北海道科学技術振興条例(条文)

平成20年4月1日

北海道条例第4号

目次

全文

第1章 総則(第1条―第9条)

第2章 科学技術の振興に関する基本的施策等

  第1節 基本計画(第10条)

  第2節 科学技術の振興に関する基本的施策(第11条―第18条)

第3章 北海道科学技術審議会(第19条―第26条)

附則

(全文)

 科学技術の進歩は、20世紀以降の工業化の進展やそれに伴う経済活動の拡大など、これまで人々に繁栄と豊かさをもたらしてきており、地球環境の保全や安全で安心な生活の実現など、時代の要請にこたえる科学技術の重要性はますます高まっている。

 北海道は、雄大な山河や森林、湿原、湖沼などが広がる大地に多様な植生や野生動物が息づく豊かな自然環境と資源に恵まれており、私たちは、美しい北海道の自然環境と経済発展とが調和する社会を築き上げ、将来の世代に引き継いでいく責務がある。

 こうした状況の中で、地域の強みや資源を生かしつつ、自由な発想の下、北海道から科学的発見や技術的発明などを基盤とした新たな価値を生みだすとともに、本道をめぐる様々な課題に対応していくことが求められている。

 そのためには、科学技術の振興に携わる者が共通の目標を持ち、国際的な視点に立って、適切な役割分担による協働を推進するとともに、道民が科学技術に対する理解と関心を高め、社会全体で科学技術の将来の担い手を育成していかなければならない。

 このような考え方に立って、科学技術の振興を通じ、本道の経済の活性化と自立的発展、安全で安心な生活基盤の創造及び環境と調和した持続的な社会の実現に寄与するため、道民の総意としてこの条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条

この条例は、科学技術(人文科学のみに係るものを除く。以下同じ。)の振興に関し、基本理念を定め、並びに道の責務並びに大学等、事業者、支援団体、金融機関等及び道民の役割を明らかにするとともに、道の施策の基本となる事項を定めることにより、科学技術の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって本道における科学技術の水準の向上並びに新たな経済的価値及び社会的価値の創出を図ることを目的とする。

(定義)

第2条

この条例において「大学等」とは、道内に所在する大学及び高等専門学校その他試験研究機関(道又は事業者が設置するものを除く。)をいう。

2 この条例において「支援団体」とは、科学技術に対する理解の増進、大学等又は事業者が行う研究開発その他の科学技術の振興に資する取組を支援する法人又は団体であって、道内に事務所又は事業所を有するものをいう。

3 この条例において「金融機関等」とは、銀行、信用金庫その他の金融機関及び株式の取得等を通じて業として事業者に対する投資を行う者であって、道内に事務所又は事業所を有するものをいう。

4 この条例において「産学官」とは、事業者、大学等、支援団体、国、道及び市町村をいう。

(基本理念)

第3条

科学技術の振興は、次に掲げる事項を基本として推進されなければならない。

(1) 本道の経済の活性化、道民生活の安定向上及び環境と調和した社会の実現に重要な役割を果たすとの認識の下に、国際的な視点に立ちつつ行うこと。

(2) 研究者及び技術者の創造性が十分に発揮されることを旨として、広範な分野における基礎研究、応用研究及び開発研究の調和を図りつつ行うこと。

(3) 産学官及び金融機関等の適切な役割分担による協働により取り組むこと。

(4) 農林水産物等の資源、気候、風土等の地域特性その他地域の潜在力を生かすこと。

(5) 道民の理解及び協力の下、活力を持って持続的に行われること。

(道の責務)

第4条

道は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、国、市町村その他の関係者との緊密な連携の下、科学技術の振興に関する施策を総合的かつ計画的に実施する責務を有する。

2 道は、市町村が科学技術の振興に関する施策を策定し、及び実施しようとする場合には、市町村が果たす役割の重要性にかんがみ、助言その他の必要な支援を行うものとする。

(大学等の役割)

第5条

大学等は、基本理念にのっとり、人材の育成並びに研究及びその成果の社会への還元等を通じ、地域貢献及び地域における知の拠点としての機能の充実に努めるものとする。

(事業者の役割)

第6条

事業者は、基本理念にのっとり、研究開発、新技術の導入、研究成果の実用化、新製品の創出等を通じ、事業活動の高度化及び地域経済への寄与に努めるものとする。

(支援団体の役割)

第7条

支援団体は、基本理念にのっとり、道民の科学技術に対する理解の増進並びに研究成果の普及及び移転への支援等を通じ、本道における科学技術の振興を促進するよう努めるものとする。

(金融機関等の役割)

第8条

金融機関等は、基本理念にのっとり、地域における事業者の意欲ある取組の発掘及び育成、事業化に向けた産学官への助言等を通じ、地域経済の活性化に努めるものとする。

(道民の役割)

第9条

道民は、基本理念に対する理解を深め、科学的なものの見方及び考え方を育むことが重要であること並びに科学技術の振興が道民生活の向上及び地域社会の活性化に資することを認識し、科学技術の振興に関する催し等に積極的に参加するよう努めるものとする。

第2章 科学技術の振興に関する基本的施策等

第1節 基本計画

第10条

道は、本道における科学技術の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、科学技術の振興に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定しなければならない。

2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 科学技術の振興に関する基本的な目標及び施策

(2) 科学技術の振興に関し重点的に講ずる措置

(3) 施策を推進するための手法及び体制

(4) その他科学技術の振興に関し必要な事項

3 知事は、基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ、道民の意見を反映することができるよう必要な措置を講じなければならない。

4 知事は、基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ、北海道科学技術審議会の意見を聴かなければならない。

5 知事は、基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

6 前3項の規定は、基本計画の変更について準用する。

第2節 科学技術の振興に関する基本的施策

研究開発の充実及び研究成果の移転等の促進

第11条

道は、国等の関係機関と連携し、研究者等の交流、共同研究の体制の構築等を通じた研究開発に関する拠点の形成、大学等における研究開発の推進並びに研究成果の移転及び事業化の促進に必要な措置を講ずるものとする。

道における試験研究等の推進

第12条

道は、道民生活の向上並びに産業の育成及び発展等のため、効果的かつ機動的な試験研究機能の充実に努め、地域の課題に対応した研究開発及びその成果の普及並びに技術支援等を推進するものとする。

産学官及び金融機関等の協働の促進

第13条

道は、科学技術の振興に当たって、産学官及び金融機関等の適切な役割分担による協働が重要であることにかんがみ、その促進に必要な措置を講ずるものとする。

知的財産の創造、保護及び活用

第14条

道は、本道の活力を維持し、その強化を促進するため、国等の関係機関と連携し、知的財産の創造、保護及び活用に必要な措置を講ずるものとする。

人材の育成等及び道民の理解の増進

第15条

道は、国等の関係機関と連携し、学習の機会の充実、科学技術に関する啓発及び知識の普及等により、科学技術を支える人材の育成及び確保並びに道民の科学技術に対する理解の増進を図るため、必要な措置を講ずるものとする。

2 道は、科学技術の振興に関して優れた取組をした者に対し、表彰その他の必要な措置を講ずるものとする。

科学技術の振興を図るための体制の整備

第16条

道は、国等の関係機関と連携し、科学技術の総合的かつ戦略的な振興を図るために必要な体制を整備するものとする。

財政上の措置

第17条

道は、科学技術の振興に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

推進状況の公表

第18条

知事は、毎年、科学技術の振興に関する施策の推進状況について公表しなければならない。

第3章 北海道科学技術審議会

設置

第19条

北海道における科学技術の振興を図るため、知事の附属機関として、北海道科学技術審議会(以下「審議会」という。)を置く。

所掌事項

第20条

審議会の所掌事項は、次のとおりとする。

(1) 知事の諮問に応じ、科学技術の振興に関する重要事項を調査審議すること。

(2) 基本計画の推進に関し調査審議すること。

(3) 前2号に掲げるもののほか、この条例の規定によりその権限に属させられた事務

2 審議会は、科学技術の振興に関し必要と認める事項を知事に建議することができる。

組織

第21条

審議会は、委員15人以内で組織する。

2 審議会に特別の事項を調査審議させるため必要があるときは、特別委員を置くことができる。

委員及び特別委員

第22条

委員及び特別委員は、次に掲げる者のうちから、知事が任命する。

(1) 学識経験を有する者

(2) 科学技術の振興に関する知見を有する者

(3) 前2号に掲げる者のほか、知事が適当と認める者

2 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

3 委員は、再任されることができる。

4 特別委員は、当該特別の事項に関する調査審議が終了したときは、解任されるものとする。

5 知事は、特別の事由があるときは、任期中であっても、委員を解任することができる。

会長及び副会長

第23条

審議会に会長及び副会長2人を置く。

2 会長及び副会長は、委員が互選する。

3 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。

4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、あらかじめ会長の定める順序により、その職務を代理する。

会議

第24条

審議会の会議は、会長が招集する。

2 審議会は、委員及び議事に関係のある特別委員の2分の1以上が出席しなければ、会議を開くことができない。

3 会議の議事は、出席した委員及び議事に関係のある特別委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

部会

第25条

審議会は、必要に応じ、部会を置くことができる。

2 部会は、審議会から付託された事項について調査審議するものとする。

3 部会に部会長を置き、会長が指名する委員がこれに当たる。

4 部会に属すべき委員及び特別委員は、会長が指名する。

会長への委任

第26条

この章に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。

附則

施行期日

1 この条例は、平成20年4月1日から施行する。

北海道科学技術審議会条例の廃止

2 北海道科学技術審議会条例(昭和28年北海道条例第3号)は、廃止する。

経過措置

3 この条例の施行の際現に前項の規定による廃止前の北海道科学技術審議会条例(以下「旧条例」という。)の規定により置かれている北海道科学技術審議会(以下「旧審議会」という。)は、第19条の規定により置かれた審議会とみなす。

4 この条例の施行の際現に旧条例第3条第2項の規定により旧審議会の委員に委嘱されている者は、第22条第1項の規定により審議会の委員に任命された者とみなす。この場合において、委員の任期については、その者が旧条例第3条第2項の規定により委嘱された日から起算する。

5 この条例の施行の日前に、基本計画の策定に関し、旧審議会の意見を聴いたときは、同日以後においては、第10条第4項の規定による意見の聴取をしたものとみなす。

検討

6 知事は、この条例の施行の日から起算して5年を経過するごとに、社会経済情勢の変化等を勘案し、この条例の施行の状況等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

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