日高山脈襟裳国定公園

[S.56.10. 1指定・103,447ha]

日高山脈襟裳国定公園

MAP

日高山脈襟裳国定公園MAP

概要

北海道中央南部を南北約150kmにわたって走る峻険かつ自然性の高い日高山脈を中心に、その山系が南に伸びて太平洋に没する襟裳岬の海岸景観などからなる、わが国最大の国定公園です。アポイ岳は特異な地質による固有植物が多く、標高が低いにもかかわらず高山植物の宝庫といわれています。

地域

日高山脈襟裳国定公園は、北海道の背骨といわれる雄大な日高山脈の山並み、広尾町から襟裳岬にかけての海食崖の続く海岸線一帯、そして花の名山として知られるアポイ岳とその周辺の3つの地区で構成される自然公園です。総面積103,447haは、国定公園としては日本最大であり、その広大でバラエティに富んだ自然の姿は、私たちに様々な"顔"を見せてくれます。
北海道の中央南部を南北約150kmにわたって走る日高山脈は、「幌尻岳」を最高峰とする海抜1,500~2,000m級の山々が連なり、氷河の痕跡「カール」、稜線の鋭く切れ込んだ「ナイフリッジ」などの地形がその特徴です。

日高山脈の山々には、一般的な登山コースは整備されていません。山に近づくには道のない沢を遡行しなくてはならず、アプローチも相当長いことから、人が立ち入ることを拒む厳しい姿がそこにあります。
襟裳岬は、岬の先端から1.5kmにも及ぶ岩礁が連続する姿と、非常に風が強いことで知られていますが、一方で、岩礁の上にゼニガタアザラシののんびりとした姿が観察でき、穏やかな表情を楽しむこともできます。
アポイ岳は、標高わずか810mという低山でありながら、ヒダカソウをはじめ固有の高山植物が数多く見られることで知られています。日高山脈襟裳国定公園の中では登山道が整っており、身近に可憐な花々を見ることができるため、多くの登山者で賑わっています。

年表

昭和25年8月15日

襟裳道立公園指定。

昭和33年4月1日

北海道立自然公園条例の施行に伴い、襟裳道立自然公園に移行する。

昭和43年~44年

日高山脈学術調査が実施される。

昭和45年4月8日

日高山系国定公園指定促進期成会が発足する。

昭和51年~53年

日高山系自然生態系総合調査が実施される。

昭和56年10月1日

日高山脈襟裳国定公園指定。

平成13年10月1日

日高山脈襟裳国定公園指定20周年を迎え、記念行事が実施される。

地域の広さ

帯広市

6,358ha

清水町

3,418ha

芽室町

4,190ha

中札内村

12,728ha

大樹町

13,472ha

広尾町

9,098ha

日高町

11,633ha

河町

8,795ha

新冠町

6,707ha

新ひだか町

12,378ha

平取町

2,433ha

様似町

7,414ha

えりも町

4,823ha

国定公園であるということ

日本の自然公園制度では、土地の所有者は国(国有林)や地方公共団体(道有林・市町村有林)のほか私有地の場合もあります。また、区域の中には森林のほか原野や農耕地、市街地になっているところも含まれています。そのため、国定公園の区域では、「特別保護地区」「第1種特別地域」「第2種特別地域」「第3種特別地域」「普通地域」の5種類に分け、保護の必要性に応じて区域を分け、様々な土地利用や産業活動との調整を図っています。
 日高山脈襟裳国定公園では、日高山脈脊稜部やアポイ岳の高山植物群落、幌満のゴヨウマツ自生地が「特別保護地区」に、また、人為の影響を受けていない低山帯上部から亜高山帯にかけての深い森林や襟裳岬周辺の風衝草原が「第1種特別地域」に指定され、その原生の自然を守るために特に強い規制が行われています。
 「普通地域」以外の国定公園区域内では、「工作物の新増改築」「広告物の設置」「高山植物の採取」などを行う場合に、北海道知事の許可を得なければなりません。また、スノーモービルで乗り入れることが禁止されている場所もあります。「普通地域」においては、許可を不要としますが、行為の内容によっては届出が必要な場合があります。

北海道の背骨「日高山脈」

スプーンで削り取ったようなくぼ地が山頂付近で見られることがあります。氷河が削ったカールという地形です。日高山脈ではカールが2段に分かれていて、氷河の前進期が少なくとも2回あったことがわかっています。これらがつくられたのは最終氷期(8万年前から1万年前)の話で、研究された山にちなんでそれぞれトッタベツ亜氷期(2万年前頃)、ポロシリ亜氷期(4万年前頃)と呼ばれています。

日高山脈はこうして生まれた

今の日高山脈の場所は、昔は海が広がっていました。
 地球は卵の殻のような「プレート」という薄い板で覆われています。このプレートが二つ、昔の海底で衝突を起こしました。東西両側から押されて海はだんだん浅くなり、最終的に片方のプレートが勢いあまってめくれあがりました。めくれた厚さは20kmにもなります。この部分が高く高く、日高山脈へと成長していきました。
日高山脈は西側ほど深い部分を見せています。東麓では非変成の堆積岩類が見られますが、西に向かうにつれて温度が上がっていき、もっとも西側では800℃という高温に達したような石が見られるようになります。
マグマ溜まりもそのまま残っています。私たちは居ながらにして地球の断面を見ているのです。

日高山脈はこうして生まれた

見どころ

襟裳岬

日高山脈が次第に標高を下げ、そのまま太平洋に沈んでいく、壮大な大自然のドラマを実感できるのが襟裳岬。荒波に洗われているにもかかわらず、遠く2キロメートル沖まで岩礁地平等が続いています。

日高山脈はこうして生まれた

アポイ岳登山口野営場

アポイ岳の登山口でもあり、登山者のためのビジターセンターをはじめ、キャンプ場やゴーカート、アスレチック遊具、パークゴルフ場、親水公園、アポイ山荘などがある、総合レジャー公園です。

アポイ岳登山口野営場

日勝峠

日高地方と十勝地方を結ぶ標高1022mの峠。5合目付近の第一展望台からは壮大に広がる十勝平野をはじめ、阿寒・東大雪連峰を一望に見渡すことができます。

日勝峠

ポロシリオートキャンプ場

日高山脈・十勝幌尻岳の山麓にあるキャンプ場で大自然を思う存分満喫できます。

ポロシリオートキャンプ場

岩内仙峡

岩内川をさかのぼった日高山麓にある渓谷で、62mある紅色のつり橋「仙峡橋」を渡ると、白樺の森を散策できます。帯広市内随一の景勝地です。

岩内仙峡

ピョウタンの滝園地

札内川の清流を集めて10メートルの落差で豪快に流れ落ちるダム跡の滝。園内には滝の水しぶきや豊富な自然林から発生されるマイナスイオンがあふれています。

ピョウタンの滝園地

ワーケーションモデルコース

夏・春

ワーケーションモデルコース

お問合せ

北海道日高振興局 保健環境部 環境生活課
TEL 0146-22-9254

北海道十勝総合振興局 保健環境部 環境生活課
TEL 0155-26-9028

カテゴリー

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