北海道競馬のあり方について(建議) 平成17年9月29日

 

 

北海道競馬のあり方について(建議)平成17年9月29日


 

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「北海道競馬のあり方について」建議

平成17年9月
北海道地方競馬運営委員会

<前文>
 北海道競馬は、13年度から「5カ年での赤字脱却」を目指し、抜本的な運営改善を推進しているところであり、当委員会は17年度までの運営改善の評価・検証を行い、北海道競馬のあり方について慎重に論議・検討した結果、次のとおり意見を集約したので、貴職におかれましては、この内容を斟酌し、速やかに対応を検討するよう建議します。

1 5カ年の運営改善の評価

(1)17年度は融雪の遅れにより、出走馬の調教が遅れ、レース数の確保が十分でなかったことなどにより、発売状況は厳しいが、道外発売の拡大やミニ場外の新設などによる発売の回復・拡大策に積極的に取り組んでいる。

(2)13年度からの運営改善の取組については、
 ア 産地などからの支援も受けて取り組んだ、ミニ場外の展開、新型賭式の導入、スタリオンレースなどによる発売の拡大。
 イ 人員体制、開催業務や賞金・諸手当の見直しなどによる経費の削減。
 ウ 我が国で始めての民間施設を利用した認定厩舎制度の導入を通じた競走馬や話題馬の確保などによる競馬番組の充実。
などによって、赤字額は平成13年度において28億円あったモノが平成16年度には約半分の13億円まで減少しており、一定の成果が認められるところである。
   18年度からの赤字経営の脱却は厳しい状況ではあるものの、競馬を取り巻く環境が厳しい中にあって、産地などとの協力の下での運営改善の先駆的な取組は高く評価できるものであり、道営競馬の運営改善は着実に進んでいると考える。
   一方、道財政自体が税収入の減少や地方交付税の削減による収支不足額の増加が顕著となり、北海道財政は危機的な状況であり、道営競馬を巡るじょうせいが従前よりも厳しさを増していることも否めない事実である。

2 運営改善の可能性
 北海道競馬にとっては、今後とも運営改善を進めることが重要であるが、次の取組などによって、その可能性は十分にあるものと考える。

(1)発売面においては、道外発売の拡大、ミニ場外の新設、ネットバンキングの活用、JRAの受託発売のほか、2歳馬主体という他に類のない特色を有していること、さらに一般メディアの積極的な活用やミニ場外のスポーツカフェ化など、競馬に参加しやすい環境づくりを通じ、新規ファンの獲得も期待できるなど、発売拡大は可能である。

(2)支出面においては、アウトソーシングによる発売の民間委託や競馬実施ズムの委託による運営体制のスリム化、既存場外のミニ場外化などが可能であり、更なる経費削減の余地はある。

3 北海道競馬の位置づけ

(1)競馬界全体の維持発展

 ア 軽種馬は、市場で売れ残ると相対での売買となり、格段に安価な取引となる。そうした中で、産地に立脚する北海道競馬があることによって、軽種馬生産者自らが北海道競馬の馬主になってレースに出走させ、他の競馬場への流通を図っていくなど、北海道競馬は他の競馬場では出来得ない競走馬の能力を引き出すとともに、資産としての活用の場として、また、こうした場が身近にあることによって生産者の技術向上が図られるなど、軽種馬生産界にとって北海道競馬は根幹をなすものとなっている。

 イ 軽種馬生産界において、国際競争力のある強い馬づくりが緊要な課題であり、北海道競馬が運営されていることで、生産者のモチベーションが維持され、このことが国内の生産体制を安定化させ、競走馬の裾野を確保しながら、競馬本体の水準を高めてきており、国内の競馬事業の発展に寄与している。この結果として国家財政への貢献にも結びついている。

(2)多面的機能の発現

 ア 軽種馬生産は北海道の風土が生み出した重要な産業であり、これが創出した牧歌的な風景や景観、乗馬によるトレッキングや療育などの馬文化は、道民の貴重な財産であり、観光資源としても大きな可能性を有している。(日高地域では馬立国宣言などの取組も見られるが、資源として十分な活用がなされているとは言いがたく、地域をあげて積極的に観光ルートを開発することなどにより地域活性化の誘導策となりえる。)

 イ 軽種馬生産は地域の基幹産業として金融、労働、生産財、サービス、生産物市場に大きな影響を与えている。

 ウ 北海道競馬は、競走馬の産地に立脚していることから、商工業や観光業などの周辺産業とも密接な関係にあり、地域全体(日高・胆振)の経済活動と雇用にも大きな役割を果たしている。また、こうした経済活動は他分野の人材、技術、資本がセットで動く貴重な場となっており、一度消失してしまうとその再構築には相当の労力と時間・費用を要することが想定される。

4 北海道競馬のあり方

(1)日高・胆振地域は世界有数の軽種馬産地であり、この生産を歴史、文化、地域社会との関わりを通して考えていくことが必要である。そうした中で、軽種馬生産によって形成された産業、馬文化、独特の景観は、道民共通のかけがえのない財産であること、また、競馬法が改正された中、これを活用した地域農業の構造改革が緒に就いたばかりであり、現状では軽種馬が基幹産業であることなどを踏まえると、当委員会としては、そうした役割を発揮するとともに、北海道競馬を継続させることは意義のあることであると考える。

(2)しかしながら、道財政がかつてない厳しい状況にある中で、引き続き、北海道競馬を運営していくに当たっては、より高いハードルを設け、当面財政負担の軽減はもちろんのこと、収支改善の見通しについて、常にチェックしていくことが必要である。また、競馬が北海道ならではの健全なレジャーであることや、北海道競馬の役割について道民の理解を得るため、開催内容の工夫や継続的なPR活動等に取り組むことが必要である。
 さらに、軽種馬産地に対しても、北海道競馬の実施に当たって、一体的な協力体制を構築するよう求めることが必要である。

(3)一方、前委員会の建議でも示されているが、北海道競馬が軽種馬生産地を支えることによって、競馬産業全体の枠組みが維持され、結果として、JRAによる国家財政への貢献がもたらされているいるものであり、北海道競馬の馬産地競馬としての特別な役割を踏まえ、国やJRAなどに対しては、北海道競馬が我が国全体の競馬を支えていることへの認識・理解を一層働きかけ、北海道競馬の運営改善に役立つ具体的な支援措置を求めることが必要である。

北海道知事 高橋 はるみ 様

平成17年9月29日
北海道地方競馬運営委員会 
     委員長 小林 好宏

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