知事定例記者会見記録(平成23年10月27日)

知事定例記者会見

・日時/平成23年10月27日(木) 14:00~14:38  
・場所/記者会見室
・記者数/29名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 児童虐待防止推進月間の取り組みについて 

記者からの質問

 1 道東自動車道(夕張~占冠間)開通について
 2 原発に係る防災対策を重点的に充実すべき地域について(1)
 3 原発に係る防災対策を重点的に充実すべき地域について(2)
 4 原発に係る防災対策を重点的に充実すべき地域について(3)
 5 原発に係る防災対策を重点的に充実すべき地域について(4)
 6 北海道新幹線の並行在来線について
 7 北海道電力の説明責任について
 8  道職員の給与について
 9  TPP(環太平洋連携協定)について(1)
10 TPP(環太平洋連携協定)について(2)
11  TPP(環太平洋連携協定)について(3)
12 泊原発に関する世論調査について

知事からの話題

 

児童虐待防止推進月間の取り組みについて

〔配付資料:オレンジリボンキャンペーンへのご協力のお願い
  それでは、後ろにもポスターがございますし、私もここ(襟)にオレンジリボンをつけさせていただいておりますが、児童虐待防止推進月間についてのご報告でございます。
 子どもを取り巻く、さまざまな悲しい事件が最近後を絶たないわけでありますが、ご承知のとおり毎年11月は児童虐待防止推進月間でございまして、道ではこの期間中に虐待防止ばかりではなく、いじめの防止も含めた運動を展開することとし、その一環として、オレンジリボンキャンペーンを、道教委そして道警と連携して推進しているところです。
 10月31日に実施するオレンジリボンキャンペーンイベントをはじめとして、11月1日には、札幌市とも共催し、街頭啓発活動を行うほか、全道児童相談所では、月間中に、児童虐待防止に関するシンポジウムを開催させていただくこととしております。
 平成22年度に、道内の児童相談所が対応した児童虐待相談件数は、1,593件。これは昨年に比べて減少しているところですが、全国的には、速報ベースでありますけれども、55,152件と過去最多となっているところであり、また、虐待による児童の死亡事件など悲しい報道が後を絶たない状況にございます。
 児童虐待やいじめは、子どもの心や体、さらには生命までも脅かす重大な人権侵害であります。虐待やいじめが疑われるときは、ちゅうちょなく市町村や児童相談所、学校、教育委員会などに知らせていただくようにお願いを申し上げたいと思います。
 このオレンジリボンに込めた願いを一人でも多くの道民に伝えていきたいと考えておりますので、報道機関の皆様方のご協力を心からお願いします。私からは以上でございます。

記者からの質問


(十勝毎日新聞)
 いよいよ明後日29日に道東道(道東自動車道)が全線開通しますが、(高速道路の整備率が)全国的に見て70(%)、北海道50(%)というこのちょっと遅れている状況の中で、待望のこの日高がつながって十勝と札幌が近くなるということでですね、観光、物流などの面において期待される効果ですとか、こういう効果が出てほしいということを何かお伺いしたいのですが。

(知事)
 いよいよ今週の土曜日、10月29日に道東自動車道、夕張-占冠間も開通いたしまして、道央圏と帯広、十勝がやっと高速道路でつながるという状況になります。
 私も29日、台湾に出張する日ではありますが、その前に夕張インターチェンジで行われます開通式に行く予定であり、今から楽しみにしているところです。
 道東道が今年の秋に開通することは、相当前から計画上決まっておりましたので、そこに向けて十勝の方々、帯広の方々も新たな観光のレベルアップや、(道東道を利用した)物流で十勝のより良い物を道央に売り込むことなど、さまざまな地域おこしの議論を盛り上げてきていただいたと理解しておりまして、それがまさに今週の土曜日に現実のものとなること、本当にうれしく思っているところです。
 (十勝)ガーデン街道の試みであるとか、あるいは観光、それからおいしい食を呼び水として、もっともっと道央のお客様に来てほしいという思いなど、相互でいろいろでしょうけれど、道央の人たちは道央の人たちで狙っておられるでしょうけれど、そういった動きを通じて人の交流、物の交流なども活発になることを心から期待しているところです。
 今申しましたような産業、それから観光、そういった道内全体の活性化ということに加えまして、3月11日の東日本大震災を経て、やはり道路というものの意義というのは、単にその経済的な効果ばかりではなく、道路、とりわけ高速道路がつながっていることによって、人の命がつながる、医療、防災などを含めて、住民の方々の安全に資する、そういった価値というものも大きく見直されているところでございますので、私も今、前段に申しましたこの道東道の開通による経済的な効果に加えて、道民の皆様方、住民の方々の安全に向けてのさらなるレベルアップということが果たされることを、心から期待するところです。               


(共同通信)
 原子力安全委員会の作業部会が、原発事故に備えた防災対策の重点地域を従来の8キロ、10キロから30キロに広げるという案を示しましたけれども、その点について知事どのように受け止めてらっしゃるか伺いたいと思います。
 北海道に関しては、泊原発だけでなくて、青森の大間原発と函館市という関係もありますので、その点も含めてお話伺えればと思うのですが。

(知事)
 福島の原発に関するさまざまな動きを見ていても、従来の10キロというEPZのエリアは、どう考えても現実的ではないということをこういった記者会見の場でも申しましたし、国に対しても、これの拡大ということをさまざまな機会を通じて要請をしてまいりましたし、また私ども自身も有識者専門委員会の場で、そういった問題提起をし、有識者の方々の議論を深めていたところでございます。今回、この原子力安全委員会の防災指針検討ワーキンググループの皆様方がさまざまな技術的、科学的な観点から議論を深められて、このPAZ、UPZ、PPZ。PPZの扱いはどうなるかというのはいろいろな議論があるようですけれども、まず方向性を出され、そして私どもが聞いているところによりますと、11月1日の次回会合で決定される運びという予定で進んでいるようですが、これは一定の評価をさせていただきたいと思っているところです。
 私どもも、福島の事故を踏まえて拡大についての考え方を提示していたわけでありますが、それがどの程度がいいのかということは、さまざまな観点からの科学的あるいは技術的な検討というのが必要なわけでありまして、日本国内のこの分野の最も権威のある方々が、さまざまな議論を経てこういった一定の方向性を出されたということ、私どもとしても一定の評価をさせていただきたいと思っているところです。
 このことが、正式決定した後になるかと思いますけれども、道内に適用しますと、今ご質問のございました泊についてのエリアの拡大、それから大間についてのエリアの拡大ということで、新たに関係する自治体が増えることになりまして、そういったことの中で、地元とのいろいろな情報の共有であるとか、議論を活発化させていかなければならないとこのように思っているところです。 
 それから、大間原発につきましては、まだ、完成していない、そして建設途上で今ストップをしているという現状であります。まずは、この建設の状況が再開するかどうかということがあるわけですけれども、私どもも道議会でも再三にわたって申し上げておりますとおり、やはりMOX(燃料)のみという原発の態様のようでありますので、福島の事故においてMOX(燃料)がどのような影響を与えたのか、そういったことも含めて、この大間原発の必要性なり、その安全性について道民の皆様方の理解が得られるということが大前提で建設の再開というのがあると思っております。
 その上で、ご質問のUPZとの関係で言えば、今申し上げたようないろいろな前提条件が満たされて、(建設工事が)再開になったとすれば、完成そしてそれが動くという状況になったとすれば、その段階で今度は防災計画策定の段取りになってくるわけでありまして、まだそこまで見通せる状況にはございませんが、そういう状況になれば、泊における議論と並行して、私どもも函館市などとしっかり議論を深めながら、また青森県なり大間町なり、事業者との議論ということになってくるかと思うわけでありますが、まだ大間原発についてはそれ以前の状況にあると認識をしております。


(共同通信)
 今のに関連してなんですけれども、30キロというふうな距離を定めているわけなんですが、こうした一律の30キロを定めるということに対しては、こういう全国一律というやり方はどうなんだという批判の声もありますし、道内の自治体を見ても、札幌市長などはこういう一律な言い方はどうかというふうに疑問を呈してらっしゃるようですけれども、そういう一律のやり方ということに関して知事はどう思われますでしょうか。

(知事)
 先ほど申しました、今回の(内閣府)原子力安全委員会の防災指針検討ワーキンググループの議論の中でも、こういうエリア設定の中で、風の状況など気象条件の影響も検討しなければならないということは出ているようでありまして、それは今後の検討課題になっていると理解をしておりまして、そのことの議論もさらに深めていただければと、このように考えております。


(北海道新聞)
 再び今のに関連してなんですけれども、まず1点、その30キロに拡大するという案は示されたんですけれども、その財政的な措置がですね、まだ国のほうからはっきりは示されてない状態で、地元の自治体からは、いわゆる防災対策を取る上での必要となる財源というものがどうなるのかということに対して非常に強い不安もあるようなんですけれども、知事としてこういった点をですね、国のほうにどんな形で要望していくかというようなお考えがあれば教えていただきたいのですが。

(知事)
 おっしゃるとおり原子力政策を含めてエネルギー政策というのは、一義的にはまず国と事業者が主体的にこれまで進めてきたという経緯もございますし、またそういったことからいろいろな法律等に基づき、原子力発電所周辺の安全対策などについても、国からの助成ということをベースとして、さまざまな安全対策が行われてきたという経緯がありますので、その意味では今おっしゃられたとおり、福島の事故を踏まえて、このエリア取りをどのようにするのか、またそれぞれのエリア内でどういう安全対策を取っていかなければならないかということとの関係において、国からの財政的な措置というものも当然お示しいただかなければ、私どもでできることというのは、限られていますので、そういったことはしっかり国に要請をしていかなければならない。国も検討しておられると思いますが、当然のことだと思っております。


(北海道新聞)
 もう1点、これも関連してなのですけれども、30キロという一つの案が示されたことで、後志の町村の中、町村長の中から、安全協定の拡大を求めている方もいらっしゃいます。そういう声も出始めているのですけれども、これを拡大するにしても北電や道との協議というのは不可欠だと思うのですが、知事として積極的に北電にこういうことを働き掛けていくお考えがあるかないか教えていただきたいのですが。

(知事)
 それぞれの自治体が、それぞれいろいろなご主張をしておられるというふうに理解をしているのですが、私どもとの実務者会議でも、いろいろな議論をしておりますし、道議会でも議論になっておりますけれども、安全協定という枠組みは、他県の場合には、原発立地の基礎自治体と、それを運用する電力会社との間の安全協定というのが一般的なようでありますが、北海道の場合には、さまざまな経緯の中で、泊村だけではなくて、それに三つの町と村を合わせた4町村との安全協定ということでスタートラインにあるわけです。
 今回のUPZ、このエリアの変更に伴って、安全協定という枠組みもございますし、また通報連絡協定という枠組みもあるわけでして、それぞれの自治体の皆様方がどのような中身を事業者なりわれわれ道なり国なりに対して求めておられるのかということをしっかり見極めた上で議論をしていく必要があるのではないかと考えているところでして、実務者会議等の場を通じてしっかりと議論を深めていきたいと思っております。また、事業者の意向ということの確認もあるわけでありますが、まずは自治体側のしっかりとしたご認識を持っていただいた上で、何を必要としておられるのかということをまずは見極めていく必要があるかなと、そのように思います。


(HBC)
 並行在来線についてなのですけれども、今朝、木古内・五稜郭間をバスに転換することを地元に提案するという報道がありましたけれども、それが事実であれば、そういうバス転換という判断に至った理由についてご説明いただければと思います。また、併せて貨物路線について何かどのようにお考えになっているのかも併せて伺います。

(知事)
 31日に会合がございますので、それまでお待ちください。報道だけが先行したみたいですね。中身を読んでいませんのでよく分かりません。
 今年度いっぱいをめどに、地元の皆様方と私のほうで、その31日を含めて複数回議論を深めて、方向性を出していかなければならない、このように考えております。


(STV)
 北電に関連してなのですけれども、昨日、北電の佐藤社長が道議会で参考人として一連の問題についてご説明をされました。内容については知事も報告ですとか、報道等でご存じかと思いますが、この佐藤社長の説明について、道民の信頼を回復するような、しっかりと説明責任を果たしたかどうかという点において、知事はどのように評価されるかというのをお伺いできればと思います。

(知事)
 北海道電力は、道内における大きな電力供給会社でして、その意味では法律に基づく安定供給責任の見返りとして、地域独占ということが認められているという企業。一般の民間企業であると同時に、今申し上げたような意味では、特別の位置付けを持っておられる企業であると認識をしております。
 その意味では、昨日の佐藤社長をはじめ幹部の方々の議会でのいろいろな答弁について、職員から詳細についての報告を受けているところですが、それ1回きりで、今おっしゃった道民の信頼回復ということにはならないのではないかと思います。
 私といたしましては、やはり、発言も重要ですけれども、それに加えて行動をもって、まず第一に再発防止、すなわち第三者委員会に委託をした調査結果を北電として認めるということを明言されたわけでありますので、不適切な行為と認めたことを、どのように再発防止を今後果たしていくのかということを発言だけではなくて行動で示していく必要があろうかと思いますし、また、加えて、道民に対する説明責任、どうしてそういう不適切な行為に至ったかというような、そこに関係する部分の説明責任だけではなくて、(自家発電と比べ)圧倒的に多くの電力供給を行っておられる企業として、道民の皆さんが心配をしている冬場に向けての電力供給が安定的であるのかどうかということを含めて、やはり説明責任を果たしていく必要があると、このことは強く申し上げたいと思います。
 もちろんご承知のとおり、私ども道が間に入る形で国、それから北電、そういった会議を立ち上げまして、道内の電力需給についてのしっかりとした情報を共有する。先般、先々週でしたか、枝野大臣は海外出張中だったのですけれども、副大臣に対して、全国の電力会社のそれぞれの電力供給なり需要の状況の、これを調査できるのは経産省だけでありますので、それを示してほしいと、そういうことによって私ども北海道としてお隣への支援、送電しているのがどうなるのかなどを含めて分かりませんと、またもう寒くなっていますので、冬場における需給の安定的な確保に向けて、例えば節電という形で道民の方々にご協力をいただく必要があるのかどうかという、最終的な判断をしていかなければならないところでもありますので、そういうことを国(経産省)にも要請をしておりますが、(北海道経産)局にも入っていただく形でわれわれの会議(電力需給に関する連絡会議)というのもできておりますので、そういったところを通じてしっかりとしたご説明もやっていただきたいと、このように考えております。
 併せて、道の第三者検証委員会が立ち上がったところでございますので、委員会で道の関与というものを客観的、中立的に検証するためにも、北電の社員、関係する方々というのは限られておりますので、ぜひ協力をしていただきたいと、このようにも思っております。


(朝日新聞)
 今日、人事委員会から職員の方の給与引き下げの勧告がありましたけれども、道として現在独自に給料の縮減策をされていますが、来年度に向けての現時点での知事のお考えをお聞かせ願えませんでしょうか。

(知事)
 独自縮減についての考え方ですが、これから、さまざまな方面、まずは財政の今後について精査をした上で、関係の皆様方と議論を深めてまいりたいと、このように考えております。


(HTB)
 TPPに関してお伺いいたします。高橋知事はTPPに関して、オール北海道として反対という明確な姿勢は示されていると思うのですけれども、来月に向けてですね、政府民主党のPT等でですね、今、議論も大詰めを迎えているわけなのですが、今、政府民主党内で、交渉に参加すれば抜けられないと、交渉から抜けられないという意見と、交渉に参加しても途中で条件面でしっかり話し合えるとか、それから都合悪ければ抜けられるといった両面の議論がありますけれども、この件について知事はどのようにお考えですか。

(知事)
 (交渉から)抜けられる、抜けられない(というのは、)意味のある議論かどうかということも含めて、私はあまりコメントする気はないのですが、そもそもTPPそのものについて(民主)党としての意見の集約、政府としての方針を出すということを言っておられますけれども、そのスケジュールが少しずつ延びてきているという中で、ハワイでのAPEC首脳会談の日程というのはずれませんので、ぎりぎりの状況の中で、野田総理の思いはどうも相当強い覚悟を持ってTPPに臨むのだというふうに思っておられるという情報も聞いているところですが、ただ私ども北海道は前から申し上げておりますとおり、道民合意がない、道民を含めて国民合意がないままに交渉入りというのは反対と明確に常に申し上げているところです。
 昨日も反対派の方々、あるいは賛成派の方々、さまざまな会合があったということを聞いております。私どもは農業が基幹産業でございますので、農業の国際競争力を高めるという観点、その観点からの政策の方向性が出て、そのことをしっかり議論をして、われわれとしても納得することがまず大前提だと言っておりましたが、先般政府が出された農業政策(我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画)の方向性の、目的は全部正しいのですよ、ただ、それを実現するための手段、予算措置含めて抽象的であり具体性に欠けるということに問題があるということのコメントを(10月21日に)出させていただいたところでありますが、まず国民と道民の大きな関心である農業分野についてもそういう状況です。それ以外、医師会も反対ということをマスコミの方々、大きく書いておられるようですけれども、医療の問題も重要であると思いますが、私ども地方としては、政府調達の部分では独禁法に抵触しない範囲でできれば地元の企業を優遇したいということで、札幌圏はまだ良いかもしれませんが、本当に郡部のほうに行くと大変な状況の中で、少しでも仕事を地元の方々にというようなことを行っているのが大丈夫なのかどうなのか。賛成派の方々が、「そんなことは大丈夫だ」と書いておられるけど、そう言われたとしてもやはり政府のお言葉として、私どもとしては大丈夫ということを言っていただかないと心配でありますし、それから例の郵政も含めた金融サービスについて、もっともっと自由化を進めるべしという議論のようでありますので、そういったことで、地域というのがやはり一番に切り捨てられるということの懸念もあると思います。
 私はその意味では話はそれますけれども、小泉郵政改革の時も決して賛成はしておりませんでした。そういうことも含めて、そこの部分の問題などもありましたので、皆様方も持っておられると思うのですが、米韓のFTA、あれの邦訳というのを入手して読んでみたのですが、結構衝撃的でありまして、例えば貿易の技術的障害に関する規定というのがあって、例えば韓国国内の規格基準の策定に相手国(米国)の国民の参加を認めると書いてあるのですよ。それから、投資家が韓国政府のさまざまな政策に不満がある場合には、韓国国内の法廷での議論を経ることなく国際仲裁裁判所で訴えることができるとか、これもどうなのかと、もちろん米国としては直近に結ばれたこの韓国との協定というのを一つのひな形として、最低限これぐらいはTPPで求められるということは想像に難くないわけでありまして、それから先ほど申しました国の政府調達の部分もWTO基準の半分くらいまで海外企業にも無差別にこの基準を引き下げているなど、挙げれば切りがないのですが、結構こういうことに、具体的になるのかなと想像させるものが現に今目の前に協定として出てきておりまして、やはりそういったそれぞれ一つ一つのことについて政府として、われわれ道民、国民の率直な疑問、懸念というものを列挙していただいて、それについて「これはこういうことだから、全然問題ない」あるいは「こうだから場合によっては規制緩和になる」とか、やはり情報提供をきめ細かにしていただいて、その上でいろいろな議論を深めていく必要があるのかなと思います。


(uhb)
 今のTPPの関係だったのですが、農業についてかなりデメリットというのは知事も含めて皆さんかなり言われているのですが、これまでにも何度かお願いした可能性があるのですが、ほかの分野について、今回推進されている方がやはりかなりの人がいらして、推進を希望している方がいらっしゃるのですけれども、ほかの分野のメリットというのは知事としてはどう思われていますか。かなりあると思われていますか。

(知事)
 ほかの分野のメリット。

(uhb)
 農業以外のほかの分野ということで。

(知事)
 それは輸出型の製造業の場合には市場が拡大するというメリットがある、これは当然だと思います。そこは誰も否定はしないのではないでしょうか。しかし、すべて相互主義でありますので、そのことと同じことが国内で展開された場合、道内で展開された場合に何が起こるかというのは今の議論の中心だと私は理解をしております。


(NHK)
 今のTPPの関連の流れなのですけれども、25日に政府が農林漁業の再生のための行動計画というのを正式に決定したのですけれども、この中でいろいろな行動計画がありまして、これによって野田総理大臣は、高いレベルの経済連携といわゆる国内の農林漁業の両立を図るために全力で取り組むんだというようなことをおっしゃっているのですが、このような行動計画を作りましたということによって、そういった経済連携と国内の農林漁業というものが両立されていくとお考えでしょうか。先ほど、抽象的だとおっしゃっていましたけれども、どんなことが足りないのかとか、受け止めとかでいいのですけれども。

(知事)
 (今回示された基本方針・行動計画の)基本的な(7項目の)方向性はすべて正しいことを書いてあるのです。そういう目標を達成していきましょうと。それは全部正しいのです。ただ、それが具体的に行われる担保がない限りは何の意味もないですよね。そのためには財政的な裏打ちも当然必要で。7項目、「持続可能な力強い農業の実現」、素晴らしいですよね。2番目、「6次産業化・成長産業化、流通効率化」など7項目は全部正しいです。
 しかし、それを実現するための具体的な財政的な方策、そしてどれぐらいまでにやるのか、どれぐらいお金が掛かるのか、東北の復旧・復興だって重要ですし、それをどういう形で捻出してやるのかという、そういうことは決意だけでは不十分であります。それを具体的に財政的にも裏打ちをするものが出て、それを議論した上で次のステップというのが普通のやり方ではないかと私は思いまして、そういう意味で大変不十分であると、不満であるというふうに申し上げております。


(北海道新聞)
 弊社の全道世論調査でですね、原発関係について質問したところ、現在停止中の泊1、2号機の再稼働についてはですね、84%の方が慎重な考えを示されたと。そしてプルサーマル計画については、89%の方が否定的な回答をされたということなのですけれども、背景としては福島事故以降の原発に対する不安であるとか、あるいはそのやらせ問題で北電に対する不信感とかいろいろとあると思うのですけれども、この結果について知事としてどのように受け止められるのか、今後どのように対応されていくとお考えになっているのか、お聞かせいただければと思います。

(知事)
 泊原発1、2号機の再稼働、それからプルサーマル(計画)についての考え方(についての)直近の御社の調査結果、私も読ませていただいたところです。いずれにいたしましても、泊原発1、2号機の再稼働については、大変丁寧な地元の意見の集約をはじめとして、道議会での議論などが必要だと理解、認識をいたしておりますし、またプルサーマル(計画)につきましては、これは議会で私どもの事務方からご答弁を申し上げたと思いますが、2008年のプルサーマル計画の検討過程において、このたび北電が不適切な行為があったと、そしてそれがある意味組織的な関与の下に行われていたという第三者委員会の報告を北電自身が認めたわけでありますので、その北電が認めた不適切な行為というものが、私どもが行いました地元を含めての道民の方々の意見集約ということにどのような影響があったかということを、今精査をしているところでして、その結果を踏まえて判断をしていきたいと考えております。


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理し、作成しています。

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