知事定例記者会見記録(平成21年11月12日)

知事定例記者会見

・日時/平成21年11月12日(木) 17:15~17:35  
・場所/議会知事室前
・記者数/26名(テレビカメラ3台)

会見項目

 

知事からの話題

1 決算特別委員会知事総括質疑を終えて
2 冬の交通安全運動について

記者からの質問

1 新型インフルエンザ対策について
2  新型インフルエンザ対策について
3 道財政の将来見通しについて
4 山のみち地域づくり交付金事業について
5  アイヌ施策について
6 地域航空ネットワークについて

知事からの話題

 

決算特別委員会知事総括質疑を終えて

 私から2点でございます。
 一つ目は、今日、20年度の歳入歳出に係る決算特別委員会の知事総括質疑が終了いたしました。病院の問題、それからアイヌの方々の関係団体のずさんな会計の問題など、さまざまな議論があったところでございまして、私どもといたしましてはこういった議論をしっかりと受け止めながら、まだ本格的な回復に至っているとは言えない、道内の景気・雇用情勢に十分配慮しつつ、対策に取り組んでいかなければならないと思っているところです。

冬の交通安全運動について

[資料: 冬の交通安全運動
  二つ目は、冬の交通安全運動についてでございます。
 高齢者の方、あるいは夕暮れ時の交通事故防止や凍結路面等のスリップ事故防止などを重点項目といたしました冬の交通安全運動が、本日12日から21日まで展開されることとなっております。
 今年の道内の交通死亡事故の発生状況は、昨日現在180名で、昨年に比べて4名の減ではありますが、増加傾向にあり、現在、愛知県に次いでワースト2と、8月以降、交通死亡事故多発警報の発令もあるなど、大変厳しい状況にあると認識をしております。
  道といたしましては、今年も何としても、5年連続でワーストワンの回避を達成してまいりたいと考えておりますので、全力で交通事故防止に努めてまいりたいと思っております。
 マスコミの皆様方にも、交通安全の呼びかけについてご協力をいただきたいと思います。

記者からの質問

(uhb)
 インフルエンザ対策についてお伺いいたします。新たにお亡くなりになった方が出ておりますけれども、方向としては終息に向かっているのかもしれませんが、道として、先ほど少し聞いた話ですと、ワクチンの前倒しを一部考えていらっしゃるとかという話もあったので、その辺、何か具体的な策があるのでしょうか。 

(知事)
 釧路管内の男の子が大変残念な形で亡くなられたということにつきまして、本当に心からご冥福をお祈りしたいと思います。新型インフルエンザの恐ろしさということをあらためて、私も再認識させていただいたところです。
 そういった中で、今おっしゃられたとおり、一医療機関あたりの患者さんの数が、平均すれば今まで以上に増えているという状況にはなっていないようなことも報告を受けているところでありまして、これから本格的な冬場になるわけでありますが、今の減少傾向が続けばいいという思いも一方で持ちつつ、しかし今から寒い時期に向けて、新型インフルエンザから道民の方々をしっかりと守っていかなければならないと思っているところでございます。
 国でもいろいろな動きがあって、原則として成人の場合には2回接種ではなく1回でよくなったという判断が出たところですので、ワクチンが事前に国から情報提供があったとおりの形で入荷はされているところでありますが、そういった一定量の中で、今おっしゃられたとおり、できる限り前倒しのワクチンの接種を行っていきたいと思っているところです。
 今、保健福祉部から報告を受けているところによれば、基礎疾患のある方、あるいは妊婦の方々、こういった方々には少し前倒しして、年内には希望者の方々には接種可能ではないかということを聞いているところです。
 ワクチンの量が足りないとか足りるとかいろいろな報道がございますが、私どもとしては国としっかりと連絡をとりながら、北海道で希望される方々に対して、必要量のワクチンを確保することを最優先に考えているところでございますので、道民の皆様には冷静にご対応していただけることを心からお願い申し上げたいと思います。


(読売新聞)   
  今のワクチン接種に絡んでなのですけども、12月から子どもとか、1月から始まる小学校の高学年ぐらいですか、あると思うのですけども、具体的にどの時期をどのくらい前倒しできるかという具体的な見通しみたいのは、今あるのでしょうか。

(知事)
 まだ、そこまで詳細なところまで申し上げる状況にはございませんが、先ほど申し上げましたとおり、今11月初めから予約を受け付けて11月中旬から基礎疾患を有する方々を最優先に接種を始めております。
 また、その他の基礎疾患を有する方々につきましては、予約をして受け付けることとしているところでありまして12月からの接種などとなっているわけですが、この基礎疾患がある方、それから妊婦の方々、こういった方々については、希望者については年内接種が可能であるというようなところまでは、担当部から報告を受けているところでございまして、今後状況を見つつ、幼児あるいは小学校低学年のお子さん方など、その次の優先順位のある方々についてもできる限り早い対応を考えていかなければならないと思っているところでございます。


(毎日新聞)
 今日の議会議論で答弁になったことで、財政のことについて、ちょっとお伺い、確認したいのですけれども、早期健全化団体の基準になるかどうかという見通しの試算ですね。試算を今年度内に公表するということをおっしゃってたんですけれども、今まで道庁の中で作ったシミュレーション、試算を公表するおつもりなのか、それとも新たにこれからいろいろなことを考えて試算をあらためてやって、それを年度内に試算する。どちらなのかということを確認したかったのですが。

(知事)
 試算値というのは、ありとあらゆるものがあり得ますが、私どもは、そういった数字自身が道民生活一般あるいは企業の方々の設備投資をはじめとするさまざまな活動の意思決定に大きく影響することもございますので、一定の前提の下で、私どもとして責任を持って発表できるようなものについて、積極的に発表させていただくということを原則として考えているところであります。
 そういった中で今回の決算特別委員会の分科会、知事総括質疑と、道議会の中でさまざまなご議論がございました。平成18年度からスタートしております、26年度までの公債費負担適正化計画、財政健全化に向けての取り組みが、ほぼ後半戦に入ろうとしてきておりますし、そろそろ、その先についても、一定の要件を置くという形で何がしかの数字を出したらどうかというご議論もあったと理解をしているところでございます。
 そういった中で今日の知事総括で、さまざまな前提条件を置く中で、一定の数字の試算を出させていただくということのお約束を申し上げたところであります。
 年度内と申し上げた理由は、新政権の下で、地方分権についてのさまざまな方向性についての発言だけは出ているわけでありますが、実際どうなるかは、12月末とされております政府案が出るまでわからない部分もあります。
 特に私どもが期待しておりますのは、地方交付税を1兆円以上、マクロで全国ベースで増額するという原口大臣のお言葉に大変期待をする一方で、すごく違和感がありますけれども、事業仕分けの対象に交付税が入っているということなど、さまざまな読めないことがあるわけであります。
 そういったことの数字等が固まるであろうタイミングを経て、私どもとしてさらにいろいろな情報を踏まえて、年度内をめどに、いつも2月の初めくらいに次の年度の予算の道としての案のご説明を皆様方に申し上げているわけでありまして、たぶん、そういったタイミングになるのではないかと今のところ思っておりますが、その段階で道として試算した推計値を出してまいりたいと、思っているところでございます。
 あらためて、26年までいろいろな計画を実行しながらも、なぜ、その先も悪いのかというご議論については、これは道議会でも決算特別委員会の分科会で私どもの事務方から、ご質問にお答えする形で申し上げたとおりでありますけれども、過去において、国にお付き合いをして道債を発行して、公共事業を多々行ってきたというのがベースにある原因でございます。
 そういった中で、減債基金というのですか、民間で言えば借金返しのための積立金のようなものを収支対策等の関係で積み立て留保を行わざるを得なかった。民間の場合でもよくわかると思うのですが、そうすると当然、それが実質公債費比率が上昇する一つの要因だと考えられます。
 ご案内のとおりここ5、6年くらいは、少なくとも新規の道債発行をしっかり抑える道政運営をやっておりますので、今の厳しい状況の期間を乗り越えれば、その後には、ここ5、6年の状況が先に続いていくわけでありますので、何とか一息つけて、前から申し上げております道内のさらなる活性化のための前向きな、さまざまな経済政策なり、いろいろな福祉対策なりに、少し回す余裕も出てくるのかなと、そんなことを目指しながら、しっかりとこの道財政の立て直しという努力を日々続けていかなければならないという思いを新たに持っているところでございます。 


(朝日新聞)
 大規模林道のことなんですけれども、3路線7区間を見直しとか中止にするということなんですが、新ひだかの一区間については費用対効果があるというふうに判断されて、さらに町のほうも継続を求めていたと思うんですけれども、それが中止になったというのはどういう背景があったのかと思いまして。

(知事)
 中止の方向でということは申し上げておりますけれども、中止という最終決定にはもう少しいろいろな手続きを経て、今おっしゃった日高管内の町のご意見とも十分にすりあわせをしながらやっていく必要があろうかと思っています。しかしながら、今の日高管内の件について、全体としての林道についてのご議論というよりも、その内の一区間の問題というようなことも担当部のほうから報告を受けているところでございますので、あらためて関係する町の皆様方とは議論を深めて、近々に方向性を出してまいりたいと考えております。


(NHK)
 今回の議会の中で、アイヌ施策についての質問がけっこうあったんですが、これから国を挙げてアイヌ施策を進めていこうという中で、こういった質問が出て、知事も答弁でおっしゃいましたけど、抜本的な改革に取り組んでいくというようなお話だったんですけれども、それについてあらためて。

(知事)
 アイヌ政策、まずはアイヌ民族の方々が先住民族であるということが認められまして、道ばかりではなく国も挙げて政策を打っていくという方向性が、今やっと出たところでありまして、新政権以降、その後の作業が若干遅れているということは、昨日も懇談会(アイヌ政策を考える懇談会)で報告して、早く進めてほしいということを国に言っていかなければならないという意思の疎通も図ったところであります。
 いずれにしろこれから本格的にアイヌ民族の方々が待望しておられた生活支援、教育支援、それから民族の共生の施設の整備など、そういったことが進んでいく中で、その中核の団体となると予想されるアイヌ文化振興財団、そして、まさにアイヌの方々の組織でございます北海道アイヌ協会、こういったところが今まで以上にしっかりと事業に取り組んでいただくということが不可欠であると思っております。
 しかしながら、今回の議会議論の中でも明らかになったように、事業運営等で大変不適切なことが多々あったということでございますので、私は決算特別委員会の知事総括質疑の時にも申し上げましたとおり、アイヌ協会の、あるいはアイヌ文化振興財団のあり方、いずれについても私どもが現地調査をさらにしっかり行うことなども含めて、適正化を図っていかなければならないと思っているところでございます。


(NHK)
 A-net(エアーニッポンネットワーク)の関係なんですけれども、全日空の関係。札幌市に対して全日空が説明をおこなって関係自治体への説明というのは今日で終わると、一区切りを迎えるわけですけれども、道としての対応、あるいは今後HAC(北海道エアシステム)についての議論が焦点になってくると思うのですが、道の対応は。

(知事)
 これは道議会でも決算特別委員会の知事総括質疑でも議論になっておりました。今日、札幌市さんにご説明にいったというのは、今初めて知ったのでありますが、それで関係自治体への全日空からの説明が全部終わったということになるのでしょうから、そういったことを踏まえて、我々として札幌市を含めて関係自治体の意向を再聴取して調整をして、道全体としての方向性を決めていかなければならないと思っております。
 そして、今度は丘珠空港の存続、あるいはHACの問題を含めて道内の航空路線ネットワークをどのような形で維持、運営していくのかという問題について、道議会でも申しましたけれども、年度内にはいずれも決着の方向だと思いますので、それに先立つ形で年内ぐらいをめどに、私どもとしての調整ができればと思っています。
 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理し、作成しています。

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