賠償請求できる損害(道民生活課)
■賠償請求できる損害 |
どんなものが損害となるか
事故によって生ずる損害には、人身損害と物件損害があり、さらに人身損害は傷害によるものと死亡によるものとに分けられます。これらの損害の範囲・金額を決める場合、事故によって被害者の被ったすべての費用が交通事故による損害として認められているわけではなく、相当因果関係という考え方によって、通常生じるであろう損害にのみ限って損害賠償請求ができることになります。
相当因果関係
賠償の上で認められる事故と損害のつながりを、相当因果関係といいます。治療費、修理費など事故のために被害者が支払った費用について、必要性、相当性、合理性の観点から相当因果関係の範囲内にある損害として妥当かどうかを判断します。
必要性 その出費の必要性があったかどうか 相当性 その出費が治療上又は価格などの点から相当なものであったかどうか 合理性 その出費が交通事故による損害の一部として一般に納得されるものであるかどうか
損害額算定の基準
以上のような考え方で個々の交通事故について損害が算定されるのですが、実務では損害の範囲や額をあらかじめ大まかに定める損害の定型化、損害額の定額化が図られており、弁護士会や保険会社でもそれぞれに支払基準を設けています。
この手引では、人身損害についての基本保障である自賠責(共済)保険の支払基準を以下で説明していますが、この支払基準はあくまでも標準的なものであり、事故の態様、障害の程度等によっては異なる賠償額が認定されることもあるので、被害者の損害賠償請求では、各相談機関や弁護士などの助言を得て、公正で妥当な賠償額を提示し、解決が図られることや調停や訴訟による解決が必要となることもあります。
物件事故については、基準化されたものはありませんので、一般的な考え方だけを取り上げて説明しています。
なお、ここに説明する自賠責(共済)保険の支払基準は、平成14年4月1日以降に発生した事故に適用され、それ以前に発生した事故については、それぞれの旧基準が適用されます。
人身損害 (1)積極損害(治療費、付添費、入院費、葬儀費等)
(2)消極損害〔傷害の場合…逸失利益〕
〔後遺障害の場合…休業補償〕
(3)精神的損害(慰謝料)
(4)弁護士費用〔訴訟の場合〕物件損害 (1)積極損害(修理代、代車費用等)
(2)消極損害(休車補償、価格落ち等)
■損害の算定 [(1)積極損害+(2)消極損害+(3)精神的損害]×過失相殺率
+(4)弁護士費用(訴訟の場合)