知事定例記者会見記録(平成26年8月21日)

知事定例記者会見

・日時/平成26年8月21日(木)15:30~15:57  
・場所/記者会見室
・記者数/21名(テレビカメラ2台)

会見項目 

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知事からの話題

1 北海道博物館について

記者からの質問

1 電気料金について(1)
2 電気料金について(2)
3 人口減少問題への対応について(1)
4 人口減少問題への対応について(2)
5 札幌市議会議員の発言について
6 シンガポール訪問について
7 北方領土問題について

知事からの話題

 

北海道博物館について

〔配付資料:2015春 北海道博物館オープン 〕
〔配付資料:巡回展 北海道開拓記念館から北海道博物館へ  〕
 それでは私から一件お話をいたします。北海道博物館についてであります。配付資料がいくつかあろうかと思いますけれども、来年の4月の開館を想定して、今、北海道開拓記念館とアイヌ民族文化研究センターを統合し、北海道博物館という形に整備することに鋭意、準備に取り組んでいるところでございます。
 これは北海道の歴史、文化を道内外に発信する拠点として位置付けようということでありまして、そのお披露目という意味で、昨年から道北あるいは道南エリアで順次場所をいくつかお借りする形で情報発信をし、展示の見どころなどをご紹介してきたところでありますが、この8月23日から来年の1月18日までの間、道東エリアで7つの市と町において同じような北海道博物館の予告展示会を開催させていただくというご紹介であります。なお、これまでは道北、道南で、今度は道東でありますけれども、道央の皆さま向けには今年度(4月11日から来年3月31日まで)、赤れんが庁舎で(北海道博物館)PR展をやっているところでございまして、こういったことを通じて広く北海道博物館の発信を、道民の方々に情報提供していきたいと考えているところであります。
 展示会では、北海道博物館を紹介するパネルの展示に併せまして、土偶作りなどのお子さまの体験講座、あるいは、アイヌ文化などに関する専門的な講座も開催いたしますので、マスコミの皆さま方にもPRをお願い申し上げたいと思っております。
 現在、開拓記念館におきましては、来年春の北海道博物館へのリニューアルに向けて5つのテーマからなる新たな展示室づくりのほか、魅力的な企画展の開催、それから、外国人観光客の方々を想定した(展示解説)パネルの多言語化などの準備をしているところでございます。また、そういったことに向けての北海道立総合博物館条例(仮称)というものも、現在、検討させていただいているところでございます。
 私からは以上であります。

記者からの質問

(北海道新聞)
 北電の電気料金の再値上げ申請に関することなんですが、今ほどですね、(電気料金の再値上げ申請に伴う)影響予測調査結果が配付されました。影響があると答えた企業が92.4パーセント、それから不採算部門の廃止と事業の縮小ということも検討しているという答えもあるなど、非常に深刻な状況が分かったわけですが、これを踏まえ、明日の経産省のですね、専門委員会(総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会電気料金審査専門小委員会)で知事が意見陳述されると思いますが、どのようなことをお述べになるのか、また道の対策として、その企業をどのような形で支援していくのか、そのお考えを聞かせてください。
 
(知事)
 今日の午後1時でしたか、担当(部局)のほうから今回の調査、これは前回1回目の値上げの際に、私どもが実施いたしました道内調査をより幅広くきめ細やかな情報を入手しようということでやらせていただいたものの中身について、皆さま方にも情報提供させていただいたところであります。
 私自身の明日の意見陳述につきましては、先ほど事務方からはレク(説明)を受けましたが、最終的には今日一晩、頭の中をもう一度整理してやっていきたいなと思いますので、なかなか今段階で申し上げるのは難しいところはあるのですけれども、まずはやはり道内への影響の深さ、経営への影響は9割以上の方々が感じておられるということを含めてですね、大変厳しい生のお声が出てきている、そういったことを明日、国の委員会の中でもご紹介申し上げながら、私どもとしての思いをしっかり伝えなければならないかなと。(北電に)徹底的な合理化をさらにやってもらう。聖域なきコスト削減というのは当然でありますが、ちょっとすみません、一晩時間を頂きたいと思います。
 それから、その後のことでありますが、どれくらい今回の北海道電力の(料金改定)申請率に対して査定が入るかということの見極めもあろうかとは思いますが、この前(7月31日の)こういった場(記者会見)でもどなたかからご質問があって、私どもとしても必要があればですね、対応策というものを考えていかなければならないのではないかと申し上げたと思いますが、それは今、経済部を中心に検討するように指示をしているところであります。個別の企業対策もありますし、地域経済対策としてどのようなことができるのか、関係部に検討させているところであります。まだちょっとご紹介申し上げる段階にはないかなと、このように思っております。 
  

(共同通信)
 今の質問(電気料金)の関連なんですけれども、率直にですね(電気料金の再値上げ申請に伴う影響予測)調査結果をご覧になっての知事のご感想を伺いたいと思います。思ったよりも深刻なのかどうなのかですね。
 
(知事)
 (東日本大震災後)2回目の値上げ申請は(北電が)初でありますので、その意味では全国的な注目度も高いと思うわけでありますが、先ほどの繰り返しではありますけれども、業種でちょっとでこぼこがあるようでありますが、9割以上の企業の方々が経営への影響を懸念しておられているということ、あるいは、せっかく企業誘致を一生懸命ここまでやってきてですね、かつて何十年か相当前の段階では、北海道というのは遠いよねと、さらに電力料金も高いからと、二の足を踏んでおられた道外企業も多かったわけですけれども、その後、北海道電力のご努力もあって、電気料金が今段階、1回目の値上げの後の実績としても、いろいろな契約のパターンがありますけれども平均すれば全国の中でも安い電気料金の状況にある中で、リスク分散とか、ビジネスコンティニュイティプラン(事業継続計画)とかいろいろな形で今、企業誘致も少し弾みがついている中で、実際そういった私どもからの誘致活動に応える形で進出をしていただいた企業の方々からの生の声として、このまま値上げということになるとその他の地域への事業展開も検討しなければならないのではないか、というような厳しいお声も出てきているというのは、私ども大変重く重く受け止めるところであります。
 何としてもですね、そういった方々に対する説得も必要でありますけれども、北海道電力におかれては、安定的で安い電力の供給ということに努めていただきたいと、このようにあらためて思っております。

 
(日本経済新聞)
 人口減少対策について伺いたいのですが、今日初めての有識者会議(第1回北海道の人口減少問題に関する有識者会議)がありました。今も行われている最中なんですけれども、この人口減少対策についてですね、これまで何度か会見でもお話をされていると思うのですけれども、現時点でのですね、人口減少対策への思いと今後の取組について伺えますでしょうか。
 
(知事)
 今日、私はどうしても日程が合わなくて(有識者会議に)出られなかったのですけれども、2回目以降は必ず出席させてほしいということを担当部長には強くお願いしておきました。小磯(修二)先生(北海道大学公共政策大学院特任教授)はじめ、石井(吉春)先生(北海道大学公共政策大学院教授)、それから(原田裕)恵庭市長など有識者の方々からの率直な意見というものを、私どもも大変期待しているところであります。
 いわゆる増田委員会ですか、日本創成会議(による人口推計)の提言の衝撃度。しかしながら(私も)増田(寛也)さんのお話を直接お伺いしましたけれども、危機感を持つことは重要だけれども、別に慌てて、何というか悲壮感を持つ必要はないんだと、今から準備をすれば間に合うんだというのもありましたので、国もいろいろと、「まち・ひと・しごと創生本部」も立ち上げられると聞いておりますので、そんな動きも見極めながらでありますが、われわれとして、道と市町村が連携をして、総力を挙げた北海道らしい人口減少対策というものを練り上げていくその一歩にこの有識者会議をしていきたいなと、このように思っております。年度末に向けて私どもとしてこういう方向でやっていくというのをですね、あらためて道民の方々に表明をしていかなければならないと、こんなふうに思っております。

 
(uhb)
 今の質問(人口減少問題)に関係するのですが、あまり軽々しいことは言えないのは十分分かってはいるのですが、知事としてですね、どこに問題がある、ここを解決すべきだという、何かお考えというのはありますか。 
 
(知事)
 私も女性でありまして、結婚して子育てもしてですね、フルタイムで働いてきたという自分自身の経験を踏まえて、個人としての今の思いを申し上げれば、やはり子育てのサポートを何とかしてほしいかなと。私どもの世代の時には、それは自己責任というふうに言われましてね、いろいろな育児休暇なども少しはあったけれども、ただやはり子どもを持つのは自分の責任だというような、私の属しておりました組織でもそういう風潮がありましたし、また、主人は主人でまったく協力的ではなかったので、これは私のマネジメントが悪いと言われたらそれまででありますが、大変苦労したわけでありまして、やはり社会を挙げて少子化対策をするのであれば育児支援というものをね、これは仕組みづくり、それから金銭面も含めてしっかりやるということが何より重要かなと思うわけであります。
 ただ、こういった点というのはそれぞれの地域が、財政が厳しい中で地方が競い合うというよりも、全国一律の制度としてぜひ国において考えていただきたい部分でありますが、ただやはり、東京型、都会型の子育て支援、少子化対策のありようと、北海道のような過疎地域におけるそれとは違いがあると思いますので、そういったところについて、今回の有識者懇談会の中での北海道の状況を熟知しておられるさまざまな立場の方々のご意見は傾聴に値すると思いますので、そういったことをお伺いして、われわれとして考え方を出していきたいと、こんなふうに思っております。 

 
(北海道新聞)
 知事、最初の北海道博物館のほうでもアイヌ文化の展示ということがございました。最近、札幌のですね、ある市議の方の発言で、アイヌ民族はもういないと、利権を行使しまくっているというような発言があってですね、話題になったというか物議を醸したところがございます。国のほうではアイヌ民族の文化振興に向けていろいろな施策を行っている中でこのような発言があったわけですけれども、この発言について知事のご認識はどのように思ってらっしゃるかお願いします。

(知事)
 金子(快之)さんとおっしゃるんでしょうか。自民党の方なので、お会いしたことがあるのかどうか、ちょっと顔と名前が一致するだけの認識は持っていないのでありますけれども、一言で言えば、大変残念であります。
 やはり(アイヌ民族は)日本国の先住民族であるわけでありますが、その多くの方が北海道に住んでおられる。現状もそうですね。もちろん、いわゆる和人との混血が進んでいるという事実はあるわけでありますが、それでもやはりアイヌとしての文化そして伝統、考え方、自然観、そういったことを大切に生きておられる方々もいっぱいいるという現実があるわけでありまして、だからこそ私どもも国に働き掛け、あるいは道内市町村とも連携をしながらさまざまなアイヌの方々に対する政策、大きく分ければ文化の維持発展という部分と、また生活、教育面のやはり格差というものも厳然とございますので、そういったことに対する支援という、その2つに分かれると思うのですが、そういう政策を国の支援を頂きながらきめ細やかにやろうとしておりますし、また、道なり道内市町村なり、アイヌの方々自身の熱心な思いを踏まえて、国においても、例の共生空間(民族共生の象徴となる空間)の2020年までの完成を含めてさまざまなことをやろうと、あるいは、実は官僚の方々は不熱心なところもあるのを中央の政治家の方々がリーダーシップを持って少しずつやろうという方向に持っていきつつある中で、地元北海道、それも道都札幌市の市議の方がこういう発言をされたというのは、それはご本人としての思いはおありになるのでしょうが、ここまでアイヌ政策を自分の重要政策の一つとして推進をしてきた高橋としては非常に残念であります。

 
(STV)
 先日、シンガポールの方に視察に赴かれまして、カジノも視察されたということでまずそのご感想をお伺いしたいということと、それから視察をされてですね、その北海道の複合リゾート構想について、どのような進展といったらあれですけれども、どのような点は取り入れられるとかこういう点は課題があるとかといった部分のご感想を伺えればと思います。
 
(知事)
 いつも私の海外出張は大変駆け足で、今回も実質1日半の駆け足でいろいろなところに行ってまいりました。有楽町とか、今度仙台市内にも開店する常設型(道産品のアンテナショップ)の(北海道)どさんこプラザのシンガポール版(カムイン北海道)というのも明治屋にやっていただいていてそこも行ってまいりましたし、ラーメン屋のカウンターもあったりして、暑いところだけれどもやはりシンガポールの人もラーメンが好きらしくて、そういうところも行きましたし、それから北海道物産展というのがシンガポールでも大人気であるということを向こうでご活躍の北海道ゆかりの方々との会合の場でもお伺いをしましたし、伊勢丹にも行って、伊勢丹もやはり物産展はいいよと、北海道の物産展はなかなかもうかるよという話もありましたし、それからシンガポール航空にも行って、季節定期便を確実にやっていくという話を頂いたりですね、大変駆け足だったけれどもいい出張だったわけでありまして、加えて今ご質問でございましたIR(統合型リゾート)についても大変駆け足でありましたけれども勉強になりました。今シンガポール政府は二つのIRを認可しておられるわけでありまして、そのうちの一つ、リゾート・ワールド・セントーサという、どちらかというとファミリー向けをコンセプトにしたIRのほうに行かせていただいて、そこの社長とも1時間くらい、この前札幌でお会いしてお話ししたのを加えると2時間くらいこれでお話ししたことになるわけでありますが、いろいろな意見交換もできましたし、いろいろアイディアを交換するとかですね、現場も拝見いたしましたし、こういう形でやるんだみたいな、そういう思いを持って、これを北海道に当てはめる場合にどういうことがあるかなということをわれわれとして考えていかなければならないという思いも強く持ちました。
 一方でCRAというシンガポール政府のカジノ規制機構というのですか、内務省の外庁みたいな位置付けのところの長官をはじめ幹部の方々ともお話をして、いろいろな規制のありようなり、社会問題、治安問題への対処をどういうふうにやるかなどの話もお伺いして、これも大変参考になったということであります。シンガポールはですね、人口的には北海道とだいたい一緒で面積的には札幌市よりも小さい、大変に超過密都市型の国家でありまして、歴代の政府トップ、首相が実質的に最も権限があるわけでありますが、その方針もあって、大変に国内の治安維持、あるいは街のクリーンさということにリーダーシップを持って対処しておられる国ですよね、ご承知のとおり。例えばわれわれの身近なことでいうと、チューイングガムというのは販売すら禁止ですから、ポイ捨てが街中でだめだということでわれわれも持ち込みもしませんでした。それからご承知のとおり、麻薬の密輸というのは死刑ですよね。そういう治安が厳しい国においてカジノというものを含むIRを解禁するということについては、相当の議論があり、結果としてそれに踏み切られたと。それが10年も経っていないのかな、そういう状況にあるというのは、私は事前にそれなりには理解していたのですけど、やはり現地に行っていろいろな関係者の人たちと話をしている中で実感を持ちました。こういったことは一つわれわれとしても勉強すべきではないかと。(駐シンガポール日本国)大使ともお話をしましたけれども、この夏の(日本の)国会議員の視察はIRの視察ですごかったそうで、もちろん推進派の人もいますし、反対派の人もいっぱい来てですね、それぞれ納得して帰っていかれたというようなことを聞きまして、日本国全体がそういう雰囲気になりつつあるというのもあるかなと思っていたわけであります。ですからシンガポールの成功しておられる経営者の方々のお話、そしてカジノの規制をしておられる方々のお話、また現地で大使の立場で日本人の動きなんかも踏まえて見ておられる方々のお話とかですね、それぞれ大変参考になったんですが、ただ戻ってきてから新聞をまとめて見てましたら、厚生労働省の研究班が調査をしたところ、日本人はギャンブル依存症ということについて結構他の外国民とは違う部分があるらしいという、そういう調査結果で、やはりこういう点も考えなくてはならないかなと。シンガポールというのは、国内では中華系(の国民)が8割、あとはインド系とかマレー系とかで、ただ海外からの観光客がたくさん来るインターナショナルな地域でありますが、日本国の場合には、日本人というわれわれ自身が、これは道民も含めてでありますが、ギャンブルに対してどういう意識を持っているのかというのは、北海道ばかりではなく日本自身が考えなくてはならないことかなと。まあいろいろな情報が一気に入ってきましたので、それを今どういうふうに情報を仕分けをしながらやっていくかというのは、まだ頭の整理はできておりませんが、ただやはり先ほど申しました北海道の観光なり食なり北海道人気が大変高いということと合わせて、日本国が、そして北海道も3つの市と連携をしながら誘致ということを検討しているIRについても、大変に勉強になった出張だったなと、そんなふうに振り返っております。


(北海道新聞)
 弊紙の世論調査で北方領土(問題の解決方法)に関連してですね、四島一括返還、知事がご主張されているものが最多の32パーセントではあるんですけれども、二島先行返還してですね、二島は協議継続とか、いわゆる一括(返還)にこだわらない方が半分で、という結果が出てですね、さらに釧路、根室(両管内)では二島先行という方が一番多いという結果が道新の世論調査では出ているんですけれども、知事も根室、釧路管内を歩かれてですね、そのような意識の変化というのは感じられるのかどうかですね。また、それを踏まえて、このような世論調査の結果が出ているんですけれども、知事の北方領土施策に対するお考えをあらためてお願いします。 
 
(知事)
 今回の御社の世論調査の結果というのは、道民の皆さま方の思いとして重く受け止めなければならないと思っております。それからご質問の中で触れられた根室、釧路(両管内)の皆さま方の意識の変化というのは、旧島民の方々は別ですが、私ももちろん感じておりまして、ただ、現にあの地域(根室、釧路両管内)で生活していらっしゃる方々は、そこで生計を立てておられる。そういった中で、やはり特に漁業の関係者などが中心だと思いますけれども、とにかく現実的に一歩でも早く、少しでも(北方領土)問題の解決に繋がればという思いを持っておられる方が多いというのは、私も個別にいろいろなお話をさせていただいたり、懇談会などの中でも感じているところであります。
 しかしながら、私、道知事の立場ではですね、今までとやはり基本的なスタンスを変えるつもりはございません。 
 


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