知事定例記者会見(平成29年1月20日)

知事定例記者会見

・日時/平成29年1月20日(金) 14:30~14:58
・場所/記者会見室
・記者数/27名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 北海道150年ロゴマークについて
2 平成28年度の「北方領土の日」特別啓発期間の取り組みについて

記者からの質問

1 冬季アジア札幌大会における外国人の受け入れについて
2 トランプ氏の米国大統領就任とTPP協定について
3 空港民営化について
4 温泉利用施設の硫化水素対策について
5 エネルギーに関する道内主要企業調査について

知事からの話題

 

北海道150年ロゴマークについて

〔配付資料:北海道150年事業パンフレット(PDF)〕 
〔配付資料:北海道150年ロゴマーク最優秀賞受賞者について(PDF)〕 
〔配付資料:北海道150年ロゴマークについて(PDF)〕 
  私からは2点であります。
  一つ目は、「北海道150年ロゴマーク」についてであります。
  先週(1月12日)の記者会見でもお話をさせていただきましたとおり、北海道150年事業のキックオフとして、今週の月曜日(16日)から火曜日(17日)にかけまして、事業のキーパーソンである松浦武四郎生誕地の三重県松阪市などを訪問させていただきました。武四郎のロマンやチャレンジ精神、異文化共生の精神、そして次代の北海道を担っていく子どもたちのふるさとを思う気持ちを育てていくことなど、今後の事業の方向性について、実行委員会のメンバーの方々と情報を共有し、来年に向けてさまざまな事業を行っていくという方向性の確認もできたかなというふうに思っております。
  本日は、「北海道150年ロゴマーク」を決定いたしましたので、発表をさせていただきます。このロゴマークは、札幌市にお住まいの八重樫真史さんという男性の会社員の方の作品であります。昨年の9月末から公募をいたしまして、海外を含む道内外から、612件の応募がございました。審査会の厳正な審査、そしてインターネットによる道民投票を経て決定いたしたところでございます。
  北海道の形と、150年の「150」が直感的に伝わるシンプルなデザインで、分かりやすさと親しみやすさを感じたところであります。また、明るい多彩な色使いによって、北海道の未来が明るくなるような印象を受けたところでもあります。
  受賞者の八重樫さんのコメントにもありますが、この「150」を取り巻く周りの線の中には、よく見ていただきますと、大小さまざまな丸の模様があり、これは作者の思いとして、北海道の特色ある地域、あるいはたくさんの方々、そういったことを表現しているということでありまして、私もそういう目で拝見をいたしますと、なるほどなというふうに感心をいたしたところであります。
  今後、こちらにあるポスターやお手元に配付しておりますバッジ、あるいはボールペン、ティッシュなど事業の啓発物への表示など、さまざまな形で活用していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

平成28年度の「北方領土の日」特別啓発期間の取り組みについて

〔配付資料:平成28年度「北方領土の日」特別啓発期間の取り組みについて(PDF)
  二つ目は、平成28年度の「北方領土の日」特別啓発期間の取り組みについてであります。
  道では毎年2月7日の「北方領土の日」を中心とする1カ月間、具体的には1月21日から2月20日を特別啓発期間として、道内各地でさまざまな取り組みを実施しているところでございます。昨年末の日ロ首脳会談での合意後の政府における検討、あるいは日ロ間の協議の状況なども注視しながら、引き続き、粘り強く北方領土問題を訴えていかなければならないと考えているところでございます。
  明日1月21日には「高校生弁論大会」を開催いたします。それから2月4日には道内の中高生による「合唱コンサート」を開催いたします。2月6日から始まるさっぽろ雪まつりにおける「署名コーナー」、2月7日には「北方領土フェスティバル」の開催も予定しております。また、北海道博物館に「北方領土啓発展示コーナー」を開設し、北方領土問題の周知を図っていく考えであります。根室管内でも2月7日に「根室管内住民大会」を根室市で開催するとともに、「日ロ混住時代の記憶巡回展」を管内で実施する予定であります。
  こちらのほうに「北方領土の日」をPRする啓発ポスターがあります。この作品をはじめ、ポスターコンテスト入賞作品の展示を赤れんが庁舎など、道内各地で実施いたしますほか、全道でさまざまな啓発活動を予定しておりますので、皆さま方におかれましては、積極的なご取材、報道をよろしくお願いいたします。
  私からは以上であります。

記者からの質問

(朝日新聞)
  大手ホテルチェーンのアパグループのホテルの客室に南京事件について否定的な内容の書籍が置かれていて、中国側から批判を受けています。冬季アジア札幌大会は選手村の一つとして、札幌市南区のアパホテル&リゾートが使われるのですが、知事はこの件をどうご覧になっていますか。

(知事)
  日本においては、表現の自由が社会的、制度的に認められているところであります。南京事件についても、それをどういうふうに見て、表現するかということは、全く自由であります。
  そこは論をまたないわけでありますが、今回の冬季アジア札幌大会に当たり、あるいは観光立国北海道という立場からしますと、基本的にはそれぞれの国の方々に気持ちよくお泊りいただく、そして、気持ちよく北海道の観光をしていただく、また、冬季アジア札幌大会でいえば、アスリートとして参加される選手の方々もおられますし、関係の方々、あるいはこの大会を楽しむためにいらっしゃる方々もおられるかと思いますので、やはりいろいろと議論があるようなことについて、相手国の方々に不快な思いを持たれることはどうなのかなと、率直に思う次第です。
  私も現場を確認したわけではなく、報道を通じてそのような書籍が部屋に置いてあるということを承知しているところでありますが、アパホテルがどのような対応をされるのか、強制手段はないわけでありますので、今後の対応を見守って行きたいと、このように思っております。

(毎日新聞)
  道政ではなくて恐縮なのですが、アメリカでですね、今日にもトランプ氏が大統領に就任されるのですが、発言を巡っていろいろ物議を醸す方なんですけれども、就任を巡って知事の率直なご感想をお伺いできればと思います。

(知事)
  大統領に就任されるまでの間は、こういう形の双方向での記者会見というよりも、トランプ氏が思われたことをツイッターを通じて一方向で発信する機会が多く、その発言は一方向ですので、記者の方々からの「それはどういう意味か」というやりとりがない中で、あるいは誤解もあるのかもしれませんけれども、報道で知る限りにおいては、アメリカを第一に考え、保護主義的な思想が強いのかなということも言われておりますし、また、アメリカという多民族から成り立っている国家の中で、そういったことについても理解のない発言もあったというのがトランプ氏のこれまでのところだと思うのであります。以前会見があったときに気に入らないことを書いた記者は拒否されたみたいですが、大統領に就任されればいろいろな場での双方向の対話ということを避けて通れなくなると思いますので、今まで大統領に就任される前のトランプ氏の発言ということで報道されていたところの真偽が少しずつ明らかになってくるのかなと、期待を込めてそのように見ているところであります。
  日本との関係においては、やはり貿易を巡って保護主義的な発言が目立っているというふうに理解をするところでありますが、私はもしトランプ氏の考えが報道されているとおりだとすると、やや違和感があります。一国のみの利益の追求と一言で言いますが、そのことが保護主義ということを通じて完全に実現できるほど、現在の世界の情勢というのはグローバル化の度合いが進んでいないというようなことは全くなく、情報にいたっては、アメリカのどこか、あるいはアフリカのどこかで起こったことが、私ども日本国民もほぼ瞬時に情報共有できるような世の中であります。そういうグローバル化が進んでいる現状を考えた場合に、保護主義の貫徹ということで、本当にアメリカ国民の方々の利益の追求についてベストソリューションが得られるのかどうか、これはやはりビジネスマン出身でいらっしゃるトランプ氏でございますので、発言に対して他国の反応などもあるでしょうし、現実に大統領になられてから、いろいろとまた情報収集をしていただくなど、そのようなことについて注視していきたいと思っております。
  TPPにつきましては、国会でもいろいろなご議論がありましたが、ニュージーランドに次いで、参加国の中では2カ国目ということで承認手続きを終えたのが日本であります。そして、その過程で国の予算についても措置されているわけでありまして、私どもは北海道の農業という基幹産業をより成長産業化して、北海道の稼ぐ力を高めるための一大戦略分野として、国が措置した予算を最大限に活用しながら、TPP協定のいかんに関わらず、輸入品との代替あるいは海外に向けての売り込み、こういったことがしっかりとできるように北海道の農業が育っていくよう支援を続けていきたいというふうに思っているところであります。
  今週の火曜日(17日)、東京で「北海道食とワインの夕べ」を開催しましたが、そのときにうれしいニュースがありました。ワインの本場フランスで伝統あるワイナリーを経営しておられる方が、道南でフランスと同じような醸造用のブドウを栽培して、ワイナリーの経営をしていきたいというお話があるらしく、そのうち私どものほうにも正式に申し入れがあるのかなと思うのですが、いろいろな助成措置などについてもしっかりと紹介をしたいと思います。北海道という地域、あるいは北海道の農業の潜在力、あるいは競争力、魅力に引かれて、これからまたいろいろな話がどんどん出てくると思いますので、私どもとしてはグローバル化の世界の中で、北海道をしっかりと高めていく、そういう努力をこれからもしていきたいと思います。

(NHK)
  今週、菅官房長官と空港のいわゆる民営化に関して面会をされて、週明けには国交大臣とも面会をされます。加えて25日には旭川空港を対象にSPC(特別目的会社)に参画を希望される企業等を対象に国と合同で説明会が始まるかと思います。あらためて、知事として空港民営化で、北海道にどういったことを実現されようとしているのかという点と、もう一つはさまざまな手続きが本格化してくる1年になろうかと思うのですけれども、知事としてこの課題にどういうふうに取り組んでいこうというふうにお考えでしょうか。

(知事)
  今、ご質問の中で触れられましたとおり、今回の道内における7空港一括の民営化について、われわれ道の意見を昨年の暮れに取りまとめましたので、それを今週の水曜日(1月18日)、菅官房長官にご説明をいたしました。同じ日に国土交通大臣にもご説明をしようと考えていたのですが、日程が合わず、来週の月曜日(1月23日)の午前中、石井国土交通大臣にあらためてご説明に行く予定としているところでございます。
  内容はこれまでもお話ししたとおりでありますが、国管理、道管理、市管理と管理主体が違う、それも七つという数の空港の民間委託をまとめて行おうとする、全国にも前例がない大変野心的な試みでありまして、その七つの空港以外にも道内には六つの空港がございますが、私どもは昨年末までの議論の中で、7空港だけではなくて13空港全体の道内航空ネットワークの充実ということについても、このSPCを希望する事業者の候補の方々には絵を描いてご提案をいただきたいと考えており、広大な北海道の広域観光あるいは物流、道産食品の輸出促進ということも今回目標に加えたわけでありますけれども、そういったことに貢献する民営化を期していきたいという思いであります。
  今回の道意見の中には四つの定量目標を設定いたしましたが、インバウンドの目標を前提とした日本人も含めた年間の乗降客数、それから輸出につきましても、道産食品輸出1,500億円という目標を踏まえた上での貨物取扱量の定量目標、こういった野心的な目標を掲げたところであります。そして私どもは、七つの点在する空港の一括民間委託を進めるために、契約は形式的に4本にならざるを得ないのでありますが、1月25日からの説明会、視察会等のお話もございましたが、そういったことも含めて、いろいろな手続きをこの7空港を一括で進めていただきたいということを、菅官房長官にご説明をしたところであります。
  それから、地域全体のバランスある発展を目指し、ともすれば新千歳空港一極集中になってしまうところを、道内空港そして道内地域のバランスある発展を期していく、インバウンドもさらにかさ上げしていくという観点からは、北海道にはそれぞれいろいろな地域の特徴がありますので、その地域の意向が的確に反映されるような運営権者の選定のプロセス、こういったことも要請項目の主なところであります。それから、当然のことでありますが、競争はフェアにやるべきという競争環境の確保であるとか、また、そういう手続きを経て選ばれたSPCが実際に運営をされるわけでありますが、その契約期間は、30年、50年、大変長い期間でありますので、その間、私ども地域の意向に沿う形での運営ということがきちんと担保されるような、運営権者と地元経済界や自治体等との連携、協調が確保される仕組みづくりといったこと、モニタリングというものを例示で入れておりますが、そういうことがしっかりと制度設計されるように道意見の中に入れさせていただいたところであります。
  菅官房長官には、火曜日(1月17日)の夜にございました「北海道食とワインの夕べ」にもご出席を賜りまして、北海道の潜在力はすごいから(来道外国人数)500万人と言わずもっとじゃないかなどといったお話や、また、自分の立場でしっかりとサポートしていくというお話をいただいたことは大変心強いと思ったところであります。来週月曜日に所管の大臣でいらっしゃる石井国土交通大臣にもきちんとご説明を申し上げ、ご理解をいただきたいというふうに考えております。

(北海道新聞)
  環境省がこのほど、硫化水素濃度が国の基準を超えていたのは、全国33カ所の浴槽で、超過した値は北海道の7カ所を除く4県市で、20から50ppmの範囲だったと明らかにしました。環境省は、20から50ppmでは通常の入浴で健康被害が出るレベルではないと答えています。道だけが超過濃度の値は明らかにしていないわけですが、そのせいか弊社には、道民から情報公開を求める声が寄せられています。道民の不安を払拭するためにも健康被害が出るレベルではないのかを明らかにするべきだと思いますが、なぜ国の調査にも非公表としたのでしょうか。
  そして、環境省が公表したように、超過したのは他県と同様の20から50ppmという範囲に留まっているのかだけでも答えるべきだと思いますがいかがでしょうか。

(知事)
  一つ目は、既にこの場でご議論がございましたので繰り返しませんが、一言だけ申し上げれば、公表については、制度上、国に対して報告義務があるのであれば、それは当然しなければならないわけでありますが、今回はそこに裁量の幅がある中で、事業者や地元に確認したところ,非公表を求められているということでありましたので、国に対してもそのような対応とさせていただきました。
  二つ目についてはどうですか。

(保健福祉部保険衛生担当局長)
  測定値(の範囲)についても、同じ理由です。

(北海道新聞)
  知事がおっしゃった事業者の確認が取れないということでしょうか。

(知事)
  はい。

(北海道新聞)
  原発についてなんですが、エネルギー政策について北海道新聞が主要企業を対象に行ったアンケートで、7割が将来的な期待も含めて北海道電力に原発依存の転換を求める考えであることがわかりました。
  北海道も原子力を過渡的エネルギーに位置づける、(北海道)省エネルギー・新エネルギー促進条例もある中で、知事として今回のアンケートへの受け止めとご感想を伺えればと思います。

(知事)
  新聞記事で拝見しましたが、自然エネルギーへの期待ということも載っておりましたし、また、一方で経営者の方々を対象とした調査でしたので、電気料金値上げへの懸念ということも載っていて、参考として拝見させていただいたところであります。
  今、ご質問の中でも触れられましたとおり、平成12年に制定した北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例におきまして、「私たちは、積雪寒冷な北海道においてエネルギーが社会経済の健全な発展と生活の安定のために不可欠な要素であることを深く認識し、脱原発の視点に立って、限りある資源を可能な限り将来に引き継ぐとともに、北海道内で自立的に確保できる新しいエネルギーの利用を拡大する責務を有している。」とありますので、私どもも道議会でもいろいろな議論をさせていただいておりますが、新エネルギーを主たる電源とするということに向けて、しっかり取り組みを進めているところであります。

 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなど整理し、作成しています。

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