知事定例記者会見
・日時/平成21年9月4日(金) 15:02~15:47
・場所/記者会見室
・記者数/29名(テレビカメラ3台)
会見項目
知事からの話題
1 ブラジル・パラグアイ訪問を終えて
2 ねんりんピック北海道・札幌2009の開催について
記者からの質問
1 支庁制度改革(地域の理解と周知期間)について
2 支庁制度改革(公開協議の場)について
3 北海道エアシステムに関連する新聞報道について
4 新型インフルエンザについて
5 支庁制度改革(施行期日の周知期間)について
6 衆議院議員総選挙の結果の受止めと新政権への期待について
7 政権交代に伴う道の政策変更について
8 政権交代に対する不安と期待について
9 新政権との関係の構築について
10 ハンセン病の元患者団体の要望について
11 支庁制度改革(条例の施行期日)について
12 補正予算の取扱いについて
知事からの話題
ブラジル・パラグアイ訪問を終えて
お久し振りでございます。私から2点ご報告申し上げます。一つ目は、ブラジル・パラグアイ訪問についてのご報告でございます。
一昨日の夜遅くですが、ブラジル・パラグアイへの10日間の訪問を終えて戻ってまいりました。北海道から移住が始まって、パラグアイが70年目、ブラジルが90年目ということで、ご高齢の方々を中心に移住功労者等の表彰を行うということが主たる目的のそれぞれの周年記念行事がございまして、それに出席し、加えて、さまざまな分野で活躍をしておられる北海道出身者の方々との意見交換等も行いました。
併せてブラジルでは、ジェラルド・アルキミンさんとお会いしました。この方は前サンパウロ州知事で、去年、北海道にも来られたルーラ大統領と大統領選を戦った保守系の政治家でございます。
また、パラグアイでは、フェルナンド・ルゴ大統領とお会いをしました。この方は、どちらかというと革新的な立場の方かなと思います。ブラジルでは、今北海道では、新幹線が着々と整備中であって、なかなか良いシステムだし、ぜひ、ブラジルでも導入されたらどうかと売り込みのお手伝いなどもさせていただきました。ブラジル・パラグアイとも北海道出身者へのご支援のお願い、さらなる北海道との交流との可能性などについて、さまざまお話をいたしました。
加えて、行きは、トロント(カナダ)で乗り換えの時間が十分ございましたので、町中に出まして、総領事と地元ジェトロ所長にアレンジをしていただいて、トロント在中の、道内に限らない経済界の方々何人かとカナダ事情なども少し意見交換させていただくなど、限られた日程ではございましたが、密度の濃い出張をしてまいりました。
感想を申し上げれば、ブラジル・パラグアイとも日本人社会の中で、だいたい道産子勢力というのは10分の1ぐらいを占めていて、ブラジルでいえば150万人の日系社会の中で15万人くらいが北海道を故郷とする、1世、2世、3世、4世というような方々でございまして、そういった方々が、やはり地元経済界の中でも、高い影響力を持っておられることを確認ができて、大変うれしく思った次第でございます。
若い方々、すなわちおじいちゃんおばあちゃんが北海道だけれども自分自身は、留学なりちょっと訪問したぐらいの若い方々と我々北海道との交流というものを、もっともっとやっていかなければならないのだろうなという思いを強く思ったところでございます。
現地では、いずれにおきましても日本食が大変おいしく、特に、イグアス移住地というパラグアイとブラジルの国境地点に近いところがございまして、ここでも道産子の方々が活躍しておられるのですが、ここでいただいたできたての大豆を使った豆腐、大変おいしかったです。こちらの豆腐以上においしかったような気がしました。
それから日系の若い人達が、イグアスの素材で作った太鼓の演奏をしてくれて、大変感動をいたしました。
いずれにいたしましても、この日本から見れば、地球の反対側で道産子が活躍をしておられ、また、国自身がバイタリティ溢れる状況を拝見し、私自身も大変勉強になったところで、また、向こうの方々にも大変喜ばれましたので、充実した出張であったというふうに思う次第であります。
ねんりんピック北海道・札幌2009の開催について
[配布資料:ねんりんピック北海道・札幌2009の概要]
二つ目は、明日から始まりますねんりんピックについてであります。
ねんりんピックは60歳以上の方々を中心とするスポーツ、文化、健康、福祉の祭典でございます。全国から9,400人の選手、役員が参加されて、明日から8日までの4日間にわたって、札幌市をはじめとする13の市と3つの町で、21種目の競技が行われ、これまでに培われた技が競われるところでございます。
今日午前中に、大会にご出席を賜ります常陸宮殿下御夫妻のお出迎えに、新千歳空港に行ってまいりました。本日道内に続々と選手、役員が来られるわけでございまして、大変なにぎわいでした。
今回、明日の開会式において、高齢者と子どもたちとの世代間交流として、札幌市をはじめ近隣の市町7校、550名の小学生の方々にどさんこキッズ隊として入場行進や交流に参加をしてもらうことにいたしているところでございます。選手の皆様方には怪我や病気など十分注意していただいて、日頃の練習の成果を遺憾なく発揮していただくことを、期待しております。
加えて、ついに北海道でも流行期に入ってしまったインフルエンザ感染防止対策にも万全を期してまいりたいと思います。選手、役員をはじめ、来られた皆様方、この時期の北海道の良さを満喫していただければと思っているところです。
記者からの質問
(朝日)
前回の会見で積み残しというか、支庁制度改革について伺います。8月31日時点で道は総合振興局、振興局の新しい組織機構の修正案を出して市町村に示されています。数日経っているわけですが、知事として施行する判断等の一つとして、地域の理解というのをあげていらっしゃるわけですが、現段階で地域の理解、市町村からの理解というものをどのように受け止めているのかということと、それから施行期日についても先般の別の方のご質問の中で、一定程度の周知期間を置くという話がありましたが、その辺のお考えについてあらためて伺います。
(知事)
南米から戻ってまいりましてから、担当の副知事、参事監等からも説明を受けたところですが、8月いっぱいに14のブロックの町村会のほとんどから回答もいただいておりまして、それにお答えする形でお示しをした修正案でございますので、少しずつ市町村のご理解というのは進みつつあるという認識はいたしております。
周知期間につきましては、過去のこういった組織替えを伴うような周知期間というのは概ね3か月から6か月程度というのが他県の例ですので、私どもとしても今年の3月31日条例制定をいただいた後、地域ごとの意見交換会、あるいは北海道公報、あるいはホームページなどで周知を図ってきているところで、概ね前例に沿うような形での施行の準備は着々と進んでいるのかなという認識を持っております。
(朝日)
今のお答えの中で、地域の理解が少しずつ進んでいるというのは、知事が先般おっしゃった地域の理解がある程度得られたという感触にはまだ至っていないということでしょうか。
(知事)
難しいですけれども、協議の場自体は、条例を施行して初めて意見を聞くという条項も意味が出てきて、協議の場ということになってくるわけでありますので、その段階に近づいてきたのかどうか、まだ出張から戻ってきてワンラウンドの説明しか受けておりませんので、3定議会(北海道議会第3回定例会)の前にはもう少し詳細な分析をした上で、方向性を出していきたいと思っております。
(NHK)
支庁制度改革で、地域の理解を得る段階とお話がありましたけれども、この間も質問したんですけれども、全部を全部細かく要望を聞いていると、なかなか改革が進まないんじゃないかとか、そういったふうに思ったりもいたしまして、その協議の場、どういった協議がなされているのかというのもちょっと不透明であったりというのがありまして、もっとオープンな議論というのを進められたほうが改革というのは見えやすいんじゃないかなと思うんですが、その点はいかがでしょう。
(知事)
おっしゃるとおりだと思います。いろいろな経緯の中で、今年の1定議会(北海道議会第1回定例会)で、ほとんどの会派にご賛同いただいて議了いただいた条例でございます。その条例に基づいての協議ということになっているわけでありますが、私どもとしては、これまで丁寧な事前協議ということをやって地域の理解を得る努力を進めてきたところでありますが、おっしゃられるとおり、やはり表に出たオープンな形での協議ということも大変重要だと思いますので、地方4団体の皆様方にも働きかけを行いまして、できる限り早く公開の協議の場ということを中心に協議を進めていくということが必要だと考えております。
(NHK)
昨日一部報道にも出た、北海道エアシステムさんの株式引き下げの件についてお聞きでしたらどのようなふうに思われていらっしゃるかということと、先ほどもありましたが、新型インフルエンザが2.16という数字、流行期に入ったということで、あらためて道民の方に注意の呼びかけをお願いします。
(知事)
HAC(北海道エアシステム)につきましては、JALさんが持っておられる株式についてどうにかしたいと思っておられるのではないかという報道は私も拝見をいたしましたが、まだ具体的なご説明をJALさんからいただいておりませんので、何とも言いようがないというのが現状です。
しかしながら、ご案内のとおりA-net(エアーニッポンネットワーク)の丘珠を中心とする今の現状をどうするかということが議論にのぼっている中で、HACが運航していただいております道内の航空路線も大変基幹的な重要なものばかりでございまして、これは人の流れについて重要であると同時に、例えば函館から奥尻便など、観光などいろいろな意味で道内の活性化に大きく貢献をするものでありますので、その維持存続ということはなんとしても考えていかなければならないことです。
具体的にJALさんからお話が来た段階で、またいろいろな議論を積み重ねていかなければならないと思っておりますが、一般論として言えば、道は財政が厳しいわけでありまして、そこをどう考えるかということかと思っております。
それから、インフルエンザにつきましては、先ほど少し申しました、流行期という段階に北海道内も入ってしまいました。また、時期を前後する形で、我々道職員の方、稚内保健所利尻支所の保健師の女性の方がお一人亡くなられました。
医師の診断をお伺いする中では、新型インフルエンザで亡くなられたのかどうかという因果関係は今段階ではまだ特定できていないわけですが、いずれにいたしましても、公衆衛生の最前線で活躍をしていただいた保健師の方が亡くなられたというのは大変に残念でありまして、心からお悔やみを申し上げたいと思う次第であります。
そういった中で、職員についてさらに申し上げれば、道職員で最前線で保健師をやっておられる方々、医療現場におられる方々、皆さん道民の命、疾患、病気から回復を期すため、そのような役割を担っているのは当然ですが、やはりご自身に基礎的な疾患があるような職員もいるわけで、そういった場合には、直接患者さんへの接し方を慎重に行うという注意であるとか、あるいはそういう疾患を有しない最前線の公衆衛生の現場の道職員にも慎重に予防をきっちりした上で対処するようにという注意喚起を、まず行ったところです。
そして、その上で流行期に入った道内の状況に対処することの重要性についてですが、まず基礎は、前から申し上げているとおり、手洗い、うがいの励行、そして咳エチケットです。咳き込むようなことがある場合には念のために、少しまだ暑いですけれどもマスクをしていただいてエチケットを守っていただく。
そして、高熱、咳等の一定の症状がある場合には、これはルールが変わりまして、電話をした上で、一定の医療機関に行っていただくというような一般的な注意事項をお守りいただく。
さらに、日ハムの選手も含めて出てしまった集団感染についてですが、今学校が夏休み明けで2学期に入って流行し、患者が学校の中でも出てきております。昨日付で道教委(北海道教育委員会)のほうから当面の学校の臨時休業の目安というものを各道立学校、あるいは市町村教育委員会などにお示しをしたところですので、これを目安にして学校現場で迅速、適確な対応をしていただきたいと思っているところです。
この対処のやり方については、道民の皆様方いろいろなお立場から、もっと厳しくやったほうが良いのではないかというご指摘、あるいは少し厳しすぎるのではないかと、例えば、今日の新聞でしたか、学級単位で休校しているような学校からスポーツ大会等への参加をどうするかということについての扱いなどで行き過ぎではないかというご指摘など、いろいろな道民の方々のお声もあろうかと思いますが、私はやはり、一般論として申し上げれば、北海道の子どもたちの万が一の事態を避けるためにも、今この流行期に入った直後は、できる限り慎重ないろいろな予防措置、拡大阻止をやっていくことが必要と思っているところでございます。
いずれにいたしましても、道民の皆様方のそれぞれのご注意、それからご理解を心からお願い申し上げたいと思います。
(道新)
二つのテーマについて伺います。最初は、先ほどの支庁制度改革の関係なんですけれども、まず先ほど周知期間について知事言及されましたけれども、確かに条例が改正されて可決してから数ヶ月経ったわけですけれども、同じ周知期間でも、いついつ施行すると、施行期日を周知するための期間というのも一定程度必要なのかなと思うのですよね。つまり所管区域が変わったりとか、名称も変わります。それに伴って例えば市町村が住民に知らせたりであるとか、あるいは民間企業がそれに合わせて、支店支社の所管区域を変えると、そいういうための準備も当然ながら必要ですので、施行期日を決めてから、それを周知するまでの期間が必要なのかなと思うのですが、これをどの程度とっていただけるということになるのかを、認識をお聞かせいただきたいというのが一つ。
それから全く別のテーマになりまして、衆院選の結果についてですけれども、今回の結果をどう受け止めるかということと、近く発足する鳩山新政権に期待すること。これが一つ目です。それからもう一つは、これまで道の施策の多く、例えば道州制特区にしても、ある意味支庁制度改革にしても、どちらかと言えば自公政権の地方分権なりの考え方、認識に基づいて進めてきた施策であろうと思います。今回の政権交代によって中央政府が考えている地方分権なり地域主権の考え方が若干、これまでと変わってくる可能性があるであろうと、そういった中で道の施策について変更する可能性があるのか、どのように今後の見通しをお考えになっているのか伺います。
(知事)
一つ目の、施行期日の周知期間。これは一定程度要ると思っております。どれくらい必要かということについては、担当のほうで精査いたしておりますので、しかるべきタイミングにそのことは皆様方、道議会に対してもお示しをしていかなければならないと思っております。
それから衆院選の感想ですよね。まだ新聞全て留守中のものを目を通し切っているわけではないので、ざくっとしたことになってしまうのですが、まず道内での投票率が上がったそうであります。これはやはり有権者の方々が、政治や政策のあり方に大変関心が高まったとそういった総選挙であるということでございますので、それは大変に良いことではないかとまず思ったところです。
選挙戦の期間が公示前から含めて実質的に長かったこともあって各党がしっかりとしたマニフェストを出されて、修正までされた政党もありましたし、それについての国民、道民レベルでのさまざまな議論があったということも良かったことではないかと思っております。
そういった中で、我々地方の立場からすると、地域主権ということが大きな争点になったわけで、これは大阪の知事さんとか、宮崎の知事さんもそうでしたが、大変に目立つ形で頑張っていただいた方々もいた効果かなとも思うわけですが、地域主権が大きな争点になったということも大変に意義深いことだったとこのように思っているところです。
民主党さんが政権をとられたわけでありますので、そこで示された国と地方の協議の場の法制化、これは一番期待をするところでもございますので、ぜひ早期に実現をしていただきたいとこのように思っております。
それから新政権への期待ということでありますけれども、今申し上げたことと相通ずるのでありますが、いろいろマニフェストで掲げておられることを全て実行すると言っておられるわけですが、その実行に際して、ぜひ地域の声をしっかりと聞いていただきたいということであります。
協議の場の設定については、単に意見を聞くということだけではなくて、例えば暫定税率廃止ということの道財政への影響、市町村財政への影響等についても、一般論としては、直轄負担金廃止で数字が合うだろうということを言っておられるようでありますが、そのようなアバウトなことではなくて詳細な制度設計をこういう形でやるというところまでお示しいただかないと、我々道は赤字再建団体になるわけにいきませんので、そういう暫定税率廃止のやり方について懸念をしております。
それから地方の公共事業について無駄を省くと言っておられます。無駄を省くといことは一般論としては大賛成でありますが、その場合にどの地域も自分のところに無駄は無いと考えているのではないかと思います。例えば私ども北海道の中でいいますと、新幹線がどうかということもあるわけでありまして、採算性のチェックをされるということでございます。
しかしある意味採算性が確認されつつあるからこそ、函館までの着工も認可されたわけですし、札幌までも概ねそういうことが確認されそうだということで、今の政権の枠組みの中では、年内に結論を出すということにもなっているわけでありまして、そういう新幹線も含めて、地方の公共事業のあり方についてどうされるのか。
それから高速道路料金の無料化につきましても、やはり私ども地域の声もしっかり聞いていただいた上で、対処していただきたいと思っております。JR各社からの声とか、あるいはフェリー会社からも出ていたと思いますが、やはり交通体系に大きな影響が出てくるということで遠隔地、首都圏から遠い私ども北海道のような地域にとって、もちろん道路依存のところもありますので、高速道路がただになることによるプラスの面もあるわけですが、マイナス面も多々あろうかと思いますので、そういったあたりもどういう道筋で無料化するのかということを、まずは断行ではなくて、こういう形でやるという相談をいただきながらやっていただきたいと思っております。
それから思いつくままに言えば、高校授業料の無料化ということも言っておられるようでありますが、これをやられるのであれば、私どもは道立高校で滞納者対策ということも大変苦労しておりますので、例えば実行の仕方で直接家庭に支給する形にされるのかそれともそれぞれの高校を運営している主体、道立高であれば道を通じて支給していただくのかとか、いろいろとそういうやり方、それぞれの詳細設計についてもご相談をいただきながらやっていただきたいと思っております。
我々無理難題を言うつもりはございませんが、私どもはやはり道民生活を守るということと、道の活性化を図っていくというそういう責務を持っておりますので、その観点から、今申し上げたことを含めて民主党政権が実施されるさまざまな政策に対して地域の声をぜひ聞いていただくということをお願いを申し上げたいと考えております。
それから、今までの道の地域主権の取組についてのご質問の意味がよく分からないのですが。
(道新)
今まで、知事が過去6年間進めてきたさまざまな政策は基本的に、自公政権といろいろと連携を取りながら進めてきたものですので、今度政権交代になりまして、まず中央政府の意思決定の仕方も相当変わってくるでしょうし、基本的な政策が変わってくる可能性があると思います。そういった中でこれらの政策もそれに合わせて変更していくことが出てくるのではないか、その可能性は無いかという質問です。
(知事)
よく分からない部分もあるのですが、私ども道庁に与えられている役割というのは道民生活の福祉の向上と、道の経済社会の活性化ということに尽きるわけで、これまでも国の数多くある全体の政策の中から、そのために必要なものを持ってきてこちらで展開をするということをやってきたわけでありまして、これからもその基本線というのは全く変わりません。
その意味では、まずは予算編成のやり方、霞ヶ関のマネジメントのやり方について変えると言っておられますので、それが落ち着くまでは我々からアプローチはできないわけですが、そういったところを見極めた上で、我々として必要な予算を確保するために、どういうやり方で、政府そして与党にアプローチをしていくかということも考えていかなければならないと思っております。
それから分権のやり方につきましても、分権に限らず、医療福祉もそうですし、農業政策や経済政策など全ての道の政策分野についてでありますけども、見極めていかなければならないと思っております。
今段階でどのように変える、どのように今までどおりにやるということは、なかなかお答えできるほど、民主党政権のやり方というものがまだ見えてきていない現状ではないかと思っております。
先ほど申しました暫定税率とか公共事業のあり方とか高速道路とかというものは、マニフェストに書いてあり、それを実行すると言っておられます。もちろん実行することを前提に、国民の皆さんが選ばれたわけですからそれは当然だと思うのですが、そのやり方については相談をしていただきたいということであります。
(STV)
今の関連でお伺いします。まず、率直にお伺いしまして、政権交代は知事にとっては期待と不安、どちらのほうが大きいのかということと、早くも補正予算などにつきましては、凍結・組替えという話も出ておりますし、先ほど知事がおっしゃった北海道新幹線についても、懸念の声も出ておりまして、これまで自民党政権の下で進めてきた施策、政策なりが、ここにきて根本的に変わる可能性があります。その辺についての心配はいかがなのか。
最後に、これまで知事は中央に対して要請なども自民党の有力議員などの支援を得て、要請、陳情などを行ってこられたと思うのですが、今後、民主党政権とのコネクションというのでしょうか、つながりというのでしょうか、それをどのように構築していかれるのか、その辺をお伺いできればと思います。
(知事)
予算は確かにちょっと不安です。まず、補正予算の執行留保ということにつきましては、報道以上のことは分かりませんので、どこまで煮詰まった話なのか分からないのですけれども、出てきているとすれば、それはどうしようかなというふうに思ったのは事実であります。先ほど財政課長とも少し議論したのですが、国の現政権で5月いっぱいにつくられた補正予算をベースに、2定議会で4基金222億円、第3回臨時会で5基金588億円、合わせて810億円の予算措置をもう既に行っております。
執行も準備をしつつあるところで、15日開会予定の3定議会においても、まだ対外的には申し上げられませんが、一定の積み増しをまた考えているところでして、こういったことについて、やはりやめたと言われますと、せっかく道内で底を打ったという数値が一部出て、経営者の意識調査の中でも最悪期は脱したかなという状況を、さらにもっと実感があるように、良くしていかなければならない中で、このことは辛いなというふうに思っております。
それから、制度論として申し上げれば、こういう基金につきましては、道の議会で議了をいただいておりますので、それでも交付決定が当該省庁からされていない場合には、召し上げられることが制度的にあるのかないのかということは、疑義があるところだそうでありまして、そこは制度論を詰めなければならないのですが、ただ現実問題として、道民の方々にお約束をして執行したそういった補正予算につきまして、やめると言われますと、困るということは率直に思っております。
それから来年度予算につきましては、まさにこれから来年度予算の詰め方を、どのようにやっていくのかというスキームづくりをしようとしておられる中で、現段階では何も申し上げられることにはならないのですが、一般論として申し上げれは、また景気の話になってしまいますけれども、越年予算になると、それだけ今の状況が少し遅れてくるということも想定されるとしますと、できる限り早く、できれば今までのスケジュール感と同じように、年内12月に閣議決定ぐらいまでもっていって、年度内には来年度予算が成立するというスケジュール感で、ぜひやっていただきたいと思っております。
それから、党とのコネクションについてのご質問がございましたが、これも報道の域を出ないのですけれども、今までの自公政権でやっておられた、政府と党との二元体制を一元化すると鳩山代表は言っておられるようでありますので、それがどういう姿になるのかを見た上で、政府への要請ということに一本化すれば、それはそれですっきりするのではないかと思っているところでございます。
それから、各論で思いつくままに申し上げれば、一生懸命ここまで1年間かけてやってまいりましたアイヌの政策につきましては、とりわけ鳩山由紀夫代表の選挙区に白老町もありますので、予算なり法律なり、いろいろ制度的に、例の有識者懇談会で出したもの、あるいはそれ以上のものを期待させていただけるのかなと思っております。そうすれば、私ども道も財政は厳しいですが、一定程度、我々自身もお付き合いをしていくというようなことを考えていかなければならないのかなと思っております。
全てまだ思考途中でありまして、今後、世の中の状況が見えてくるのに沿う形で、我々も考え方やスタンスを確認していかなければならないと思っております。
(道新)
知事がご不在のときに、ハンセン病の患者の団体が道のほうに来て、過去に強制隔離された実態について検証する会議のようなものをつくってほしいと道のほうに要望したことなんですが、それについての知事のお考えをお聞かせください。
(知事)
ハンセン病の元患者さんのおられる施設が実は道内には無いわけでありますが、現在一番多く道内出身の方がおられるのが青森県青森市にあります松丘保養園、ここは私は平成18年、3~4年前におじゃまをさせていただいて、お話をさせていただき、ふれあいをさせていただいて、過去の私どもの皆様方に強いてきた苦難と苦痛というものをお詫び申し上げ、我々自身が皆様方の名誉の回復ということに向けて、人権上の問題もしっかりと対処していかなければならないということを、私自身が皆様方にお誓いを申し上げたところでございます。
その後も道は、他県も多分同じようなことをやっておられると思いますが、里帰りを受けたり、青少年の交流とかいろいろやらせていただいているわけでありまして、確か1度私も里帰りで来られた方々とお会いをいたしました。実は、毎年お会いしたいと思っているのですけれども、なかなか日程調整もできなくて、そういう意味では今年も私が札幌におりましたら、当然お会いをするところでございましたのですが、おりませんでしたので、副知事に対応してもらいました。
桂田さんという松丘保養園の道民会長さん、この方は私も2回お会いをしたことがある方でございます、この方を中心に道庁に来られて、今おっしゃられたような過去の隔離政策の実態を明らかにしてほしいというご要望であったと報告を受けているところであります。
このことは、私はしっかり対応していかなければならないというふうに思っているところでございまして、どのようなやり方でやるのか、まずはやはり第3者も入れるような検証機関というものをつくらなければならないと思っておりますし、その上で検証して、しっかりとした方向性を出してお示しをしていきたいと、このように思っているところでございます。
元患者の方々とあらためて私自身もお会いをしたいという思いを持っておりまして、前回、青森の松丘保養園へまいりましたので、次に多い地域、本当は全部まわりたいのですけれども時間の許す限り他の保養所のほうもまわることをできれば計画をしていきたいと思っております。
(釧路)
度々、皆さんがお聞きになっているんですが、支庁制度改革の施行期日なんですが、今も3定議会(北海道議会第3回定例会)の前に詳細な分析をしてというようなお話もございました。つまり、10月施行というのは断念をされて、11月以降の施行期日について今お考えになっているというふうに捉えてよろしいのでしょうか、それともまだ10月施行というのは残っているのでしょうか。
(知事)
まだ決めておりません。地域の方々のご意見の聴取なりいろいろなことを総合的に勘案して、近々、結論を出したいと、このように考えております。
(読売)
補正予算に絡んで、一点だけお伺いしたいのですけれども、先ほど、補正予算未執行分について召し上げになった場合、非常に困るというお話をされていたのですが、そういった懸念を払拭するために、日程は3定も近いのでタイトだと思うのですが、例えば近く上京なさって、民主党側さんと話を持ちたいとか、そういった予定があるのか、もし無いとすれば、その懸念を払拭する上で何か具体的な対応というものを考えておられるのか教えてください。
(知事)
今段階で、例えば来週私が上京して、民主党さんにアプローチするとしても、どなたにアプローチして良いのかも分かりませんし、どういうスキームで予算をどうするのかということ自身も固まっておりませんし、一番私どもから親しみを持って対応できるのはまさに道内選挙区でいらっしゃる鳩山代表ですけれども代表は大変お忙しいでしょうし、また代表が全てを決めるということではなく分担してやっておられると思いますので、そいういう意味では今段階で、不安は不安としてありながら、それを払拭をするという観点から、民主党さんのしかるべきどなたかにアプローチするということは、あまり考えておりません。
ただ、さきほども申しましたが、道庁にも優秀な職員がたくさんおりますので、少なくとも今まで道議会で議了して施行準備をしているようなものにつきましては、その中にも交付決定済のものとまだ内定段階のものとあるわけでありますが、こういったものについてだけでも安心してできる、例えば、「召し上げ」と言われたとしても「いや、これは不服である」ということを言う道があるのかないのかとか、そういう制度面の詰めは道庁内だけでできますので、こういったことをやって、その結果を関係部局で認識を同一に持った上で、事業を安心して取り組めないかと思っております。もう実施しているものもありますので、そういったものをどうするのかということはありますが、そのような状況であります。
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