知事定例記者会見記録(平成21年8月5日)

知事定例記者会見

・日時/平成21年8月5日(水) 16:41~17:00  
・場所/議会知事室前
・記者数/24名(テレビカメラ2台)

会見項目

 

知事からの話題

1 平成21年第3回臨時会を終えて   
2 「交通死亡事故多発警報」の発表について
3 ブラジル・パラグアイ訪問について

記者からの質問

1 今回の補正予算のねらいについて 
2 民主党のマニフェストの修正について
3 ビザなし訪問への参加について
4 自民党のマニフェストの評価について
5 北海道開発局のあり方について
6 直轄事業負担金に係る住民監査請求について 

知事からの話題

 

平成21年第3回臨時会を終えてについて

 今日は本当に夏らしい良い日でありまして、天候が晴れたことは何より嬉しいことであります。私からは三つご報告申し上げます。
 一つ目は、今日一日でございましたが、平成21年第3回臨時会が終わりました。おかげをもちまして全会派一致で補正予算を認めていただきました。全会派一致は今年2月の第1回臨時会以来でございます。
 今回措置いたしました約800億円の補正予算に、これまで措置しております1,000億円強を加えて、今日の議論の経緯も踏まえまして、夏休み返上でしっかりと執行していかなければならないと、思っているところでございます。
 特に今回は、中小企業の金融対策などきめ細やかなところまで配慮したつもりでございますので、そういったことをしっかりとやっていきたいと思っています。
 なお、今回の対策決定について、北海道経済連合会さんと北海道商工会議所連合会さんから歓迎するコメントをいただいているところでございまして、後からコメントが皆様方のところにもいくでしょうが、特に道経連さんからは、会長さんが前から付加価値向上の策として大変強く言っておられた道立試験研究機関に対する予算、これは試験研究用機器の整備に22億円等ということですが、これを評価していただいたというようなことも含めて、コメントが出ているところであります。
 商工会議所さんのほうは、中小企業金融の円滑化に向けた予算が一つの評価のポイントになっているかと思います。

「交通死亡事故多発警報」の発表について

[配布資料:「交通死亡事故多発警報」の発表について

 二つ目は、交通死亡事故多発警報の発表ということでございます。7月30日から8月1日にかけまして、道内で6件の交通事故により9名の方が死亡され、さらに2日に1名の方が、また今朝、広尾町で2名の方が亡くなられたということでございます。
 道民の皆様方にあらためて注意を喚起し、交通取締りや啓発の強化と併せて交通事故の防止を図るため、8月2日の日曜日に交通死亡事故多発警報を発表したところでございます。
 この警報期間は8月9日までの8日間です。本格的な夏のレジャーシーズンを迎え、特にこれからしばらく天気もいい方向だというようなことも聞いているところでございまして、さらにお盆も近づいておりますので、車を利用する機会も増えますことから、道民の皆様方にはくれぐれも交通安全を心がけて、悲惨な交通事故の防止に努めていただきたいと、このように考えております。マスコミの方々からの声かけもぜひよろしくお願いを申し上げます。

ブラジル・パラグアイ訪問について

[配布資料:知事ブラジル・パラグアイ訪問概要

 三つ目は、ブラジル・パラグアイへの出張についての報告です。資料をお配りしてあると思いますが、8月24日から9月2日までの日程でブラジル・パラグアイを私、初めて訪問をさせていただきます。
 北海道ではこれまで移住者援護の観点から、南米道人会の周年事業への出席などを通じまして、本道出身者への方々に対する激励も行ってきているところでございます。今年は北海道出身者が両国へ移住されてから、それぞれブラジルが90周年、パラグアイが70周年の節目を迎えるために、現地の記念式典にぜひ出席してほしいということを、向こうからいらっしゃった方々から私に直接ご要請もあったところでありまして、これは何としてでも行かなければならない出張だと思っているところでございます。
 現地の記念式典におきまして、移住功労者表彰を行いますとともに、移住者の方々の慰問及び現地行政機関への表敬訪問などを行う予定でございます。今回、市町村の方々、道内の交流団体の方々を含め、全体では約40名ぐらいの方が参加されることになっているところでございます。
 ブラジル・パラグアイ両国へ移住された方々の開拓精神や永年のご労苦に対して心から敬意を表するとともに、遠く離れた地において、本道への強い思いを持ち続けておられる皆様方に、直接お会いをして交流できることを心から楽しみにしています。

 

記者からの質問

(NHK)
 今、知事からもお話あったんですが、あらためて道議会で予算案が成立したということで、今回の予算案の特にねらいを、重なりますけどもう一度お話していただきたいということで、予算が成立したことの受け止めを、もう一度お伺いします。

(知事)
 全体として申し上げれば、前回の1,000億円強の規模の補正予算と合わせて、実はさらにプラスして3定(北海道議会第3回定例会)に提案せざるを得なかった部分もありますが、2,000億円を超える規模で現下の大変に厳しい状況の北海道経済を活性化するという取り組みを加速していきたいということで、異例ではありますが、この夏のこの時期に、臨時会を開いて議了をいただいたところでございます。
 具体的な中身としては、今回の我々独自の政策としては、やはり中小企業の金融対策の充実のための北海道信用保証協会への支援などが中心でございます。
 加えて、これは前回の補正からの流れでもございますが、中長期的に北海道の産業基盤の整備あるいは道民生活の安定のため国が用意したさまざまな基金事業を計上し、それを執行する形で、道民生活の安全安心をさらに高めていくというようなことに重点を置いた補正予算になっているところでございます。
 観光振興などもあるわけでありますが、今回の予算措置と、そして前回の予算措置はもう執行を始めておりますが、両方トータルとして、少し持ち直しという数字的あるいはマインド的なところは出てきたものの、まだまだ全国と比較して厳しい道内の経済あるいは雇用の状況を少しでもよくするために、我々も頑張っていきたいと、このように思っております。


(読売)
 2点あるんですけれども、1点が、民主党がFTAのマニフェストを追加するという、ちょっと混乱があったんですけれども、そのことについて知事のご感想をいただきたいというのが1点。
 もう1点が、まもなくたぶん北方領土の最後の訪問がくると思うんですけれども、今年度行きたいという話をされていましたが、最終的にどうされるのかということをお聞きしたいです。

(知事)
 民主党さんのマニフェストでは日米FTAを締結しますという記載でございましたか。それについて、修正をされるようなことは報道を通じては承知しておりますが、ちょっと具体的にはどうされるのかよくわからないので、いろいろ推移を見守ってまいりたいと思うわけでありますが、これは、前から申し上げているとおり、一般論としては、やはり貿易の自由化を進めていくということは日本の発展を含めて、世界の全体としての発展のために重要なこととは思うわけであります。
 ただ、それぞれの国内事情というものがある中で、やはり守るべきは守っていくというスタンスが重要なわけでありまして、日本国内とりわけ北海道にとっては、米、米とみんな言いますが、米だけではなく、例えば十勝では畑作の輪作体系があるわけでありますので、主要品目については、一定の国境措置というのは、やはり我々として主張をしていかなければならない点だと思っております。
 私ども北海道は、そういった観点からの国際的なFTAなりEPAなり、そしてWTOなり、そういった交渉に臨むというスタンスが重要だと前から申し上げていたところでございまして、そういう流れの中で、今度民主党さんが、マニフェストを修正されるのかされないのか、見守ってまいりたいと思っております。
 それから北方領土でありますが、私は5月に行くということを前から熱望していたところでございますが、ご案内のような経緯の中で行けなくなりました。
 その段階で、今年度のスケジュール、予定を見つつ、9月までに何としても行きたいということを申し上げていましたが、今段階で、どうもやっぱり今年断念せざるを得ないかなという思いを強く持っているところであります。
 それは一つは、天候との関係もあるのですが、実は5月の段階で参加しようと思っていたものは、後から確認いたしましたら3定議会の前日に戻ってくるというプログラムでございまして、しけ等があった場合に遅れるということもあり得るというような状況の中で、議会にご迷惑をかけるということはできないというようなスケジュールであると。ではもっと前に行けるかというと、今申しましたブラジル・パラグアイの訪問とか、その後のねんりんピックとかの日程を考えますと、今年度は断念せざるを得ないかなと。
 ですから来年度、早めのプログラムに参加を期すということにしたいというふうに今考えているところであります。


(STV)
 ちょっとさかのぼりますが、自民党のマニフェストについて、先週末に発表になったものですから、ちょっと簡単に評価、印象を。それと、昨日、金子国交大臣が開発局の解体に言及されまして、そのことについて知事の受け止めをお伺いできればと思います。

(知事)
 自民党さんのマニフェストが出て、だいたい各党のマニフェストが揃ったわけでありますけれども、総じて言いますと、やはり子育て支援とか教育とか年金とか、そういった国民生活に直結をしているような分野に重点を置いたマニフェストを各党作っておられるという印象はあります。
 そういった中で、今自民党のマニフェストの評価ということでありますので、まず本道に直結する関係ということで言いますと、北方領土問題、これが明記されているというのは、私どもから見れば、これは日本国の外交問題の最優先課題の一つだと思いますので、評価したいと思います。
 それから新幹線のことも書いてあって安心しました。あとは、道州制のことが明記されておりますね。それから、直轄事業の維持管理負担金について22年度廃止。これは知事会の要請の方向に合っていると。また、国と地方の協議の場の法制化、これも知事会の主張に合った形でのマニフェストと思います。
 分権については、私も一応とりあえず点数をつけて、知事会のほうに送るのですが、知事会の採点の評価基準というのがあって、それをたぶん熟知しておられた上で、自民党さんはその項目に沿う形で、分権というか我々的に言えば地域主権ですけれども、分権の項目を書かれたのかなと思いますので、結果としてたぶん、結構点数は高くなるかなという感じはいたします。
 私は出席できないのですが、7日に知事会主催の各党との討論会があって、そこでまたいろいろな点を確認や比較したりするので、それを踏まえて、また私の評価も修正があり得ますので、今ご説明はできないのですが、総じてみるとそういう我々知事会サイドの項目立てにまず合っているなという感じはいたしました。
 それから、もう一つ、国交大臣が開発局の解体も含めてというような発言をされたということを報道を通じて知っておりまして、テレビ画面で拝見したら、やはり言っておられますね、大臣のお言葉として。だからそうなんだろうなと思いました。
 それで、一般国民的な感覚とすれば、今回のヤミ専従の問題、それから直近は公用車の談合でしたか。さらに現職の道局長が逮捕されるような談合なり、これだけいろいろありますと、やっぱりこれは、お灸を据えてかかったほうがいいという国民感覚はよく理解します。
 ただ我々行政のプロから言いますと、こういう不祥事への対処ということと、組織の存亡というのはやはりこれは別のことなのですね。
 ですから、確か、これも報道を通じてしか確認をしておりませんが、開発局長がコメントされたという、それくらいの緊張感を持って対処すべきと大臣がおっしゃったのはそういう意味だろうと、そういうふうにおっしゃったことも、報道を通じて聞いておりますが、開発局さんとして、北海道局さんとしてしっかりとした対処をまずはしていただきたい。これは道民として国民としてそのように思う次第であります。
 その上でですが、この開発局含めての国の出先のあり方について、丹羽委員長の地方分権改革推進委員会で、例の事務方の地方振興局と地方工務局への再編という一定の方向性が出ておりまして、我々はやはり、こういった分権委員会の方向性も踏まえた議論をしっかり政府においてしてもらいたいということもございますし、また北海道の開発予算の一括計上権、あるいは特例の維持というようないわゆる北海道開発の枠組みの維持、これはもう国に対してしっかりと主張していかなければならない重要なポイントだと思っております。そういった中で、国交省サイドが、具体的には北海道局がいろいろと検討されるということになろうかと思います。
 

(HTB)
 直轄負担金に関して、札幌の弁護士が近く住民監査請求をおこすという動きが出ていますけれども、知事としての見解をお伺いしたいのですが。

(知事)
 これも報道だけは承知しているのですが、まだ監査請求が具体的に出ていないようでありますので、その意味ではコメントしづらいと思っております。ただ、報道によると今年度分の支払い差し止めをするというご意向のようでありますので、もしそうであれば我々も知事会で決議したとおり、これまでの実績についての情報開示をさらに詳細にということと、補助金並みの基準にするべきということも申し上げておりまして、そういったことが達成されない場合には、少なくとも維持管理費に係る負担金については今年度お支払いはいたしませんということを知事会として明言いたしておりますので、そことの関係がどうなのかというのは、具体的に監査請求の中身を拝見してからあらためてのコメントということになるかなと思います。
 いずれにしろ我々地方も今回、知事会で議論を重ねながらやってきておりますので、抜けがけなしと、団結をしながらこの直轄事業負担金問題について対処していきたいと、このように思っております。
 


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