定例記者会見(平成17年3月24日)

知事定例記者会見

・日時/平成17年3月24日(木) 18:42~19:03
・場所/議会記者室
・記者数/28名(その他テレビカメラ等5台)

会見項目

 

知事からの話題

1 第1回定例会の閉会にあたって
2 (株)コクドの事業再編に関する要望について
3 知床の世界自然遺産登録について
4 第77回選抜高校野球大会駒澤大学付属苫小牧高等学校初戦突破について

記者からの質問

1   ふるさと銀河線について(1)
2 ふるさと銀河線について(2)
3 ふるさと銀河線について(3)
4 第1回定例会を終えて
5 道警捜査用報償費問題について
6 オリンピック競技大会の北海道招致に関する決議について

知事からの話題

 

第1回定例会の閉会にあたって

  それでは私から3点あります。
  一つ目は、今日、第1回定例会が閉会しました。財政立て直し問題、地方分権の問題、その他様々な道政課題について、議論させていただきました。1カ月の会期を終え、先程、閉会しました。1定ですので、予算のご承認をいただき、また、例の食の安全・安心条例(「北海道食の安全・安心条例」)、関連の遺伝子組換え条例(「北海道遺伝子組換え作物の栽培等による交雑等の防止に関する条例」)、これは全会一致ということで、ご承認をいただいたところです。また、議員提案で二つ出ていたわけですが、そのうちの自民党さんの出された雇用創出基本条例、これも全会一致で可決されたわけでありまして、知事に対して「雇用の創出に関する基本的な計画を定めなければならない」とされたわけです。ですから、基本計画を策定することが条例上、義務づけられたわけですが、もともとご案内のとおり、雇用創出プランというものをずっとやっておりまして、特に、私が知事公約で掲げた「2年間で5万人」ということで、15、16、両年2年間で5万人というところまできたわけですが、17年度以降については、財政立て直し等で、さらに雇用が厳しい状況になるという中で、我々自身として、雇用創出プランを新たな視点で考えなければならないと思っていたところに、こういった条例の制定、いわば、私どものこういった政策をバックアップしていだけるような条例をお作りいただきましたので、その条例に基づく基本計画ということで、今まで、私どもがやっておりました雇用創出プランを新たに、できる限り早く提案をしてまいりたいと考えているところです。雇用情勢は道内も、ご案内のとおり、一歩一歩は、改善をしているわけではありますが、ただ、全国との比較において、まだまだ厳しい状況にあるわけでありまして、この新たな条例に基づく、私どもの雇用基本計画をしっかりと対応してまいりたいと考えております。これが議会の関係です。

(株)コクドの事業再編に関する要望について

  それから、次が、コクドの事業再編に関する要望をいたしましたというご報告です。
 議会中でしたので、実際、コクド本社の大野社長に会ったのは、東京事務所長ですが、道知事及び北海道観光連盟をはじめとする、関連経済4団体の長の連名で、コクドに対して文書による要請を行ったところです。内容的には、今月いっぱいにも西武グループの経営改革委員会の最終報告書がまとめられるという動きもありまして、そういった中で、この事業再編の検討にあたって、本道の観光、あるいは地域経済、雇用などの影響も十分にご配慮いただきたいというような趣旨の要請をしたところです。コクドの大野社長というのは、ご案内のとおり、札幌プリンスで総支配人をやっておられた方でありまして、私も個人的に良く存じ上げている方ですが、今日、要請を持ってまいりました東京事務所長に対しては、それぞれの地域の状況に応じ、地元とよく協議をしながら対応方策を検討していきたいという話をちょうだいいたしました。これが二つ目です。

知床の世界自然遺産登録について

  それから、三つ目は、知床の世界自然遺産登録に向けて、第2次書簡が来まして、その期限が3月いっぱいになっているということです。そういった中で、地元との調整をやってきたわけですが、本日、午後2時半から、羅臼町において開催されました知床世界自然遺産候補地地域連絡会議が終了したと聞いております。地元の皆様方に、第2次書簡に対する私どもの回答が了承されたと聞いているところです。今後は、漁協の皆様方とお約束をした、文書による合意というものを経て、今月末までに、国からIUCNへ回答することになるという段取りです。この間、科学委員会や地元関係機関、特に今回、海域部分の問題についてのいろんな中で、地元の漁協の方々との調整があったわけですが、皆様方のご理解をいただけたということ、私も大変うれしく思っているところです。そこで、一歩前に進んだわけでありますが、ただ、そういった回答で本当にIUCNが納得してくれるかどうかというのは、これからの問題です。国とも連携をし、道をあげて取り組み、本年7月の登録実現に向けて、最大限努力をしてまいりたいと考えております。

第77回選抜高校野球大会駒澤大学付属苫小牧高等学校初戦突破について

 以上、3点ですが、おまけにもう一つは高校野球、駒大(苫小牧高校)良かったですねということです。私も、ずっとテレビを見ているわけにはいかなかったのですが、ちらっちらっと見ておりまして、今回2対1で勝ちましたね。去年の夏は、どちらかと言うと、点数をとったら取り返すと、打撃戦の様相が強い試合展開が多かったと思うんですが、今回は2対1ということで、投手も頑張って、そういった意味では、去年とは、また、違う駒大苫小牧高校の強さが出てきているのかなと思って、また、私、優勝決定戦に行けるかなと思って、期待をしているところです。

記者からの質問

(uhb)
  ふるさと銀河線についてですが、存廃についての知事のお考えと、民間の経営改革案についての評価をお聞かせ下さい。

(知事)
  21日に協議会、取締役会があって、22日に予算特別委員会の知事総括で3会派からご質問があって、そのことを含めて4時間の異例なほど長い知事総括であったわけです。それだけ道議会でもこのことに対する関心と言いますか、様々なご意見があるということを実感をいたしているところです。一昨日の知事総括での私の答弁で申し上げたことと重複するわけですが、客観的な情勢は、やはり極めて厳しい状況にあると、これは事実であります。これは第2基金も取り崩し、ほとんど無くなって、取り崩しをしないというお約束で積んである第1基金にも手を付けざるを得ない状況になっている。一方で、そういった中で、テーブルに着いて、沿線自治体と道で議論をしようということで、テーブルを囲みはじめて2年。そういった中で、昨年の6月には、この協議会の場で、結論はこの3月、16年度いっぱいに出そうということで今まで来たわけでありまして、今、この最終段階にあるという認識です。そういった中で、この2年間のなかでいろんな運動をやってきたわけですし、私も詳細について、このことについて企画振興部から報告を聞いておりますが、経営者の方々も努力をして来られたわけですが、では実際に、この2年間でお客様が増えたかと言えば、逆に減りつつある、このことに歯止めは掛かっていないというのは事実であります。民間の経営者の方、(予算特別委員会知事総括において)清水道議から「非常勤ではだめだ」ときつく言われましたけれども、そういった民間の方の目も入れて、考えつく限りのいろんな努力をやってきたんだけれども、いまだに厳しい状況から脱していないという中で、昨年6月に、協議会で決めた結論の時期が来ているということです。27日の協議会、そしてその後の取締役会、繰り返しになりますが、私としては、27日の協議会の直前まで、ぎりぎりまで、副知事、担当部長からいろんな情報を受けて、私なりにも考えて、ぎりぎりの段階までには、結論を出そうとこのように思っているところです。
  民間の方のご提案ですが、おもしろい考え方がたくさん入っていると思います。上下分離の問題、あるいは物産の販売の会社をつくる、あるいは一人千円で14万人集めると、そこで基金を崩さなくてもいいじゃないかとか、そういうアイディアがとってもおもしろいんですが、ただ残念なのは、それをだれがやるのか。たぶん体制の立ち上げに相当の時間がかかるであろうと思います。ですから、このご提案なりが例えば2年前にあれば、もちろん一つの提案がオールマイティであるはずはないわけですから、それをベースにみんなで知恵を持ち寄って、議論をして、そしてそれを高めて、実行していくという、時間的ゆとりはあったんだろうと思いますが、今段階でいただいた状況では、これをもって、この4月にすぐ黒字化する方向性が出るという意味での実現可能性は、私は残念ながら、あまり無いのかなと思います。だれがやるのかというところが、責任の明確化ということも含めて、考えなくてはならないと思います。
  今日は、議会が当初予定より2時間半ほど遅れまして、そしてこの庁舎に金澤陸別町長が来ておられるのが分かりまして、時間ができたので、来ておられるのならお話ししましょうと申し上げました。お話ししましたら、熱っぽく、この銀河線にかける町長の思い、住民の皆さんの思い、熱い熱い地元の思いについてご説明がありまして、私としてはぎりぎりまで検討したいと思います。しかし客観的に見て厳しいという状況は変わりない、そんなことで、今段階の私の心境です。
  今も学生さんでしょうか、札幌市民の方だと思いますが、熱心に寒い中訴えておられると、ああいう皆様の思いというものも、最後まで私の胸の中でずっと考えていきたいと、このように考えております。 

(毎日新聞)
  今回の議会の中でも、財政立て直しプランなどの予算面の議論を踏まえて、知事としての率直なご感想もあるかと思いますが。

(知事)
  これで議会議論を終えさせていただいて、その中で何回も申し上げたのですが、この4月1日から気持ちも新たに、また人事異動、体制の整備もできますので、その新しい体制の中で、新しい行政改革大綱というものをつくりまして、今までやろうとしていた行財政改革をさらに前倒しでやるということをやっていかなければならないという思いを強くいたしたところです。
  ただ、その際に、予特総括でも佐野道議でしたか、一体どこまで収支を合わせれば良いんだと、処方箋を出せというご質問をされる、このご趣旨はよく分かるのですが、ただやはり、いろいろな不透明なところは多々ありますので、私は総務部長に言っているのは、17年度が360億円足りなくなった、それを含めて平成18年度までに570億円を、今、財政立て直しプランで1,700億円を手当てしようというものに加えてやらなければならないということを、本当にそれで大丈夫かと。もうちょっと、さらに厳しく、例えば国の動きなども、本当に厳しくなったらどうなのということを踏まえて、やはり、もうちょっと高い定量目標というものを掲げてやらざるを得ないのではないかということも言っているところです。佐野道議のお気持ちも踏まえて、我々として、この前の質問では、全知全能の神ではないからと、ちょっと居直りのようなことを申し上げて、すごく反省していたのですけれども、できる限りの情報を入手した上で、我々のできる限りの歳出、収支差を解消する目標額を設定してやっていくということを、4月からできる限り早くやらなくてはならないという思いを改めて強くしたところです。

(朝日新聞)
  銀河線について最後、確認ですが、客観情勢が大変厳しいと、最後に出された民間の案も実現可能性がないと、それで27日まで、何をどのようにぎりぎりまで検討するのでしょうか。

(知事)
  沿線自治体の各町がどのような動きになっているのかだとか、それから、あとは民間提案について、各沿線自治体の皆様方の思いがあるだろうし、先程申しましたが、実現可能性の問題の一つの大きな柱が、どこがやるのかということについて、その提案のあった町長さんからも、是非、やりたいというご回答はいただいていないと企画振興部長から聞いておりますし、そういったところで、また新たな動きが出てくるのではというのは、ここからまだ2、3日あるわけですから、あり得るのではないかと思っています。いろいろな話を金澤町長とは先程しました。町長も急いで地元に帰られたようですから、町長自身の判断で、まず町役場を挙げて、あるいは歩調を一緒にしておられる十勝管内の町長さん方ともお話をされているかもしれないし、また、どちらかというと廃止の方で考えておられる町に対しても、いろいろな話し合いをされれば、どういう動きになるか。いろいろと申しましたが、沿線自治体の皆さん方の動きなども含めて、最新、直近までの情報を私が入手して判断したいと考えております。

(STV)
  百条委員会の設置が、5たび、否決されましたが、もうこの問題については百条委員会でなくては解明できないという声も上がっているんですが、それについてはいかがでしょうか。

(知事)
  そういうふうにご質問をいただくと、いつもお答えしていることで恐縮なんですが、議会での動きのことですから、議会でご判断いただくことで、理事者側の、知事であっても私の方からとやかく言うものではないと思っております。ただ、私の立場というのは、一昨日の予算特別委員会の知事総括の中でも十分に申し上げたとおりですが、監査委員という制度があって、これは地方自治法に基づく様々な権能が与えられている第三者機関です。守秘義務ももちろんありますし、今回の報告延期の一つの理由となったといわれている、道民の方から通報があったということですね。その通報をされた方の個人の保護のために、当然、その情報はきちっと守るということも、監査委員がしっかりされるわけです。そういったいろんな地方自治法に基づく監査、調査という言い方でもいいんですが、そのことについて、公正かつ厳正に実施するための様々な権能が与えられている第三者機関である監査委員において、まずは「一分のやり残しもないよう、きっちりやる」と明言しておられているわけですから、その監査委員に、私は心からまずは期待したいということは、強く思っております。その意味では監査委員から、今までも事務局体制の整備ということで知事部局に派遣要請がございましたのにも、誠意を持って対応してまいりました。また、これから4月に入ってからになるか、あるいは来週以降だと思いますが、特別な調査を、また道警に依頼をしておられると聞いております。そのことに道警が対応して、なにがしか返ってきたら、その確認のやり方を含めて、それを見極めた上で、これからのどういう手法で監査を続けるのか、どういう体制でやるのか、いつまでにやるのか、そういったことも決めていかれるというお話ですので、必要な限り職員の派遣なども協力をしながら、とにかく一分のやり残しもなく監査をやると明言された監査委員に期待をしたいと思っております。

(札幌タイムス)
  オリンピックについて、決議がありましたが、知事はどのようにお考えですか。

(知事)
  これも知事総括で申し上げたとおりですが、スポーツ、そしてサミットもありますが、こういった国際会議なり、国際的スポーツイベントが行われると、この効果というのはすごいですよね。1972年でしたか、札幌オリンピックが行われたとき、あのことをきっかけに、札幌は大きく飛躍しましたし、また、そのことによって、今日も(決議に関して)「夢」とか、「希望」という言葉も出てましたが、あのときも北海道民はものすごく自信を付けたし、夢を持ったわけですね。そういった意義というのは私すごく大きいと思います。
   ただ一方で、今日も本会議でいろんな議論が出てましたが、財政が厳しい中で、乗り越えて行かなくてはならない課題は、たくさんあるわけでして、そういったことを両にらみにしながら、また、道民の皆様の熱意ということもあると思うんです。道民それから、札幌市が中心になると思うので、札幌市民の方々のご意向、地元のご意向、そういったことを勘案して、道としての対応を決定していかなくてはならないと思いますが、今段階でどちらということを申し上げる段階にはないと思います。

(十勝毎日新聞)
  銀河線についてですが、知事が最終判断をされたときに、それを知事ご自身が決めたことを公表したり、説明されたりというお考えはありますか。

(知事)
  今のところ考えておりますのは、先程申し上げましたとおり、27日の協議会のぎりぎりまで、いろいろな情報をもらった上で判断したいと思っているので、多分、私の意思表示、私をトップとするところの道の意思表示というのは、協議会の場での表明になると思います。その上で、協議会でも、先程も申し上げましたが、沿線自治体の方々のいろいろな動きもあるでしょうから、協議会を終わった段階で副知事から報告を受けて、次は取締役会が引き続き行われると聞いておりますので、その取締役会における、これは網走支庁長が取締役の一員として参加しておりますので、取締役会における道としての意思についても、どうするかということについて、また、その段階で判断していきたいと思います。
  そういうことを考えますと、事前に私の口から、例えばこういう形で、皆さまにお集まりいただいて、こういうふうにしましたということは多分できないと思っております。(北方領土の関係で)釧路、根室に土日で出張に行きますので、釧路、根室に同行された場合、どこかで、それが意思決定をしたタイミングであれば、申し上げることは当然可能だと思いますので、是非、一緒に行きませんか。

 


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