと昭和10年に始まり、毎年8月1~7日に開催されている.昭和35年からは「一万人踊りパレード」も行われ、昭和61年に名実共に参加者が1万人を越え、函館市最大規模のまつりになった。

 小樽市の「おたる潮まつり」は、昭和42年に始まり、毎年7月最終週の金・土・日曜日に催される。まつりはかつて「潮男」たちが塩谷沖の海水をくみ上げる「お水とり」から始まり、平成6年(1994)まで続いていた。現在はそうした儀式はなくなってしまったが、まつり最終日に行われる小樽港での花火大会では、約2千5百発の花火が上がるとあって若者にも人気がある。北の阿波踊りとも呼ばれる2日目の「潮ねりこみ」は、祭り誕生以来、日中から夜にかけて約8時間市内を人々が練り歩き、今も変わらず名物となっている。
 
そのほかの現代のまつり
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122. 深川ふるさとまつり(深川市) 123. 阿寒湖のまりも祭り(阿寒町)
 まちづくり、むらおこしに一役買う、新たなまつりが北海道の各市町村で近年開発されている。

 例えば、毎年7月下旬に開催される穂別町の「穂別流送まつり」では、毎年「全道人間流送大会」が行われる。原木に見立てて川の中に並んだ14人の背中や肩の上を、船頭が小走りしながら150m先のゴールを目指すタイムレースで、参加者が川に落ちたり、踏みとどまるたびに観客から拍手がわき、参加者と見る者が一体となることのできるイベントとして人気だ。

 深川市では、7月下旬に鳥取県の傘踊りをヒントにした「しゃんしゃん傘踊り」を軸とする「深川ふるさとまつり」が開催される。深川の顔として自慢できるように、市民がひとつになれるまつりを目指して、昭和57年(1982)につくられた。

 阿寒町では、例年10月中旬に「阿寒湖まりも祭り」を開催している。昭和25年(1950)からマリモ保護運動の先駆けとして始まり、以来、阿寒湖で最も伝統あるイベントの一つに成長した。「まりもを迎える儀式」と「まりもを送る儀式」など、アイヌ民族の古式にのっとった儀式を中心に盛り込みながら、まつりは3日間、幻想的な雰囲気に包まれる。
 
全道、全国に広がるYOSAKOIソーラン祭り
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124. YOSAKOIソーラン祭り(札幌市)
 「さっぽろ雪まつり」と並ぶ規模に急成長し、北海道・札幌の初夏を彩るイベントに「YOSAKOIソーラン祭り」がある。平成4年(1992)、当時北海道大学の学生が、高知県で「よさこい祭り」の踊りに感動し、札幌でも実現させようと、道内の学生に呼びかけたのがはじまり。翌年、学生だけで構成する実行委員会が第1回を大通公園で開催し、10チーム約千人が参加した。その後、まつりは「街は舞台だ」を合言葉に年々規模を拡大し、6月上旬の開催時期には老若男女を問わず、道内、そして全国から踊り子たちが札幌に集結する。

 手に鳴子を持つこと、曲のどこかに北海道民謡である「ソーラン節」を取り入れることがルールとなっている。地方車(じかたしゃ)を先頭に、華やかな衣裳に身を包んだ人々の列が、迫力ある音楽と共に札幌の街を練り歩く様子は圧巻だ。平成12年(2000)には3万8千人、375チームが参加。人出は、札幌の人口を上回るほどとなっている。

 このような自由に創作した舞踊を路上や広場で踊るというかつてない形態のまつりは、道内各地で小規模の「よさこいまつり」を生み、さらには全国に広がりつつある。なお、札幌では移動式の「よさこい神社」が設けられ、踊り手たちがお参りする姿も見られる。
 
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