知事定例記者会見記録(平成25年3月22日)

知事定例記者会見

・日時/平成25年3月22日(金)14:50~15:04  
・場所/記者会見室
 ・記者数/24名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 平成25年第1回定例会の閉会にあたって

記者からの質問

1 北海道生物の多様性の保全等に関する条例について
2 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について(1)
3 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について(2)
4 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について(3)

 

知事からの話題

 

平成25年第1回定例会の閉会にあたって

話題というわけでもないのですが、今日で第1回(北海道議会)定例会が閉会いたしました。今定例会の議論を振り返りますと、TPPに関するさまざまな問題。議会中に私も道議会の皆様方と共に緊急要請等も行ったわけでありますが、またHAC(北海道エアシステム)をめぐる問題、経済・雇用対策、エネルギー政策、行財政運営など道政上の重要な課題について、さまざまな議論があったかと思っております。そしてその上で、先ほど平成25年度の予算案についてもご承認をいただいたところです。このたびの議会議論をしっかりと踏まえながら、ご承認いただいた予算の執行、あるいは道議会で議論をいただいた行財政改革の方向性などさまざまな議論、庁内でも新体制の下、進めてまいりたい、このように思っております。
 私からは以上です。

記者からの質問

(北海道新聞)
 今日、生物多様性の条例が可決されたと思うのですけれども、知事が条例に期待するものですとか、そこに込めた思いみたいなものを教えていただければと思います。

(知事)
 予算と共にこの生物多様性条例(北海道生物の多様性の保全等に関する条例)も可決いただいたところであります。北海道はもともと知床に代表されるような自然が大変豊かな地域ということをわれわれも誇りとしているところでして、この北海道に生息する多様な野生生物あるいはそれをはぐくむ豊かな自然環境を保全して、そして将来に向けて持続可能な利用を図っていく、こういったことが目的の条例です。外来種、これは外国のものに限らず、北海道の外のものですので、例えば最近ちょっといろいろいわれているカブトムシなど、もともとはそう(外来種)ですよね。そういう北海道を基軸とした外来種の対策であるとか、あるいは希少種の対策などを盛り込んで、禁止措置や罰則なども規定をした総合的な条例としては全国で初めてとなるものです。ぜひこういった条例もしっかりと、4月施行を予定しておりますが、その後しっかりと施行しながら北海道の豊かな野生生物とそして豊かな自然を守っていきたいとこのように考えております。


(共同通信)
 TPPについてお伺いします。北海道としての影響試算というものを出したところですが、あらためて非常に大きな金額、大きな影響だと思うのですけれども、政府の影響試算とも見比べてですね、北海道の試算、どういうふうな印象を持たれたのかというのをお伺いしたいのと、もう1点合わせてなのですが、政府の試算ではプラスの影響、消費に与える影響ですとか、輸入増という影響もある、プラスの影響もあるという試算になっています。北海道については基本的に農業とその周辺産業に与える影響ということで、マイナスの影響という試算ですけれども、マイナスがおそらく北海道、集中するんだろうとは思うのですが、プラスの材料を見つけて、それも合わせて今後またお考えになるということはあるのでしょうか。

(知事)
 一つ目(の質問)ですが、予算特別委員会知事総括質疑の前日ですから、今週の月曜日(3月18日)に、15日金曜日の総理の(TPP協定交渉への参加)表明を踏まえて、緊急要請で、本当に緊急に時間を調整したので農水大臣のお時間しか頂けなかったのですが、要請をし、その際に近々、一両日中とあの時申し上げたと思うのですが、北海道への影響の試算値も公表いたしますということを申し上げたら、農水大臣も大変興味深く聞いておられた。その結果がその次の日(3月19日)に公表したものです。今回は国のベースに合わせて出させていただいたもので、数字についてあらためて言いませんけれども、やはり全国の農林水産業に与える影響以上に、北海道の農林水産業に与える影響は大きいということが明らかになりましたし、また加えて私どもは平成22年に試算をした時の考え方を踏襲いたしまして、関連産業への影響、また地域経済の影響等についても試算値をリバイスしたものを出させていただいた。これもそれぞれ大きな数字だというふうに認識をいたすところであります。ただ、農水大臣も月曜日に言っておられたし、その後の記者会見でも言っておられるようでありますが、そもそも関税ゼロにするということが前提の数字でありますので、マックスでこれくらいということを農水大臣はおっしゃりたいのだと思いますけれども、それが今後の交渉なり交渉の前ふりのさまざまな議論の中で少し状況が変わってくれば、それに沿った形での再試算というのは十分にあり得るのかなというふうにそのことも見守ってまいりたいと思いますし、またこれが現実のものになってくれば、もちろん交渉を政府がやるかは最後は国会の仕事で、条約を認めるかどうかという議論はあるのですが、そういった一連の過程の中で政府からの財政支援のような議論も当然出てくると思いますので、そういうことももろもろ出た段階で国の試算自体もまた変更もあるでしょうし、それがあればまた北海道でもということはあり得るかなと、このように今後のことは考えているところです。
 それからもう一つ、プラスの影響。これは当然、私もそのことは何とかならないかということは事務方とも議論をいたしたところであります。しかしながら、ご承知のとおり国が政府統一試算において使用されたとおっしゃるGTAP(ジータップ)モデルというのは、これは国のマクロフレームの、私ももちろん詳しいことはよく分からないのですが、経済レベルを分析対象としているものだそうでありまして、これを都道府県レベルに落とし込むというのは技術的に難しいというふうに伺っているところでして、私どもこの道のレベルでプラスの部分、今おっしゃった消費の部分をどうするのかだとか、一定の国のモデルの基本的な考え方というのを相当詳細にご教授を頂ければ、そういうことを踏まえて、ただ、それにそのベースとなる指標が、全国ではいろいろあると思うのですが、北海道に落とし込んだ場合に、あるものも、ないものもあるだろうし、あるとしてもサンプルが極端に少ないものを代入をして作った場合に、どれぐらい精度のあるものになるかどうかなど、さまざまな論点がありますが、私どもとしても、もしそういったプラスの影響というものも出すことができるのであれば、それは当然出していきたいという思いは常に持っております。ただ、今段階では技術的に難しいのではないかという認識を持っております。
 ただ一方で、先ほどこの記者会見の直前に、ちょっと担当と話をしたところ、TPPに賛成ということを明確に言っておられます愛知県は、どうも影響値というのを出しておられるというようなことも聞いておりまして、当然それはプラスの影響を出しておられると思うのですが、あそこは工業県でいらっしゃるので、そういった面のプラスの影響だけかもしれませんが、そういったことは大いに勉強しながら、われわれとしてもいろいろな知恵をめぐらしていかなければならない、そのように思っています。


(日本経済新聞)
 TPPに絡んでなんですけれども、今おっしゃった農業の今後、強化策、財政支援策、っていうのはですね、ひとつ大きな論点になるのかなと思うんですが、過去に貿易自由化をめぐっては、WTOのウルグアイラウンドの時に6兆円かけたけれども、あんまり農業の強化策につながらなかったというそういう経緯もありまして、今後今回のTPPを受けた農業強化策というのは、北海道としてどういった強化策を求めていくのか。ポイントだったりとかですね、そのあたり、少し先の話になるかもしれないんですけれども強化策が必要なのか、どのようにお考えでしょうか。

(知事)
 まだそこまで議論はいっていないと思うし、それからこれは農水大臣とお会いしたときも相互に理解をし合ったのですが、これはTPPとは関係なく、いずれにしろ北海道を含め日本国全体の食料自給率を高めて、食料安全保障を守っていくためには、日本国全体の農業の競争力というのを高めていかなければならないので、そのための政策は待ったなしであるということの議論があったわけです。その際に私から農水大臣に申し上げたのは、都府県の農業と合わせて全国平均という数字がよく使われますけれども、耕地面積あたり一つとっても北海道は(全国平均の)20倍ですし、高齢化が進んでいるというけれど、これは道議会でも議論がありましたように北海道は比較的若い。そんなにめちゃくちゃ若くはないのですけれども、比較的若い。それから専業性も圧倒的に違うなどですね、やはりそれぞれの地域ごとの農業の状況を踏まえた農業強化策ということを考えていかなければならないのではないかというようなことを申し上げたところでありまして、その意味では私どもの立場からすれば北海道の農業の現状を踏まえた上でのその強化策ということについて、われわれ自身の今までの知見を踏まえて、いろいろと内部で政策議論をさせているというのが現実です。
 一方で国のほうの産業競争力会議ってありますよね、甘利大臣の。そこで民間委員の方々が農業強化策ということで共同提案みたいのがあったのを報告を受けておりまして、ちょっと詳細は今忘れましたけれども、例えば規模はどんどん拡大したらいいとかね。これも全国の平均をベースにということだと思うのですが、どんどん拡大しても、今最も耕地面積が大きい北海道ですらアメリカの約9分の1で、オーストラリアの約140分の1でしたかね、ということで、どんどんといったって程度問題なんですよね。規模の拡大ということは当然北海道農業を考えた場合に目指していく方向性ではありますけれども、それだけではなくて加えていろいろなことをやっていかなければならない。そういったことは私どももやはりできる限り早く頭の整理をして、方向性を出していかなければならない、そのように思っております。


(北海道新聞)
 TPPについてお尋ねします。道が19日に影響試算出されたと思うのですが、農業生産額の減少ということで、約5,000億(円)の減少ということではじかれたと思うのですが、昨日の農政委員会でですね、品目の対象が少ないのではないかとかですね、あるいは関税率10%以下の品目が入っていないとか、生産額で10億円以下のものも入っていないというような意見も相次いで出ていました。知事、こういった今回試算を出されたわけですけれども、あらためて地域から積み上げるような形でですね、試算を見直すというようなことは、考えるお考えはございますでしょうか。

(知事)
 今段階での試算は国のものに合わせてやったものですので、比較できないようなものだとまたそれ自身が批判を受けますのでね、全国から。今後は、先ほどのご質問にもお答えしたような形でいろいろな状況の変化の下でいろいろなことというのは、ありうると思っております。 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理し、作成しています。

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