北海道立文書館特別展「開拓使文書に拾う北海道史の一場面」開拓使とは

 開拓使は、1869(明治2)年に、北海道・千島・樺太(ただし、樺太は1875年まで)の開拓と地方行政を担うために設けられた組織です。

 明治2年の官制改革では、古代(奈良・平安)の「律令制」にならって諸職の名称がつけられました。「使」というのは臨時的な務めを担う職につけられた名称です。

 開拓使は、開拓により北方の備えを固めるという国策を担う中央官庁であると同時に、北海道等の地方行政を担当するという、特殊な位置づけの官庁でした。開拓使長官は大蔵省など諸省の卿(長官)と同格とされていました。

 開拓という面では、人々が来住・定着できるよう社会基盤整備を進めると同時に、農林水産業、鉱工業などの産業振興施策を展開しました。

 開拓使の組織は時代により変遷がありますが、基本的には札幌に本庁、函館と根室に支庁、東京に出張所が置かれ、さらに各地にも出張所等がありました。

 最高責任者が東京出張所に在勤していることがほとんどで、東京出張所が事実上の本庁のようになっていました。

 開拓使は「開拓使十年計画」が満期を迎えた1882(明治15)年に廃止となり、地方行政は札幌県・函館県・根室県に、産業振興施策は農商務省事業管理局に、引き継がれました。

特別展「開拓使文書に拾う北海道史の一場面」案内に戻る

カテゴリー

cc-by

page top