知事定例記者会見
・日時/平成27年10月27日(火) 13:45~14:06
・場所/記者会見室
・記者数/27名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 北海道新幹線開業に向けたイベントについて
記者からの質問
1 JR北海道に対する要請について
2 サハリン州訪問について
3 いじめ調査結果について
4 TPP問題への対応について
知事からの話題
北海道新幹線開業に向けたイベントについて
私からは北海道新幹線のイベントについてのご案内であります。
明後日(10月)29日木曜日、埼玉県にありますJR大宮駅におきまして、道商連(北海道商工会議所連合会)が主催する「北海道新幹線開業に向けた食・観光プロモーション」と題したイベントが開催され、私も出席をさせていただきます。
JR大宮駅というのは東北、北陸、上越各新幹線の交通の結節点であることに加えまして、埼玉・茨城・群馬・栃木の4県を合わせますと約1,400万人の人口を抱える北関東エリアの中心となる駅でもありまして、大変重要な駅であるということを認識いたしております。われわれはすぐ東京駅始発と考えてしまうのですが、大宮駅から乗られるという方も結構おられるところでありまして、例えば、太田前国土交通大臣のところには何度も要請に行っておりましたけれども、太田前大臣は「僕は大宮駅から乗る」と言っておられました。このように重要な大宮駅におけるイベントを開催しようというふうに考えているところでございます。大宮駅と新函館北斗駅の間は約3時間40分程度で結ばれるところでありまして、新幹線開業による利便性の向上により、交流人口が大幅に増えることが予想されます。
それから、この前(10月17日)の読売新聞社主催の北海道新幹線知事フォーラムの時に、埼玉県の上田知事が言っておられたのですが、埼玉県民というのは旅行好きであると、県外の観光地に行くと13人に1人は埼玉県民なのだそうでありまして、北海道新幹線への期待は相当高いというふうに言っておられました。
いずれにしろ、こういう形で大宮駅でイベントをやるわけでありますが、私も、それから道商連の高向会頭、それから道経連(北海道経済連合会)の大内会長、それからJR北海道の島田社長も参加されるということでありまして、こういう形で道外でも大々的なイベントをやるということで、ご取材方よろしくお願いいたします。
記者からの質問
(北海道新聞)
新幹線ではないのですが、JR北海道の関連で質問させていただきます。今日の午前中にですね、荒川副知事や超党派の道議の先生ら数人でですね、JR北海道本社で西野副社長に地域交通確保についての要請を行いました。また、北見市長らオホーツク管内の首長さんもこの後(午後)5時からですね、地方路線の便数維持を求める要請を行う予定です。知事、また道としてですね、JRの減便や地方路線の区間の廃止方針について、今後どのような対応を取るおつもりなのか聞かせてください。
(知事)
今日の午前中は、今おっしゃられたような形で、道議会から予特(予算特別委員会)で附帯意見をいただいたことも踏まえて、道議会の先生方とともに副知事が要請をさせていただきました。それ以外にもさまざまな形でJR北海道への要請というのはあろうかと思います。
日高線の議論、それから留萌線の留萌・増毛間の廃線、それから駅の機能の縮小など、JR北海道がさまざまな動きを見せているところでありますので、私どもは以前から道議会でも申し上げているところでありますが、住民の方々に対する丁寧なご説明、そして意思の疎通を図りながら慎重に進めていくということなどを、われわれも今までもずっと求めてきたところでありますので、そういったことに尽きるかなというふうに思う次第であります。これからも必要に応じ、そういった要請活動をやっていくということかと思っております。
(毎日新聞)
知事は先般、サハリン州に訪問されたと思うんですが、サハリン州を訪問されたご感想とですね、今後の経済の交流の見通しなどについてお聞かせ願えますでしょうか。
(知事)
今回、2泊ではありましたけれども、大変盛りだくさんでありました。
まず、HAC(北海道エアシステム)のチャーター便を活用したこと。丘珠空港発という意味では初の国際便であったということで、国際便ですから、通関、出入国、それから検疫、そういった関係の職員が、出発の時も到着の時も来ていただいておりまして、やはり国際便というのはこういうものなんだなということを実感いたしましたが、HAC自身も桑野社長が大変張り切っておられましたし、また、私はあまりにもうれしくて、客室乗務員の方、あるいは機長の方などにも、最後に手を振って「ありがとう」と言ってしまいましたけれども、皆さんそれぞれの持ち場で大変緊張感を持ち、丘珠空港としての国際便初フライトを、新生HACとしても初のものでありますので、これを成功させようという関係者の意欲というものをすごく感じまして、これがやはり大きな成果の一つかなというふうに思っております。
それから、二つ目は向こう(サハリン州)に参りまして、まずはやはり、新任のコジェミャコ・サハリン州知事との初会談ということであります。実は、前職はアムール州の知事をやっておられたので、私、東京あるいはモスクワで日ロの知事会議というものに出たことがありますので、その場で名刺交換くらいしたのかもしれませんが、そういう中で、サハリン州の新知事として初めて会談をしたと。バックグラウンドが水産系のビジネスに関与しておられた方でございますので、サハリン州と北海道との新たな交流分野ということにも、最初に水産分野ということを掲げておられました。また、農業であるとか、寒冷地技術であるとか、舗装などのインフラ整備の技術であるとか、空港関係の技術であるとか、さまざまな分野のことに言及しておられて、私としては、前任者が汚職ということで、大変残念な形で辞められて、まだ拘留中だそうでありますが、前任者と同様に大変実務的なスタンスで臨まれる方だなという印象を受けたところであります。しかしながら、どうも見てますと、知事が替わることによって、スタッフというか、副知事というか、副首相というか、そういう方々がほとんど入れ替わっていますので、今、来道されているデルノヴォイ副知事という方も、前職はモスクワ勤務だったと言っておられました。そういう業務の継続性みたいなものをどうやって図っていくかというのは、州政府内のいろいろな問題はあるでしょうけれども、いずれにしろ、新知事自身は大変ビジネスライクにしっかりと一つ一つ進めていきたいという方であるということが分かったということが二つ目です。
それから、三つ目は、岩倉建設(株)などが出資された、これは日本の資本だけではなくて、ロシアの資本も入っている企業が中心となって進められた「北海道センター」ビルが竣工したということであります。ここに総領事館も入られるらしいですし、道の事務所も入りますし、それから、「北海道ショールーム」というようなところも設けられますので、ここがこれからのサハリン州における日本企業あるいは日本の活動の一つの拠点になるでしょうし、こういうところができることによって、また、商談なども進む余地が大いに出てくるのかなというふうにも思ったところであります。
実は、岩倉建設が関与されるHODEGという企業は、もうすでに数年前にマンション建設をユジノサハリンスクで始められていて、これも決して赤字ではないと。少なくとも次の二つ目のビルを建設するということを計画するくらいの成果は挙がっているということでありましたので、今回のビルも、経済交流の大きな拠点として期待するものであります。
加えて、このセンタービルのエリアの中に、市民からの要望を踏まえて、全天候型のテニスコートと、子どもたちが遊べる遊戯エリアも整備されました。こういうことが市民交流にもつながるのかなというふうに期待をするところであります。
それから、シティモールという、数年前にユジノサハリンスクにオープンしたショッピングセンターで北海道フェアを開催いたしました。これまでも、私は参加出来ませんでしたが、道内の市町村が単発でやられるものなど、これまでもいろいろとやっております。私がこれまで参加したものも、前回は2年くらい前に開催しましたけれども、それも成功しましたし、単発で(旭川)市がやっておられるのも成功していると。今回もすぐに商品が売れてしまったというような状況で、単発で開催して成功しております。ただ、やはり単発だとその場限りということにもなりますので、向こうの市民の方々の嗜好(しこう)も、大体分かってきましたので、食べ物系、それからアパレル系、雑貨系、いろいろ分かってまいりましたので、そろそろ常設の、いわゆる「(北海道)どさんこプラザ」、シンガポールと同じように、そういったものの出店というものも視野に入れながら、今、そういう物件を探しているという状況であります。希望としては、シンガポールと同時期くらいの設置ということも検討したいのですが、お国柄もございますので、あまりいつまでにと決めずに、できる限り早く実現をしたいというふうに考えているところであります。大変盛りだくさんな出張だったなと考えております。
現地で道(サハリン)事務所も大変頑張っているのですが、(在ユジノサハリンスク総領事館・今村朗)総領事が大変前向きであります。外務省の方でありますけれども、私を空港に最後に送っていただいた時にも、「ちゃんとフォローアップします」と、言っておられましたので、いろいろと連携をしながら、これからしっかりと、さらなる経済交流、人的交流の拡大に結び付けていきたいと、こんなふうに思っております。
(STV)
今日、文部科学省のほうでですね、去年のいじめの認知件数の発表があったんですよ。全国的に見たらおよそ19万件ということで、去年より2,000件増えているということでして、今後いじめをですね、少しでも根絶するために、あらためて道としてどのように取り組んでいきたいか、そのお考えをお伺いしたいと思います。
(知事)
道内の数字(国公私立小・中・高・特別支援学校におけるいじめの認知件数)は微減というようなことではありますが、ただやはり、いじめはあってはならないことでありますので、1件でも少なくし、それをゼロに持っていくということをわれわれとしては、学校の現場、あるいは父兄の方々、社会全体と協力をしながら、しっかり取り組んでいかなければならない、そういう思いの中で、昨年、2014年の3月にいじめ防止条例(北海道いじめの防止等に関する条例)というものを制定をさせていただいたところでありまして、いじめの未然防止、それから不幸にしていじめがあったと思われるような場合には早期発見、そして早期解消、こういったことに鋭意取組を進めているところであります。
今後とも、私どもとしては、いじめのない社会を目指して、先ほど申しました、関係諸方面としっかりと連携を取りながら取り組んでいくことが何より大切であると、このように認識をいたしております。
(北海道新聞)
TPPです。現在、影響調査をまとめておられるかと思うのですが、現時点でですね、分かっていることがありましたら教えていただきたいということとですね、まとめはいつ頃ぐらいめどになりそうでしょうか。
それともう1点聞かせてください。先日ですね、ルール分野についての政府の発表もございましたが、消費者のほうからですね、食の安全、特に遺伝子組換え食品、GMへの影響はないのかという懸念も高まっておりまして、北海道はGM条例(北海道遺伝子組換え作物の栽培等による交雑等の防止に関する条例)を持っています観点からですね、こちらへの影響について、どのように捉えていらっしゃるかということをちょっと伺わせてください。
(知事)
分かりました。影響調査は、私がサハリンに行っている間、10月23日をめどに各部の調査を終えて、総合政策部のほうで取りまとめを進めている状況でありまして、今日が27日ですので、月内、今週いっぱいにはまとめるというスケジュール感であります。
ただ、これはこの前の記者会見(10月20日)の時にも言ったかもしれませんが、まだ道内における国の説明会というのが、これから予定されているところもあるという状況でもありますので、この月内めどの影響調査というのは、中間的な取りまとめというような位置付けにしようということにいたしているところでございます。
それで、その後、国の説明会はどこまで決まっていますか。
(政策局長)
道内では、10月28日は釧路、帯広、29日では北見などが、今のところ決まっています。
(知事)
その動向も見極めなければならないわけでありますが、私どもとしては、われわれの考え方や、影響がこういう状況、それを踏まえてこういった対応が必要であるということを、道議会でのご議論も十分に踏まえながら、国へ要請していくことが重要だと思っておりますので、できる限り早いタイミングで、そういった一つ一つの影響の取りまとめ、そしてそれを踏まえての政策の取りまとめ、そして政府への要請、そういうことをやっていかなければならない、そんなふうに考えているところでございます。
今回の影響調査は、前も申し上げたと思いますが、定量的というよりも定性的な取りまとめを想定いたしているところでありますが、影響額という金額面については、前から申し上げておりますとおり、さまざまな前提条件を置かなければなりませんし、また、国内だけではなくて、国際的な経済環境の変化、あるいは政治環境の変化なども踏まえて考えなくてはなりませんので、あまりに前提条件の置き方による幅が大きすぎるという思いはあるのではありますが、ただ、国も一定のまとめをするという情報もありますので、そういったことも見極めながら、われわれとしても前提条件の置き方などの研究になるかと思いますので、影響額という定量的な部分についても検討を進めなければならないという思いも持っております。
それからもう一つ、遺伝子組換え条例ですが、もう10年前でしょうか、当時の世論も踏まえ、また私ども独自の食の安全・安心をアピールする一つの考え方として、こういった条例を制定した経緯があるわけでありまして、そのことがこのTPPのルールの中でどうなるかということは、私ども自身の関心事としてあるところであります。関係省庁に問い合わせをしたところ、影響はないということを聞いているところでありますが、ただ、われわれとしても、最終的に今、その確認を行っているところであります。
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