知事定例記者会見記録(平成22年6月25日)

知事定例記者会見

・日時/平成22年6月25日(金) 20:35~20:57  
・場所/議会記者室
・記者数/18名(テレビカメラ1台)

会見項目

 

知事からの話題

1 平成22年第2回定例会の閉会にあたって
2 口蹄疫侵入防止に関する緊急メッセージについて 

記者からの質問

1 参議院議員選挙における消費税引き上げ議論について
2 どさんこプラザなどにおける道産品販売について
3 参議院議員選挙に向けた知事のスタンスについて
4 北海道エアシステムについて

知事からの話題

 

平成22年第2回定例会の閉会にあたって

 私からは2点であります。
 夜も遅くなったのですが、今日、平成22年の第2回定例会が閉会いたしました。途中、私は欠席という誠に申し訳ない状況もあったわけでありますが、地域医療の問題、雇用の問題、HAC(北海道エアシステム)、北海道新幹線といった交通ネットワークの問題などさまざまな議論が展開されたところです。
 口蹄疫の対策につきましては、補正予算3.5億円を緊急提案させていただいたところでございますが、これも迅速にご審議をいただいて、もうさっそく施行に取りかかっているところでございます。
 また、本日、投資単独事業費の追加措置32億円に係る補正予算案も議決をしていただいたところでございまして、こういった予算の速やかな執行などを含めて、道内の景気・経済の本格的な回復に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えております。

口蹄疫侵入防止に関する緊急メッセージについて

[資料:口蹄疫侵入防止に向けた緊急メッセージ]
 二つ目でございますが、今も触れました口蹄疫についての緊急メッセージでございます。
 宮崎県で、4月20日以降発生が続いております。そして、私ども北海道は10年前の経験もございますので、何としても水際で抑えたいということで、皆様方のご協力をいただきながら、全道を挙げて対処をしてきたところであり、先ほども申しましたとおり、この定例会においても補正予算を可決いただいたところです。
 そして、道議会で議論もあったわけですが、本道はこれから本格的な観光シーズンに入りますが、水際での侵入防止対策を成功させていくためには、道内の皆様方のご協力、そして道外からいらっしゃる方々のご協力も不可欠だと思っております。
 農場段階での防疫であるとか、空港、港湾といった交通機関での水際対策など、より徹底をしていかなければならないわけです。
 こういった意味で、補正予算の執行に併せて、道民の皆様方そして本道を訪れる道外の方々に対してご協力をいただくべく、私から緊急メッセージを発出させていただいたところです。
 お手元に配付されていると思いますが、このリーフレットの中身を、日本語と2種類の中国語(簡体字・繁体字)、そして韓国語、英語版でこれから皆様方に発出をしていきたいと考えているところであり、ご理解、ご協力をお願い申し上げます。私からは以上です。

記者からの質問

(時事通信)
  総理大臣が消費税の引き上げについて言及しまして、民主党がマニフェストに盛り込みまして、この度の国政選挙の争点として浮かび上がってきたわけでありますが、知事は消費税の引き上げの是非についてどうお考えか、消費税を論じるにあたって重要な点は何か、地方に与える影響でありますとか、地方消費税について具体的に述べられているわけでもないようですし、知事はどうお考えか教えてください。

(知 事)
  増税議論というのは、選挙の争点としては大変つらいこともあるのか、今までの選挙の中でそういったことを真正面に争点に取り上げられた党はあまりなかったか、あるいは取り上げた場合には、必ずしも選挙結果が良くなかったかと思います。そういった中で、今回、菅総理があえてこの消費税増税を取り上げられた勇気というのは、私は率直に評価をしたいと思います。
 もちろん、反対の方々もたくさんいらっしゃるのはよくわかった上で、ただ議論をしないと始まらないと。そして、この消費税の議論は、今の国・地方の厳しい財政状況の中で、これからさらに高齢化が進み、福祉等に対する歳出は増えていくと予想されますので、やはりこの消費税の増税という議論は避けて通るべきではないと私自身は思います。
 しかしながら、共産党さんなど反対をしておられる方々の多くの主張は、この税目が逆進的であるということだと思います。人は生活するために必ず消費しなければならいので、誰にとっても同じ負担ということは、比較的所得の低い方々にとっては負担が重いわけでありまして、この点についてどのような工夫をしていくのか、この議論とセットで行っていかないと国民全体への幅広い理解というものには進んでいかないのではないかということが二つ目のポイントだと思います。
 ですから、消費税10パーセントが良いとか悪いとかということだけではなく、街頭演説ではそこまできめ細やかにできないかもしれませんが、屋内におけるいろいろなディベートの機会があれば、私が今申し上げたそういった逆進性について、どのような考え方を持っているのか、これは先進国、他の国の前例も多々ありますし、また有識者の方々のさまざまな考え方もあると思います。そういった議論は不可欠だろうと思います。
 三つ目に重要なのは、今まさにおっしゃった地方消費税との関係です。国民一般の方々が、どこまでこの消費税の構造を理解しておられるのかよくわかりません。しかし、私どもにとって重要な地方消費税というのは、この中に当然含まれてくると考えておりまして、一般論として言えば地方消費税の充実ということですが、もう少し言えば、これから歳出が増えてくるであろう福祉分野の社会保障関連の経費の中では、国と同時に地方においても、今までも大きな役割を担ってまいりましたし、これからもそういうことにならざるを得ないとすれば、この消費税を国と地方でどのように割っていくのかという制度設計の議論を国と地方との間でしっかりやっていただくと。国が一方的に決めて、我々に押しつけてくるようなことでは絶対にいけない。これが私が強く申し上げたい三つ目のポイントです。
 総じて言えば、消費税の議論を真正面にされるようになったということは評価したいと思います。


(HTB)
 まだちょっと体調が万全ではない中で、ご心労をおかけするような質問で大変恐縮なのですが、2点お伺いします。
 本日の食と観光対策特別委員会の中で、「どさんこプラザ」で売られている弁当、このお弁当が道産の海鮮弁当をうたいながら、実は材料、魚介類の3分の2が海外産であったということが明らかになりました。
 そこで伺いますが、知事としてこの事実をどのように受け止めるかというのがまず1点です。また、北海道ブランドをしっかりと今後PRしていく上で、道産品の定義づけというものをもっと消費者目線に立って定め直すべきだと思いますが、基準の見直しについてどう思われるかお聞かせください。

(知事)
 まず、今回の事案、事実だという報告を事務方からも受けまして、大変に遺憾であります。それで、できればもう直ちに撤去しなさいと。それから、そういう業者さんは排除できないのかというようなことも内部で議論をいたしました。
 そういう中でわかってまいりましたのが、この「どさんこプラザ」というのは東京で展開していて、そして札幌でも開こうということで平成18年頃から始めて、歴史はまだ浅いのですが、北海道貿易物産振興会さんに委託をして、その振興会さんとこの業者さんとの契約ということになっていて、今回のような事案がこの契約上認められないとはなっていないということをまず知りまして、何と甘いのだということを、私は事務方に素直に言いました。もちろん一般論として、全国あるいは全世界いろいろなところで北海道物産を売っていますが、その中でもとりわけトップレベルの北海道のよりすぐりの良いものを売るというのが「どさんこプラザ」です。それも、東京はもちろん重要ですけれども、北海道のゲートウェイである札幌駅の中で、そんなまがい物を売っているというのは、これはもう本当に常識ではありえないことだと私は考えた次第であります。もちろん、結果責任は私どもにもあって、そういうものを放置していたという、そこは十分に反省をしながら、このことを直ちに是正すべしということで、先ほど申しましたように、契約上直ちにカットということはできないようですので、まずはこの弁当を提供していた事業者に対して、弁当材料を道産の海産物に切り替えるように振興会を通じて指示をするという手当をいたしております。また、振興会には、消費者に誤解を与えたことに対し、その経過と謝罪、改善と再発防止策などについて早急にホームページなどを通じて示すよう指導をしたところです。
 北海道物産展というのは全国でも大変人気が高いというふうに今評価が高まってきた中で、やはり、こういった残念な事案をできる限り早く排除をし、そしてそういった類似のものがないかどうかを、我々が責任を持ってチェックするということは何より重要だと思っておりますので、厳正なる対応をしたいというふうに考えております。
 それから、二つ目の道産品の定義づけの見直しということですが、実はこの議論は、相当前、5、6年くらい前、たぶん皆様方の諸先輩がここの記者クラブにおられた頃で、私はもう知事だったので記憶にあるのですが、やはり一部道外の物産展の場において、道産品まがいのものが売られているということが明らかになって、その際に道産品ということをどのように考えるかという議論をした経緯があります。
 しかしながら、これは実はちょっと難しいところがありまして、全部道内でとれた素材で作ったものという定義をしてしまいますと、例えば、皆様方ご承知の数の子というのは、北海道は日本一の生産量を誇るところですが、昔はもちろん、群来(くき)が見られたようにニシンが道内で豊かに獲れて、その数の子を使っていたのです。その後すごい不漁によりニシンが獲れなくなり、ただ、数の子の加工のノウハウは道内に十分あるので、カナダなど海外から原料を入れて作っています。全部素材を国内と限ってしまうと、こういうものが排除されてしまう。ではそういうものが、道民感覚として道産品の定義として適当かどうかというと、やっぱり数の子は北海道産と言ってもこれはほとんどの道民の方々が納得していただけると思うのです。そういうことを考えていくと、なかなかこの一律基準として道産品とは何ぞやということを規定するというのは、たやすいようで難しいところがあります。
 しかしながら、今回またこういう事案が札幌というまさに北海道のゲートウェイで出たことでもございますので、あらためて道産品の考え方というか、定義を担当部局に総力を挙げて検討するように指示もいたしました。また加えて、道外で道産品を扱っていただく物産展を開催していただく各種デパートなど事業者の方々にお声かけをして、私どももしっかりチェックをしますけれども、それぞれの店舗の看板イベントとして事業者の皆さんに全部行っていただいているということもありますので、共にしっかりとしたチェックをしていこうというお声かけもしていくことにしているところです。


(毎日新聞)
 参議院選挙の関係でお伺いしたいのですけれども、今回公示日の前に民主党候補の方へメッセージを送られているかと思うんですが、それは知事が国政選挙で民主党候補の方にそうしたメッセージを送られるのは初めてかとどうかということと、これは陣営の方から要請か何かあって出されたのか、知事の方から出されたのかということをお聞きします。

(知事)
 公示日というか出陣式に向けてメッセージのご要請は、民主党さんからもございましたし、自民党さんからも公明党さんからもございましたので、それぞれ私の心を込めたメッセージを発出させていただきました。それが事実でございます。民主党の候補に初めてかどうかはちょっとわかりませんが、いずれにせよ要請があって初めて動くので、要請があったかどうかにもよるかと思いますが、これは知事室長にご確認いただければと思います。今回の参議院選については、今申し上げたとおりご要請のあった関係の候補の皆様に対して、私のメッセージをそれぞれ出させていただきました。

(毎日新聞)
 実際の街頭なり今後の集会なりで知事が出向かれての応援があるかどうかというのを。

(知事)
 昨日の予算特別委員会知事総括でもご質問がありまして私の考えを申し上げたので、それと同じになるわけでありますが、少し体調不良ということもあって、やはり公務を何よりも優先するということを従来から言っておりますけれども、そういったことを徹底していきたいという思いがございます。しかしながら、応援の要請がございました場合には、日程等の調整の中で、またそのご要請をいただいた候補の方とのこれまでの私のお付き合いの度合いなども総合的に勘案しながら対応は検討してまいりたいと考えております。


(TVh)
 予算特別委員会の中でも出た話なんですけれども、JAL撤退後のHAC(北海道エアシステム)の新体制についての基本的な考え方についてあらためてお聞かせいただきたいのと、出資などの面に関して札幌市の協力というのはどのようにして求められていくのか、方針というか方向性をお聞かせいただければと思います。

(知事)
 現時点で固めておりますHAC(北海道エアシステム)に対する対処の方針は、昨日の委員会でも申し上げたとおりでございまして、JALはJAL本体の経営の再建に向けての動きを睨みながら、それに向けてどういう案を出すかということで、道側と協議を調えたいということでしたので、昨日申し上げたような資本構成における考え方であるとか、道が主体的な役割を果たすとか、それからJALさんが最もポイントとしておられた持株比率を15%未満、具体的には14%というようなことを含めてJALさんとは概ね方向や認識を一にしているというのが現状です。そして、並行して例のデューデリ(資産査定)の結果なども踏まえて、私どもとして丘珠空港に集約する場合、新千歳空港に集約する場合、そして今あるように併存して行う場合、それぞれについての考え方を整理しつつ、関係の道内の市町村長の方々のご意見等も伺っているところでございます。そういった中で、これも昨日答えたとおりですが、丘珠空港集約の場合には、移転の費用が当然かかります。それから格納庫の確保をどうするか、空港ビルの使用料をどうするか。いろんなところからも言われておりますが、たぶん一番大きな問題の一つである、丘珠の場合交通アクセスをどう確保するのかなどクリアをしなければならない多くの問題があります。
 一方で、新千歳空港に集約する場合には、これはA-net(エアーニッポンネットワーク)が集約していますので、そちらとの競合という議論も出てくるわけでありまして、いろいろな場合を想定しつつ、できる限り早く方向性を決定していかなければならないと思っているわけでありますが、こういった中で、やはり札幌市さんのご意向ということが大変重要なポイントになってくるだろうということで、引き続き詳細な詰めを事務的にやるように指示をしているところです。ちなみに、札幌市さん以外の道内の関係、すなわち空港を抱えている地域の方々のご意見というのは多様でありまして、例えば丘珠に集約する場合にはその理由の整理がないと、他の自治体にもいろいろな支援も求めておりますので、出資についてはそういう理由の整理がいるだろうし、またそういった中で地域医療の対策という観点が重要であり、すなわち北海道はお医者様の数は全国平均を上回っているのですが、医療資源偏在が著しいわけで、ほとんどが道央に偏っていて、道南、道東、道北は厳しい状況にあります。そういう中で今回の丘珠集約ということを例えば選択するとすれば、札幌の医療資源というものをいかに地域に持ってくることができるのか、そういったこととの関係において今回のこのHAC問題をどのように考えるかという視点をぜひきちっと考えてほしいという強い意見が出ているところです。
 また中には、JAL便との乗り継ぎ等を考えると、新千歳の方にむしろ集約してくれという意見などもございまして、本当に多様であります。そうはいっても、私ども時間もあまりありませんので、札幌市さんも含めて関係諸方面と早急に調整をしていきたいと思っているところです。路線については、昨日言いましたのであえて繰り返さないことにします。以上です。
 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理し、作成しています。

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