知事定例記者会見記録(平成24年3月30日)

知事定例記者会見

・日時/平成24年3月30日(金) 14:00~14:28  
・場所/記者会見室
・記者数/28名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 春の全国交通安全運動について
2 バックアップ拠点構想について

記者からの質問

1 災害廃棄物の広域処理について(1)
2 災害廃棄物の広域処理について(2)
3 エネルギー政策について
4 原発の再稼働問題について
5 消費税増税法案の閣議決定について
6 北海道電力(株)新社長の就任について
7 平成24年度組織機構改正について

知事からの話題

 

春の全国交通安全運動について

〔配付資料:交通事故発生概況(平成24年3月29日現在)〕
 それでは、私から2点ご報告します。
 一つ目は、この後ろのポスターとも関連しますが、来週、新年度明けて、4月6日金曜日から15日の日曜日までの10日間、全国一斉に「春の全国交通安全運動」が展開されます。今回は、子どもと高齢者の交通事故防止などを重点とする交通安全運動です。今年の道内における交通死亡事故の発生状況は、29日現在で30名と、昨年に比べまして4名の減少という状況になっていまして、全国で11番目に悪い状況ということです。この時期これから北海道は雪解けが進みます。そして開放感もありまして、スピードの出し過ぎによる交通事故や、それから新入学、新入園の時期を迎え、お子さんが犠牲となる交通事故の発生も懸念されるところです。道民の皆様方には、くれぐれも安全運転に心掛けて悲惨な交通事故の防止に努めていただきたいと思います。
 この運動の前日の4月5日木曜日に赤れんが庁舎の前庭におきまして、「春の全国交通安全運動 道民の集い」を開催し、広く道民の皆様方に交通安全等への意識を高めていただくことを考えておりますと同時に、運動期間中、多くの道民の皆様方のご協力を得て、街頭での啓発活動など継続的に行う予定としておりますので、マスコミの皆様方にもご理解、ご協力を心からお願いします。
 これが1点であります。

バックアップ拠点構想について

〔配付資料:北海道バックアップ拠点構想(要旨)〕
 2点目は、バックアップ拠点構想についてです。
 昨年6月から有識者の方の懇談会でご議論いただきまして、道議会でもご議論があり、今般、お約束どおり構想の最終取りまとめということを行ったところです。配付資料が1枚あります。
 首都圏直下型地震ということもよくいわれておりますし、また東海、東南海、南海地震、3連動というようなこともいわれている中で、いろいろなそういう日本国全体の災害のこれからの予想などの中で、比較的災害が少ないという北海道において、こういったことを展開していこうということです。
 「強靱な国づくり」ということの中で、私ども北海道の優位性というのを最大限に発揮すると、例えば北海道の弱みとしてこれまでもいわれておりました、「遠さ」ということ、あるいは「寒さ」ということを、大災害に備える上での強みに転換するという発想に視点を変えながら、私どもの提案というものを国に対して、あるいは全国の国民の方々に対して、しっかりと提案をしていきたいと、このように考えているところです。
 私からは、以上2点であります。
 

記者からの質問

(北海道新聞)
 明日から2日間ですね、北斗市と奥尻町をそれぞれ訪問されるということですけれども、その中で東日本大震災で発生したがれきのことについて、どういった方々とどういった話をされる予定かということと、どのような期待があって訪問されるのかということをお尋ねしたいのですが。

(知事)
 実は天候を大変気にしておりまして、明日、明後日、寒さも戻ると同時に天候も荒れるのではないかということもあって、まず行けるか行けないかを、今はらはらして最終判断をしなければならないと思っております。そういう中で、今回の出張では、まず函館空港に降りまして、北斗市にお邪魔しようと思っております。一つは北斗市で長年にわたって事業展開をしていただいております太平洋セメントの工場にお邪魔しまして、今のご質問との関係で言えば災害廃棄物の受け入れについて、今まで事務的にはさまざまな形で太平洋セメント、あるいは北斗市とも議論を深めてきたわけですけれども、私自身訪問させていただき、道としてそういったことについてぜひご協力いただきたいというようなお話を北斗市、そして太平洋セメントに申し上げていきたいと考えているところです。
 それから奥尻町のほうは、こちらも災害がれきの受け入れということについて前向きにご検討いただいているというようなことはお伺いしているわけですが、むしろ奥尻町訪問の主たる目的は、道議会でも議論になりました再生可能エネルギーで、これからの普及促進の一つの柱でございますエネルギーの地産地消のモデル地域の一つとして奥尻町というものを位置付けてさまざまな議論をしているわけでして、今、地元でも例えば木質バイオマスをどういうふうに活用できるか、それから小水力(発電)の議論など、もともとあそこは北海道電力の小さい規模の発電所が、いくつかあって、それを役場の職員がしっかり守るという大変離島らしい展開がされている状況の中での再生可能エネルギーのさらなる導入ということについて、地元の方々と議論もさせていただければということで奥尻町にお邪魔させていただきたいというふうに思っているところです。何としても天気が持って、無事に行ってこれればというふうに思っているところです。


(NHK)
 今のがれきに関連してのお尋ねなのですけれども、この前、国が正式な文書でがれきの広域処理ということに対する協力の要請というのがありまして、4月6日までに国に文書で答えを下さいという段階だと思うのですけれども、それを受けて道としては市町村であるとか広域連合さん、一部事務組合さんに要請の文書を出されたと。今後6日までにそういった市町村さんとかの意向を把握しながらということになると思うのですが、道として6日に向けて、回答に向けてですね、今後どのような手続きをしていかれるのかというのを教えてください。

(知事)
 ご関心をお示しになられた市町村に私どもの職員を派遣して、さらにご説明をし、どういったところの資金負担等について国に要請していかなければならないか、あるいはどういう課題があるかなど、いろいろな議論を個別具体的にそれぞれの市町村と進めさせていただいているところでして、そういった状況をこの4月6日の直前まで精査した結果について、ご報告を国に対して申し上げるという段取りになるかなというふうに思っています。私どもとしては、国への回答というのは別にそれで何かが具体的に進むわけではないので、むしろ先ほど明日北斗市に行くということを申し上げたところですが、関心を示して前向きにとおっしゃっておられる市町村の方々の中で、とにかくまずは1カ所でも具体的に動きを形にするということを私はぜひやっていきたいとこのように思っているところです。もちろん住民説明会からまずやらなければならないという地域もありまして、そういったところに道職員を派遣するのは当然ですし、そういった一つ一つの努力をこれからやっていきたいとこのように思っております。


(STV)
 昨日、北電(北海道電力)が来年度の電力の供給計画未定ということでとりあえず発表しまして、ちょうど原発の再稼働が見えないということなのですけれども、今後の電力のあり方なのですが、札幌市はいち早く脱原発ということで具体的なプランを示しましたけれども、道としては、あくまで今後再稼働をベースに考えていくのか、その辺のビジョン的なものが現時点であればお伺いしたいのですが。

(知事)
 まずは電力の需給見通しというものを、一つのヤマ場である夏に向けてしっかりとしたものを出していかなければならないということを思っております。今段階では全国の電力会社さんの多くも未定というふうに出されたということの中での北電の対応のようでありますけれども、需給見通しというのは当然早く出して、需要家の方々のこれからのいろいろな設備稼働計画等に備えるために、早期という要請がある一方で、もう一つは精度の高さというのでしょうか、より正確な中身という要請と、これは(いつ公表するかという)時期の上からは、二律相反するとは思うのですが、その意味では4月下旬くらいには北電として公表のめどを示したいということですので、その結果をしっかり見極めていく必要があるのではないかというふうに思っているところです。私どもとしては前から申し上げております事業者たる北電、国の北海道経済産業局、それからわれわれが中心になる形で電力需給に関する連絡会議というのを持っておりますので、その場で電力事業者以外の自家発電の状況なども踏まえて、トータルとしての道内の需給見通しというのも精査し、早急にお示しした上で、この夏場に向けてのさまざまな可能性を踏まえての対応というのを考えていかなければならないかなとこのように思っているところです。そういった中で、原発の再稼働ということが今段階で見通せる状況には必ずしもない。なぜならわれわれが議論する前段の国の方針も一切まだ示されておりませんし、前から申し上げておりますところの耐震安全性という大きな作業がまだまだ残っていますので、そういった状況が4月下旬までどのようになるかということはありますけれども、いずれにしても夏前に十分な時間的なゆとりを持って道内における需給見通しというものをしっかり出していくと、まずはそれが重要だと思っております。


 (STV)
 同じ関連なのですけれども、再稼働に向けて今ストレステストの一次評価というのが行われていますけれども、先週、福井県の大飯原発で原子力安全委員会が一応その審査結果を了承したということで、その際に班目委員長が委員会としては安全性の確認を求められていないという発言があったり、あと一次評価では簡略的な評価なので、やはり二次評価も必要だというような、非常にその一次評価では不足しているのではないかというような、まさにその最終的に了承する機関がそのような発言をされているということもあって、今回大飯原発については、京都府と滋賀県の知事も、ちょっとなかなか納得しがたいというようなコメントも出しています。
 知事としてはこのストレステスト一次評価で再稼働するという大飯原発のこの一連の動きを見て、これは納得できるものかどうかという点でいうといかがでしょうか。

(知事)
 なかなかこう一般論では難しいと思うのですが、このストレステストというものが導入された去年の夏の経緯というのを覚えておられますよね。
 まずは、玄海原発でしたか、九州のほうに当時の海江田経済産業大臣が政府を代表して行っているような感じだとみんなが思っている中で、再開に向けてよろしくということをおっしゃられた直後に、菅総理がそれをひっくり返されて、それで総理の口からストレステストということが出てきた。そのストレステストは一次評価というのは、休止をしている、ストップしている原発について行うと、また二次評価については全ての原発について行うということでスタートしたこのストレステストの評価という流れだったかなというふうに記憶をしています。
 その際に、これも当時の菅総理の強いご意向だったと思うのですが、原子力安全・保安院だけでは大変不信感があるので任せられないということで、たぶん法的な手続きの中では位置付けられていないと思いますが、内閣府に設置されている原子力安全委員会もその判断に関与させるという流れの中で今のプロセスというのが事実上動き始めたその第一号が大飯原発であるという状況だと思います。
 そういう中で、この班目委員長のご発言の一つ目の、「安全性の評価を委員会でしていない」というふうに言われたのですか。私は正確には報告は受けていないのですが、トータルとして、では委員会で何をされたのかと言えば、やはり了とされたということなのではないかなと思いますし、そういう認識だからこそ政府として次のステップに行くというふうに言っておられるのかなと想像いたします。
 それから、二つ目の「二次評価というものが必要だ」という、これは前から、菅総理の時からそのような流れになっていまして、一次評価に加え二次評価もやるというのは当然のことだと思います。


(毎日新聞)
 政局の話で申し訳ないのですが、本日、消費税の増税法案が閣議決定されて、中央では結構もめているようなのですが、今後の見通しとか含めて知事のお考えを教えていただけたらと思うのですが。

(知事)
 政局のほうは本当に報道を通じてしか分かりませんので、国民新党が大変辛い思いをして分裂する、しないというのは、報道以上のことは私は一切存じません。
 ただ、この消費税の増税ということについて申し上げれば、前からこの記者会見などの場でも何回かご質問にお応えする形で申し上げていると思うのですが、日本国全体、これは当然北海道を含めて高齢化社会が着々と進行しているということなど、日本社会の環境変化の中で、現にそうだし、これからも想像に難くないこの多くの社会福祉関連のコスト、社会全体で負担をしなければならないコストの今後の展開というものを考えた場合に、この消費増税ということは、日本国あるいは日本国民として避けて通れない議論であるというふうに私自身も北海道の知事として考えているところでして、その意味では、野田総理は党内情勢等も大変厳しい中でよくぞご決断をされ、閣議決定を今朝されたわけでありますけれども、そこまで来られたというこのご努力というのは大変に評価させていただきたいと、このように思う次第です。
 閣議決定になりましたので、与党の枠組みがどうなるかとかそこは私はよく分かりませんけれども、今度は国会の場での議論ということになろうかと思うわけですが、その際には、野党の方々が言っておられる社会保障の一体的な改革の全体像が見えていないではないか、とりわけ公明党が言っておられるポイントかなと思いますが、そういったことに向けての徹底的な議論、そしてそういう過程でまた民主党から政権与党としての建設的なご提案もあれば、また議論が深まってくるかなと思いますけれども、私はやはり国会の場でこの消費増税の法案については、十分にご議論をしていただいた上で、できる限り早く、やはり成案を得ていただきたいと、このように思います。


(朝日新聞)
 先ほどの北電(北海道電力)の話に少し戻るのですけれども、昨日、川合新社長が就任をしました。これから再稼働という大きなテーマがあると思うのですけれども、新社長就任に対するご感想、あるいはその新社長に要望といいますか、原発の立地の自治体である道として求めることがあれば教えていただけますでしょうか。

(知事)
 昨日の取締役会で佐藤会長、川合社長が就任されるということが決まったということでして、いち早く昨日の午後、私のところにも新会長、新社長揃ってごあいさつにいらっしゃったのですが、アポなしでとりあえずまずは回るということで来られたので、私は直接お会いはできませんでした。
 川合新社長とは面識もあったように思います。北海道電力が社内のさまざまな議論の中で取締役会を経て社長を選任されたわけであり、北海道内唯一の電力供給事業者である北電ですので、これからしっかりと、もちろん原発問題も重要ですが、それを含めて電力の安定供給ということは北海道民の生活あるいは産業経済活動を維持していく上で不可欠ですので、そういったことについてしっかりと責任感を持って仕事を進めていただきたいと心からご期待を申し上げる次第です。
 これから道との関係におきましては、先ほども触れました電力の需給見通しの話であるとか、あるいは泊の原子力発電所の安全対策のさらなる充実の話であるとか、あるいは先般後志の市町村長の皆さんが来られた際にも申し上げたのですが、われわれ自治体同士のさまざまな議論に北電にも参加していただいて議論をさらに深めていきたいということであるとか、石狩にLNG発電所の建設ということも進めておられるなど、それからちょっとサイズが小さいですが、先ほどもご質問の出た奥尻町も、しっかり北電として今電力を安定供給していただいている、やはり再生可能エネルギーの議論なんかの時にも、あそこにおける北電の方との議論というのも不可欠ですし、ありとあらゆるところで電力供給事業者としての北電とわれわれ道あるいは道民あるいは道内の経済界、産業界の方々との接点というのは多々ありますので、われわれ道民の期待にお応えいただけるような電力供給事業者としてのご活動を心から期待したいと考えております。


(室蘭民報)
 新年度、4月1日に今度人事があるわけですけれども、新しい道の組織についてちょっとお伺いしたいのですが、先日閉会した道議会の議論の中でも、新たな組織についての話はいろいろ出ていたのですが、あらためて、その(平成)24年度の道の新組織についての知事の考えや思い、あと具体的にどういったところをどう変えていくのかなどというのを話せる範囲でお願いいたします。

(知事)
 年度替わりというのは、常に人の異動、そして組織の見直しが付き物でありますけれども、今回について大所で言えば、まずは食産業立国への動きを加速するという観点から、新たに部長相当職の食産業振興監を設けることとしまして、竹林地域振興監を充てて中心的に進めさせようと考えているところです。
 また、それに関連して、その部局の組織の充実というものも当然考えておりますし、またその関連で道経連(北海道経済連合会)を中心とする、新しい機構(一般社団法人北海道食産業総合振興機構)のほうにも人の派遣ということを考えているところです。
 また、被災地支援ということで、震災がれきの引き受け等の業務量も多々増えるであろうということで、こちらのほうの組織の充実も環境生活部のほうに考えているところでございますし、また、北海道エアシステムあるいは道内の空港の今後のあり方というものを検討する等のために建設部の中にもそれを担当する組織の局の充実ということもやっていかなければならない。こんなようなことを中心に、やはりこの来るべき平成24年度に向けての道庁内の組織について若干の見直しを行ったところです。
 今与えられている道に対するさまざまな課題を実現するための適材適所であり、また、それに見合うだけの組織作りということをしっかりやっていきたいと考えております。

 


 

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