「北のものづくりネットワーク」の取組について~業界間連携による自動車・食関連機械分野の製品開発モデル事業

道では、平成28年度から業界団体や産業支援機関などと連携し、生産現場における省力化や効率化等の潜在的なニーズの掘り起こしを行い、道内ものづくり企業の技術力を結集し解決を図る共同開発モデル事業に取り組んでおり、これまで5つの共同開発プロジェクトを立ち上げ、製品開発の課題等の検討や磨き上げ、基本設計の策定などの取組を支援してきました。(※これらの取組は、プロジェクト参加企業により秘密保持契約を締結し、開発を進めています。)

ムキ玉ねぎの選別仕分け装置の開発

きっかけ

玉ねぎ加工品や冷凍食品などを生産する(株)グリーンズ北見では、年間18,000トン以上の玉ねぎを加工していますが、マーケットニーズが年々拡大していることから、これに対応した安定生産体制の構築が急務となっていました。中でも、玉ねぎの残留表皮や変色部位の除去(トリミング)作業には、多くの人員を要しており、人手不足が深刻化する状況において、本作業の省人化が喫緊の課題となっていました。そこで、加工処理能力を高め、かつ、省力化を可能にする機械の導入について検討していたところ、北海道中小企業総合支援センターの提案により、共同開発プロジェクトとして取り組むこととなりました。

取組内容

(株)グリーンズ北見、訓子府機械工業(株)、恵比寿システム(株)、(有)司機工エンジニアリングの4者に北海道立総合研究機構工業試験場が加わり、平成30年9月から「ムキ玉ねぎの選別仕分け装置」の開発がスタートしました。プロジェクト検討会議では、搬送されてくる玉ねぎの残留表皮や変色部位の有無を画像計測で判定する手法や、玉ねぎ全面を検査するための整列・搬送機構について検討を行いました。さらには、選別処理能力向上のため、複数の玉ねぎを一度に検査する高速画像処理技術などについても検討を行いました。この結果、いくつかの確認試験を行う必要があるものの、目標とする機能・性能の実現に向けた技術開発の方向性を明確にすることができました。

オブラート暑さ計測制御装置の開発

きっかけ

オブラートを生産する伊井化学工業(株)では、薬やお菓子向けの需要に的確に対応できる安定生産に向け、顕在化してきた課題を解決することが急務となっており、この取組の一環として、熟練者の経験やノウハウに頼っていた作業の効率化と生産性向上について検討を進めていました。中でも、減量となる馬鈴薯の品種や収穫時期によるデンプン糊の粘性の違いが、オブラート厚さのばらつきの要因になっていることから、厚さの均一化について検討を進めていたところ、北海道中小企業総合支援センターの提案により、共同開発プロジェクトに取り組むこととなりました。

取組内容

伊井化学工業(株)、(株)ワイエスケイ、水谷鉄工(株)の3者に北海道立総合研究機構工業試験場が加わり、平成30年9月から「オブラート厚さ計測制御装置」の開発がスタートしました。プロジェクト検討会議では、最初にオブラートの厚さの計測方法について検討を行いました。厚さの計測は非接触・非破壊、かつインラインで行うことが不可欠であることから、光学的計測手法に的を絞り込んで検討を進めました。この結果、レーザー光の反射特性を利用したでんぷん糊の厚さ計測手法と、同じく透過特性を利用したおぶらーとの厚さ計測手法を考案することができました。さらには、でんぷん糊の粘性を安定化する方法についても、技術的可能性を見出すことができました。このような結果を踏まえ、今後もプロジェクトメンバーや工業試験場などの支援機関とともに、補助金等を活用することにより検討・試作を進めていきます。

結球野菜非可食部除去装置の開発

きっかけ

結球野菜を原料とする食品製造現場では、非可食部を人手で除去している食品メーカーが多いのが実情です。そこで、野菜加工品を生産する食品メーカーC社においても、毛旧野菜の非可食部を除去する際の作業員の負担軽減と原料の歩留まり向上を検討していたところ、北海道中小企業総合支援センターの提案により、共同開発プロジェクトとして取り組むこととなりました。

取組内容

食品メーカーC社、情報サービス業D社、E社、電気機械器具製造業F社の4者に北海道立総合研究機構工業試験場が加わり、平成30年8月から「結球野菜非可食部除去装置」の開発がスタートしました。プロジェクト検討会議では、非可食部の位置と形状の検出を行う画像処理技術に加え、照明方法やカメラの位置など、最適な計測光学系の構築について検討を行いました。その一方で、装置の省スペース化を考慮した整列・搬送機構や非可食部除去機構についても検討を行いました。こうした検討結果を踏まえ、今後もプロジェクトメンバーや工業試験場などの支援機関とともに、本装置の実現に向けて顕在化してきた技術課題の解決に取り組んでいきます。

食品異物検査装置の開発

きっかけ

食品製造現場では検品作業が必須ですが、この中で、微少な異物の混入を検査する作業は機械化が難しいため、多くの食品メーカーでは本作業を人手に頼っているのが実情です。詩菓子、作業員の高齢化に加え、個人差や作業継続に伴う疲れなどによるばらつきが生じてしまうことから、安定した検査精度・確度を確保することは大きな課題となっています。海鮮珍味などを生産する食品メーカーA社においても、これまで食品製造過程における異物検査や選別作業を目視で行っており、より安心・安全な食品の提供や、省力化を図るため、検査工程を機械化したいと考えていたところ、北海道中小企業総合支援センター(以下「センター」という。)の提案により、共同開発プロジェクトとして取り組むこととなりました。

取組内容

平成30年8月、食品メーカーA社、機械器具製造業B社、電気機械器具製造業C社、情報サービス業D社及びセンターに北海道大学、北海道立総合研究機構工業試験場が加わり、「食品異物検査装置」の開発がスタートしました。7者によるプロジェクト検討会議では、これまで、高度な異物検査方法の確立を目標に、計測技術や情報解析・判定技術の活用について検討を行ってきました。具体的には、画像計測における照明などの光学的環境やハードウェア・ソフトウェアに関する検討を行う中で、画像処理技術、さらにはAI活用の有効性の確認等と課題整理を行い、基本設計の策定段階までたどりつきました。今後もプロジェクトメンバーや工業試験場などの支援機関とともに、製品化に向けて検討・試作に取り組んでいきます。

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