北の縄文(伊茶仁ふ化場第1遺跡ほか(標津町) ■遺跡の概要 ▲全景 標津町の伊茶仁ふ化場第1遺跡・伊茶仁カリカリウス遺跡・伊茶仁チシネ第3竪穴群遺跡などは、根室海峡に注ぐ伊茶仁川とその支流のポー川、直接海に注ぐフチャシナイ川沿岸の標高10~20mの台地にあります。縄文時代早期から擦文時代の竪穴住居跡群のほか、縄文時代後期の周堤墓が9基発見されています。 ■特徴的な遺構 周堤墓は伊茶仁ふ化場第1遺跡で1基、カリカリウス川第1地点で2基、無名川第2地点で1基、チシネ第3竪穴群遺跡で5基の9基があります。このうち試掘調査がなされたのは伊茶仁ふ化場第1遺跡と伊茶仁チシネ第3竪穴群遺跡のうちの4号と呼ばれたものです。前者からは2基の土壙墓が発見され、ベンガラや人骨がその内の1基から出ました。後者の周堤墓からは3基の土壙墓が見つかり、うち1基の墓を発掘しました。長軸の東側に墓標穴とみられる小さい穴が残ってましたが、副葬品はありませんでした。 ▲伊茶仁ふ化場第1遺跡 草の枯れている部分が周堤 ▲ふ化場第1遺跡 遺骸の痕跡が見られる ▲中央の低木は中心 左右の大木の根元が周堤部分 ▲人のいる所が周堤墓の中心 周囲に周堤墓がある ▲墳墓と墓標跡 ■主な遺物 周堤墓やその中の土壙墓からの遺物はありませんでしたが、伊茶仁ふ化場1遺跡の周堤墓周辺部からは堂林式土器、石鏃や赤色顔料が付着した石皿が出土しています。また、やや離れた地点からは、ほぼ同時期と思われる、ひすいの勾玉やサメ歯の副葬された墓が見つかっています。 ←他の遺跡を見る Copyright(C)2003 Hokkaido Government. All Rights Reserved.