知事定例記者会見記録(平成27年11月12日)

   

 

知事定例記者会見

・日時/平成27年11月12日(木) 16:15~16:41
・場所/議会知事室前
・記者数/20名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 職員給与の独自縮減について
2 地域公共交通検討会議について
3 「アイヌフォーラム北海道2015」について

記者からの質問

1 砂川警察署員の飲酒運転について
2 地域公共交通検討会議について
3 職員給与の独自縮減について
4 道立病院の経営形態見直しについて
5 道議会庁舎の改築整備について
6 「道民の日」について

知事からの話題

 

職員給与の独自縮減について

  私からは3点であります。
  今日、決算特別委員会知事総括質疑が終わりました。決算特別委員会でありますので昨年度の予算の執行などを中心に議論があったわけでありまして、病院事業会計あるいは行財政運営など、さまざまな議論がなされたところであります。
  その中で、3つの会派からご質問がございました道職員給与の独自縮減について、私からの思い、私の判断ということを答弁させていただきました。実際のところを言いますと、来年度、平成28年度予算につきましても、自然体でいけば収支不足を見込まざるを得ないという状況でありまして、こういった中で、職員給与の独自縮減措置をどうするかというのは、本当に熟慮してきたところであります。この職員給与の独自縮減措置は17年前、私の前の知事の時に、道財政が本当に危機的な状況の中でやむを得ず始めたものでありまして、さかのぼれば1990年代の累次にわたる道債発行額の増加によって、厳しい財政状況がさらに厳しくなってきまして、私が道政を引き継いだ後も残念ながらこの給与の独自縮減措置ということを続けざるを得なかったという状況でございました。そういった中で、職員の士気の低下という問題、あるいは優秀な人材を確保しようとしても、民間企業等に行ってしまう方も多くおられるというような状況の中で、優秀な人材の確保に悪影響が出てきているというような問題も、私のところに相当報告があって、悩みに悩んでいたところでございます。
  また加えて、先ほど答弁でも申しましたとおり、北海道の次の発展に向けて策定中の新たな総合計画、さらには北海道創生総合戦略を先日決定したばかりであります。こういったことの着実な推進を図るためにも、職員の持てる能力を最大限に発揮してもらい、モチベーションを高めるということもあろうかと思いますが、そういった思いから、道議会をはじめ、さまざまな方々からのご意見も踏まえて熟慮に次ぐ熟慮を重ねた結果、一般職員に係る給与の独自縮減措置については今年度で終了したいと、こう判断したところでございます。ちなみに、管理職員の方々に係る縮減の内容については、今鋭意検討中でございます。

地域公共交通検討会議について

[配付資料:地域公共交通検討会議について(PDF)
  それから二つ目は、地域公共交通検討会議の第1回目の会議の開催についてであります。経緯としては、今年の6月、私も委員を仰せつかっております、JR北海道再生推進会議の会合の場で私から提案をする形で、道内における交通ネットワークのあり方というものを検討する場を、道が中心となって進めようということを提案させていただき、委員の皆さんのご了解を得て、こういう会合の設置を決断をしたところであります。どういう形の会議にするかという議論を庁内でした結果、北海道運輸交通審議会の中に、地域公共交通検討会議というものを設置しまして、ここで議論するということにいたしたところでございます。
  もともとはそういう経緯でありますので、JR北海道のこのレポート(JR北海道再生のための提言書)からスタートしたわけでありますけれども、ただ、道内の交通ネットワークということを考えた場合には、鉄道ばかりの問題ではなく、航空機、あるいはバス、そういったことを含めて道路の整備など、相当テーマが幅広いわけでありまして、こういったことを、道内の有識者の方々に国の出先(機関)の方にも入っていただいて、議論を深めていただくということを考えているところでございます。
  人口減少をはじめとするさまざまな環境変化が著しい道内にあって、一方で海外からの直行便が増え、外国人観光客も増えていますし、今度、新千歳空港の24時間運用で、空港の周辺住民の方々のご理解も得て、(深夜早朝時間帯の発着枠が)拡充にもなりますし、良い面と厳しい面とさまざまあるわけであります。そういった環境変化の中で、これからの本道の交通ネットワーク全般についての議論をしていただきたいと、こんなふうに思っているところでございます。私の思いとしては、道外の先進事例、あるいは大変苦戦をしておられる事例とか、そういう事例についても勉強したいと思いますし、幅広く検討、議論を進めたいというふうに思っております。

「アイヌフォーラム北海道2015」について

[配付資料:アイヌフォーラム北海道2015(PDF)
  最後は、「アイヌフォーラム北海道2015」であります。15日日曜日に(札幌市)エルプラザで「アイヌフォーラム北海道2015」を開催をいたします。人形劇とか踊りとか歌とか、大変楽しいメニューでございます。ぜひ皆さま方に取材していただきたいと、このように思っております。
  私からは以上であります。

記者からの質問

(HBC)
 砂川で警察官が飲酒運転をしてですね、一家5人が死傷した街でもありますし、道とか砂川市でも飲酒(運転根絶)条例をこれから作ろうというさなかですね、取り締まる側が飲酒運転してしまったと、非常に大きな問題になっているんですけれども、知事の受け止めはどうでしょうか。
  
(知事)
 (今年6月)まさに大きな、悲惨な、ご一家全員が巻き込まれる大きな事故、飲酒運転による交通事故があった、その同じ砂川市で、その後、市議会議員の残念な事案もあったわけでありますけれども、よりによってそういった飲酒運転を取り締まる立場の警察官が飲酒運転をしたということは、大変遺憾であります。
  今、おっしゃられたとおり、砂川市は先のご一家が巻き込まれた事故を踏まえて、条例を制定して飲酒運転を根絶しようとしておられましたし、また、道議会におきましても、議員有志の方々でまず検討を始められて、今や全会派の方々の総意として、飲酒運転根絶条例(北海道飲酒運転の根絶に関する条例)を議員提案しようという動きになっている中でもございますので、特に残念であります。
  まさに昨日から、冬の交通安全運動を展開しているところでございますので、私どもといたしましては、道警察としっかり連携しながら、道民の方々に飲酒運転の防止を強く呼び掛けていきたいと、こんなふうに思っております。

(日本経済新聞)
 (地域公共)交通検討会議の関係なんですけれども、今後のスケジュールについてですね、どれくらいのペースで(会議を)開いて、いつ頃までに結論を出される予定なのかというのと、テーマとして非常に難しいところかと思うのですが、JR(北海道)の再生推進会議でも選択と集中といった視点が必要だという提言もありましたし、最終的にどの程度まで踏みこんだ議論を、知事の立場として期待されているか教えてください。
  
(知事)
 まず今後のスケジュールについて申し上げれば、先ほど申しましたような経緯でスタートしようとしている会議でございますので、例えば道の総合計画を検討するための審議会とか、それから知床世界自然遺産の条例を作るための検討会とか、そういったものとはちょっと性格が異なりますので、ここまでにこういう形でまとめるかということは、今、庁内でさまざまな検討を行っておりますが、今段階でスケジュール感をあまり持たないで議論をしようというふうにも思っているところでございます。
  ただ、そうはいっても、やはり有識者の方々のご議論をいただいた結果を、道の政策、あるいは国への要請、JR北海道への要請、航空会社への要請など、交通ネットワークを取り巻く関係者というのは多々おられますので、そういうアクションにつなげていくということからしますと、この会議で5年も10年もかけて検討するわけにはいきませんので、1回目の会議における皆さま方のご意向なども見極めながら、今後のスケジュールも固めていかなければならないと思いますし、もとより道議会でのご議論というものもあろうかと思います。ですから、スケジュール感については、今段階ではなかなか申し上げるのは難しいかなというふうに思っております。
  JR北海道からも、常務取締役がメンバーに入っておられます。先般、JR北海道で線区別の収支データの情報開示がありましたが、そういうこともあらためてご説明をされながら、JR北海道の経営が大変厳しいのだという問題提起をされて、今おっしゃられたような選択と集中ということをやらなければという話は、当然常務もされると思うのですが、ただ一方で、有識者の方々からは、JR北海道は民営化したといっても、鉄道・運輸機構(独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)が100パーセント株式を所有しておられる形の民間企業ということでありますので、公共交通機関としての役割というものもあるだろうというご意見も出るでしょうし、そういう意味では、本当にいろいろな意見、議論が出るかなというふうに思うわけであります。
  また、もとより、鉄道だけではなくて、バスとか航空機も含めた、そういったトータルとしての交通ネットワークをどう考えるかということを議論します。これは前から申し上げておりますけれども、この会議は、個別の路線の存廃を決める場では当然ありませんし、(どの程度まで踏みこんだ議論を行うかは、)今後の議論の行方にかかっているかなというふうに思っています。まだそこも含めて、予断を持っては私は考えておりません。

(北海道新聞)
 先ほど、独自縮減についても議会(決算特別委員会知事総括質疑)で答弁があり、さらにこちらの会見でも考え方をご説明していただけたと思います。一般職員については廃止されるというのはですね、優秀な人材を確保するというような観点から廃止というところに考えられたのかなと思うのですけれども、管理職については、先ほど、鋭意検討中というような話をしてくださいました。管理職をまだ検討中というふうにとどめられた理由について補足的にお話いただけますでしょうか。
  
(知事)
 まずやはり道財政は厳しい状況に変わりがないというのが大きな背景事情だと思います。そういう中で検討中であるということです。

(北海道新聞)
 同じ決算特別委員会の中で、道立病院について、地方公営企業法の全部適用を平成29年度からというように表明されました。あらためてその理由と狙い、そして新たに事業管理者が新設されるということになると思うんですが、どういった人材を充てたいかというお考えがあればお願いします。
  
(知事)
 一言で言えば、病院経営の自由度を高めるということ。ただでさえ病院経営を取り巻く環境が厳しく、ご承知のように道立病院が厳しい経営状況にあるという認識の中で、やはり一言で言えば、病院経営の自由度を高め、そういう自由度を高めた中での経営改革の実践を期待するということであります。
  もう少し具体的に言えば、病院事業として、道とは異なる形で、独自の手当を創設するなどの勤務条件の設定も可能になるわけでありますので、そのことによって、医師や看護師であるとか、それ以外も医療職の方々の確保策の強化にもつながるのではないかというふうに思うわけでありますし、柔軟な採用や配置、そういうことも可能になるでしょうし、そういうことを通じて、収益確保の充実につなげていければというふうに思っているところでございます。
  ただ、準備に時間がかかりますので、来年4月からということではなくて、1年半の準備期間を設けて、平成29年4月からの全部適用に向けて準備を進めていきたいというふうに思っております。
  それから、病院事業管理者については、まだイメージはありません。一つの考え方としては、医療分野に長けた方というのはあるのですが、一方でやはり経営者としてのマネジメントが必要でありますので、そこをどう両立させるかということは、私どもとしても、再来年度から全部適用に移行するということを決断した直後でありますので、なかなかそこまで議論は進んでおりませんが、これから他県の状況などもしっかり勉強しながら、私どもとして最適な病院事業管理者に就任していただけるように議論を深めていきたいと、そんなふうに思っております。

(北海道新聞)
 職員給与の関係で関連の質問2点お願いいたします。先ほども管理職の部分については検討するということで、知事のお考えは、財政再建も引き続き重要だと認識していらっしゃるのかなと思いますが、それに関連してですね、今、道議会庁舎の改築について、道議会のほうで協議が進められていますけれども、当初は100億円規模でというお話でしたが、9月の試算の段階では免震構造なんかも入れて111億円という試算が出てまいりました。これは東京五輪なんかでの影響による建築資材の高騰なんかは含まれてませんので、将来的に2018年度に着工しようというときには、またさらに高まる可能性があります。そういった中でですね、職員の方のお話なんかも聞いてますと、財政難の時に改築を進められてしまっては、また予算がきゅうきゅうとしてしまうのではという心配の声なんかも漏れ聞こえてくるところではありますが、以前(の記者会見で)テレビ局のほうで質問もあったと思いますが、あらためて知事のほうからですね、道議会庁舎の改築の予算規模だとか、設備だとか、あり方、そういったものについてのご見解をいただきたいというのが、まず1点。
  2点目はですね、道民の方からですね、結構弊社なんかにも、本当に必要があるのだろうかというような、改築に否定的な意見なんかも結構投書などで寄せられてきております。そういった中でですね、必要性だとか、議論の過程だとかですね、知りたいという方も道民のほうで多いと思いますので、道議会庁舎は道有施設になるわけですから、道としてですね、議論の過程ですとか、試算の根拠だとか、内訳だとか、あと改築の背景、意義だとか、そういったものを情報公開をしていくべきではないかというような声を議会の先生からもお聞きしたりもするのですけれども、情報公開という部分で、改築に関しての道としてのお考えをお聞かせください。
  
(知事)
 一つ目の道議会庁舎の改築の経費増をどう考えるかという質問ですが、道の予算規模というのは3兆円くらいあり、あらゆる事業をやっております。そのどれがどれより重要だ、重要ではないというのはあり得ないと。経済政策、農業政策、医療政策、福祉政策、それぞれがそれぞれの分野で道民の生活を、そして道民の生命を支える重要な政策になっておりますので、そういう意味で、どれを削ってどれを増やすという議論は、常にわれわれも苦労しながらやっているところであります。
  道議会は、まさに今申しました、道が企画、立案、実行する全ての政策についてご審議をいただいて、決定をしていただく場所であります。その意味では大変重要な機能を担っていただいておりますのが道議会でありまして、その道議会の庁舎が、一定以上の地震があった場合には大変危険度が高いということはご承知のとおりでありまして、その意味では、私は改築については、これは必要であるというふうに理解をいたしております。
  その経費につきましては、いろいろな建設事業も含めて、いろいろな事業を執行する場合には、事前に予定したものよりも事業費が増えることもあり得るわけでありますが、そこは工夫しながら執行するということではないかなというふうに思う次第であります。
  それから情報開示については、これは一般論として、別にこの議会庁舎の問題に限らず、一般論として私どもはしっかりとやっていかなければならないことだというふうに思っているところであります。 

(北海道新聞)
 道議会の全会派でですね、「道民の日」という記念日を条例で制定しようという動きが出てきています。それに対しての知事の考え方とですね、もし仮に制定するとしたら、知事はいつがいいとお考えでしょうか。

(知事)
 まず、後者の質問にはお答えできませんね。これはもう、まさにいろいろな議論を重ねた上で決定すべきことで、いろいろと案も出ているようでありますが、全て十分に検討が必要なことで、それぞれの案にはそれぞれ課題があるようでありますので、私がいつということを軽々に言うのはちょっと今は差し控えたいなと思います。
  「道民の日」の制定の動きについて、今、(道議会)全会派で検討会議準備会が発足したということは私も大変うれしく思っております。その結果がどのような形になるにせよ、やはり、道民のそれぞれの地域、それぞれの立場の方々の代表である道議会議員の皆さま方が総意として道民の意識を高めていこうと議論を深められるということは、道民の機運の盛り上がりのためには大変重要だと思うわけでありまして、私は大いに議論をしていただきたいと思いますし、そういった議論の中で私どもとして役割があれば、果たしていきたいというふうに思う次第であります。今のところ全会派の検討会議準備会の状況を大いに期待しながら見守っていきたいというふうに思っております。


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