知事定例記者会見(平成29年4月20日)

知事定例記者会見

・日時/平成29年4月20日(木) 15:30~15:59
・場所/記者会見室
・記者数/29名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 看板落下事故の防止について
2 有毒植物による食中毒予防とヒグマ事故防止について

 

記者からの質問

1 衆議院選挙区の区割り改定案の勧告について
2 原子力発電所について
3 4期目の折り返しを迎えて(1)
4 4期目の折り返しを迎えて(2)
5 平成29年4月17日からの低気圧による農業被害について
6 岸田外務大臣の来道について

知事からの話題

 

看板落下事故の防止について

 私から2点であります。
  一つ目は、看板落下事故の防止に向けての取り組みであります。ご承知のとおり、屋外の広告物いわゆる看板につきまして、強風などの影響もあって、先週の4月10日以降、帯広市と函館市で相次いで落下事故が発生いたしました。函館市の事案では来店をされた方が軽傷を負う事故となったと報告も受けているところでございます。           
 看板など屋外広告物の落下は、重大な事故になる恐れがあるということに鑑みまして、道の屋外広告物条例では、公衆に対して危害を及ぼす恐れのある広告物の表示、設置をしてはならないとして、補修その他の必要な管理を行い、良好な状態に保持することを義務付けているところであります。
  今回の事故を踏まえ、先日(4月12日)、広告主などに対して、緊急に広告物の安全点検の実施を求める通知を出したところであります。皆さま方にもこの点についての周知をあらためてお願い申し上げたいと思う次第であります。
  それから、一昨年から、毎年北海道屋外広告業団体連合会、北広連(ほっこうれん)と言いますが、ここと官民連携で9月に安全対策パトロールを行っておりますが、全道14振興局でこのパトロールを緊急に前倒しをして行おうということで、まずは来週、石狩振興局管内の江別市において実施したいというふうに考えているところであります。その後、順次、各振興局でも5月いっぱいまでに実施をしてまいりたいと、そして道民の皆さま方、広告主の方々に対する啓発ということもやっていきたいと考えているところでございます。
  さらには、屋外広告物の点検につきまして、点検項目と処理方法などについて(北海道屋外広告物管理)指針の中で点検内容を具体的に明記しており、そのうち道に報告をいただくものの項目が限定されておりますので、その点検の報告項目をさらに充実するということもこれから検討してまいりたいと考えているところであります。
  話が前後しますが、3年に一度の許可の更新時に点検結果の報告をいただくことになっているのですが、指針上は毎年点検をお願いすることになっておりまして、その周知も先日行っているところであります。
  いずれにいたしましても、道といたしましては、相次ぐ看板の落下を踏まえて、関係の皆さま方のご意見もいただきながら、さまざまな検討を行い、安全・安心が確保されるようしっかりと対応してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 

有毒植物による食中毒予防とヒグマ事故防止について

〔配付資料:有毒植物による食中毒に注意しましょう!!(PDF)
〔配付資料:春の山菜展チラシ(PDF) 〕
〔配付資料:ヒグマによる人身被害の発生状況(PDF) 〕   
 2点目は有毒植物による食中毒などについてであります。配布しております「毒草ハンドブック」ですが、毎年この時期にこの話題を申し上げるのですが、春を迎えまして、多くの道民の皆さま方が自然に親しみながら、山菜採りなどを楽しまれる季節となったところであります。一方、山菜の中には、外見だけでは食用と有毒なものとの区別がつきにくいものも多く、毎年のように食中毒事故が発生しております。
  道民の皆さまにおかれては、食べられるか判断のつかない場合は、「採らない」、「食べない」、「人にあげない」の三つに注意をしていただくとともに、万が一、山菜を召し上がって異常を感じられたときには、速やかに医師の診察を受けていただきたいと、このように思う次第であります。
  なお、道では、山菜と間違えやすい有毒植物について、道のホームページでの掲載、あるいはこの「毒草ハンドブック」を保健所などで配布しているところでございますので、ご参考にしていただければと思います。
  また、5月12日(金)、13日(土)の両日、道立衛生研究所の薬用植物園において、実際の植物やパネルを展示して、専門家の方に解説をしていただく「春の山菜展」を開催いたします。
  この有毒植物についての注意喚起に加えて、もう一つは山菜取りなどで野山に入る機会が増えるこの時期は、ヒグマとの遭遇ということがニュースになるところでもございます。 道では、4月1日(土)から5月31日(水)までを本年度の「春のヒグマ注意特別期間」と定めて、道民の皆さまに注意喚起を申し上げているところでございます。こうした中、4月16日に、釧路管内の標茶町で男性の方がヒグマに襲われて負傷されるという事案が発生したところであります。
  野山ではクマに遭遇する恐れがあることをぜひお忘れにならないようにしていただき、ヒグマに出遭わないために音を出しながら歩く、食べ物やごみは必ず持ち帰るなど、基本的なルールについて守っていただきたいと思います。
  私からは以上であります。

記者からの質問

(毎日新聞)
  昨日(19日)、いわゆる区割り審(衆議院議員選挙区画定審議会)が衆議院選の選挙区についての勧告をしまして、道内では、一区、二区、四区、六区、十区、十二区の6小選挙区についての区割りの変更が勧告されましたけれども、それについての受け止めをまずいただきたいのと、札幌市の西区と北区については、区の単位で選挙区を構成するのではなくて、区を分割する形で2選挙区に分かれたということで、有権者の混乱なども予想されますけれども、それに対してどう対応されていくのかお尋ねしたいと思います。

(知事)
  区割り審から総理に対する勧告が昨日行われたという報告を受けたところでありまして、この審議会の勧告を踏まえて、政府として、今開催されている通常国会に公選法(公職選挙法)の改正案を提出し、議決を求めていくという状況にあると理解しているところであります。
  中身につきまして、まず評価するところから申し上げれば、幌加内町と幌延町の扱い、これがわれわれの振興局の行政区域と違っていたわけでありまして、これは町民の方々や地域の方々のいろいろな議論を踏まえて、それぞれ上川総合振興局、宗谷総合振興局への編入ということを決めたわけでありますが、振興局の設置に関する条例が成立した後、国に対して、住民の意識も振興局単位で物事を考えているので、ぜひ、区割りを見直してほしいということを継続して申し上げてきたところでありまして、若干遅いくらいではありますが、このように区割り審からの勧告という形で公選法の改正案に反映される状況になったことについては、一定の評価をしたいというふうに思う次第であります。
  一方、札幌市では西区と北区について、行政区である一つの区を割る形で選挙区の一区、二区、四区の区割りがなされたということについて、一票の較差の是正は憲法の下で大変重要であるという認識は十分に持ちますので、致し方ないことかなというふうに思う一方、国から私どもに意見を求められ、昨年の11月に知事名で、札幌市にあっては区を分割しないことという意見を提出した経緯もございますので、こういった形での決着について、趣旨は理解するものの若干残念であるというふうに思っているところでございます。こうなりましたら、公選法が改正された後のことになろうかと思いますが、住民の方々に、札幌市を通じてということになると思うのですが、しっかりと周知を図るということが重要かなというふうに思っております。

(北海道新聞)
  原発のことで二つ教えてください。
  泊原発が運転を停止してから間もなく5年がたちますが、少なくとも北電は再稼働を目指して申請をしていますが、一方で見通しが全く立っていません。道庁は半径30キロ圏の住民避難計画をまとめて、冬季訓練などを重ねています。この5年間をどう受け止めるかということが1点と、もう1点は、1週間ほど前の弊社の記事なのですが、世論調査で再稼働に向けて同意するかを表明する地元の範囲について、45パーセントが知事が示すべきだと答えて、国が示すべきだいう回答を上回りました。知事はこれまで範囲は国が示すべきだと話していらっしゃいましたが、あらためてどうお考えになるかお聞かせください。

(知事)
  運転停止から5年、もうそれだけたちますかね。原子力規制委員会の審査が粛々と進んでおりますので、それに北電が真摯(しんし)に対応していくことを含めて、見守っていくという状況かなというふうに思っております。長いからどうかとか短いからどうかというよりも、むしろ原子力規制委員会の厳正なる審査ということが何より重要ではないかと、このように思う次第であります。
  それから、地元の範囲についての御社の世論調査、これも選択肢の中での選択だと思いますので、そういうことかなというふうに受け止めるわけでありますが、いつも申し上げておりますとおり、私はいろいろな方面のさまざまなご意見を十分に参考にさせていただきながら行政を進めてまいりたいと思っておりますので、そういう意味で御社のこうした報道についても参考にさせていただきたいというふうに思っております。
  ただ、繰り返しになりますが、原子力規制委員会の審査の途上でありますし、私として、これまで発言していることを変えるつもりは一切ございません。

(北海道新聞)
  知事は、23日で4期目の折り返しを迎えられます。在任丸14年になるわけですけれども、ご感想があればお願いしたいということと、残り2年で取り組むべき重点的な課題というのは何でしょうか。
  
(知事)
  とにかく日々自分に与えられた課題、それからこれはいつも申し上げていることですけれども、中長期的な視点に立って北海道のために必要だと思う政策課題への対応などに全力を傾けて一生懸命やってきている、その積み重ねが14年間続いたということかなというふうに思っております。これからも引き続き、今までと同じような対応を続けてまいりたいと、これに尽きるというふうに思っております。
  それと後半の課題ですが、4回の選挙で道民の皆さまの信任を得たわけでありますが、その選挙に先立って、4年間何をやっていくべきかということでお示しをした公約につきましては、どのように進めていくかという方法は決まっておりまして、1期目の時にはいろいろ議論したところではありますけれども、道庁に入ってから、幹部職員と議論をして公約実現のための工程を作りながら、どういうふうにアクションとして形にしていくかということを積み重ねてまいりました。
  4期目の公約につきましても、そういう形でできるところから少しずつ進めているところでございます。公約の達成に加えて、いろいろな課題が生じてくることは多々あるところでございまして、今で言えばJR北海道の事業範囲の見直しへの対応ということもそういうことだと思うわけでありますし、また、昨年の大雨災害や鳥インフルエンザの対応であるとか、この北海道は広大であるが故に、他の地域が抱えるさまざまな難題がフルセットでくるなあという実感をここ10年以上ずっと思ってきたわけであります。そういったことに一つ一つ対応していくことかなというふうに思う次第であります。
  そういう中で、今までの14年との違いを一つだけ申し上げれば、来年は北海道命名150年という、これはその前に祝ったのが50年前でありますので、私にとっても初めての体験でございます。このことに向けて今、担当副知事、担当部長を中心に総力を挙げて、まず資金も必要ですので、道の予算も手当ていたしますが、民間からの資金を集めること、あるいはどういうイベント、どういう事業をやるかというアイデアの募集など、さまざまなことを行っていますので、このことはしっかりとした形のあるものにしていくことができればというふうに思っております。
  昨年のような災害が今年は起こらないことを祈っておりますが、今年一年終わって、12月の段階で私がどういう思いでここに座るかということは、今の段階ではなかなか予測できないかなと思っております。
  とにかく日々全力投球ということを続けてまいりたいと考えております。

(北海道新聞)
  あと残り任期2年なわけですけれども、若干気が早い質問かもしれませんが、いま道政史上初の4期目を担われていますけれども、5選出馬に関するお考えというのは現時点どのように捉えられているでしょうか。
  
(知事)
  全く考えておりません。日々全力投球であります。

(北海道新聞)
  全く考えていないというのは、5選に出るか出ないかということを考えていないということですか。

(知事)
  はい、そういうことです。

(北海道新聞)
  こういうことをやったらやり切ったと思えるようなですね、そういうことって何かありますか。

(知事)
  この北海道の場合には、ないんじゃないでしょうか。自分自身の発案として、やろうとする公約については、今、工程管理もして、一歩一歩実現をしてきているところでありますが、それ以外のさまざまな課題が生じてきますので、そういうことへの対応も含めて、何をやり切ったらこの北海道の課題は全て終わるかということは、多分これは、どなたもそう思うことはあり得ないんじゃないかと思います。

(HTB)
  先ほど、災害のお話も出ましたけれども、一昨日、低気圧の影響で全道的に大荒れのお天気となりまして、特に強風で各地でビニールハウスが壊れるなどの被害が出ましたけれども、全道の農作物の被害がどのくらいの規模なのか、そして、その対応についてお聞かせ願えますでしょうか。

(知事)
  今週の自然災害、特に風の被害が大きかったというふうに思っております。重傷の方、軽傷の方など人的な被害も出ております。まず被害に遭われた方へ心からお見舞いを申し上げたいと思う次第であります。
  そして、ご質問の農業被害、今、春先のいろいろな意味で大変重要な時期に風などの影響によって、ビニールハウスなどの中で苗を一生懸命育てていたような場合も含めて、今、被害状況の報告を受けているところであります。
  現時点では、全道10振興局ぐらいに及ぶ大変な被害でございまして、その被害の詳細について、農政部から各振興局を通じて詳細の把握に努めているところでございます。
  しかしながら、私も先ほど中間的な報告を受けたところによりますと、後志あるいは上川の辺りが相当被害があると聞いているところでありまして、先ほど町村会の総会に出席した時に後志の町村会長である共和町長が近くにいらっしゃったのでお話をしましたら、相当被害を受けているということをおっしゃっていました。農政部からの報告によれば、後志の中では共和町あるいは蘭越町辺りが特に被害が大きく、上川では旭川市、富良野市をはじめ、広範囲に被害が広がっているということで、私どもとして、詳細の把握ということが何より重要だと思っております。
  また、こういう気象予報が出ておりましたので、事前に農業改良普及センターからそれぞれの農家の方々に注意喚起ということをさせていただいておりまして、可能な対応は行われていたのかなというふうに思うわけでありますが、本日、あらためて現地に専門技術を有する幹部職員を派遣して、ご相談に応じたり、アドバイスもさせていただいているところであります。
  今申し上げました詳細把握の結果を踏まえて、さらに私どもとしてやることをやっていかなければならないと思うわけでありますが、資金対応につきましては、共済でカバーできる部分はあります。農家の方が共済に入っていれば、ビニールハウスそのものの損壊は対象になると思います。作物については、全てが対象になるわけではないようですが、詳細は農政部に後から聞いていただければと思いますが、この共済の適用を迅速に行うと同時に、加えて低利制度資金融資、こういったことのあっせん、仲介などにより、今年の作付けを含めて、農家の方々が安心して営農に従事していただけるような対策を農業協同組合、それから関係市町村などとも連携をして、しっかりと対応してまいりたいというふうに思っております。被害の状況は、今日の夕方にまとまったところで、皆さま方にご報告をさせていただきたいと思っております。

(HTB)
  話題はまた変わるのですけれども、もう1点よろしいでしょうか。今度の日曜日(23日)に岸田外務大臣が北大のほうに来られて、知事と共にシンポジウムに参加されるというふうに聞いておりますけれども、日ロ首脳会談も来週に控えていますけれども、岸田大臣とどのようなことをお話される予定でしょうか。

(知事)
  シンポジウムでは私もパネリストになりますが、まだ勉強していませんので、当日まで勉強して発言をしますので取材をしていただければと思います。
  ただ、その前後に日程調整ができれば、個別に大臣と面談の時間を設けていただいて、昨年12月の日ロ首脳会談を踏まえて、四島における共同経済活動の協議が事務レベルで3月の中頃くらいからスタートしておりますし、北方領土への墓参の改善ということについても昨年の12月に首脳間で合意しましたが、この関係で、私は3月に東京で要請活動を行ったのですが、外務大臣とはその時日程が取れなくて、共同経済活動関連協議会の座長代理でいらっしゃる世耕経済産業大臣に面会をして、申し入れをさせていただいた経緯がございます。共同経済活動については、既に3月から事務レベルでいろいろな協議が進んでいるという報告は受けているところでありますが、あらためて、地元1市4町などの要請事項も含めた、私どもとしての共同経済活動に係る提案というか、考え方というものをご説明をさせていただければということを考えております。
  もう一つは、やはり北海道はロシアと隣接する北方領土問題を抱える唯一の地域でございますので、ロシア全体との交流の拡大ということも一生懸命やろうとしております。サハリン州や沿海地方などロシア極東地域との交流に加えて、今年度から、これは予算の発表の際にもご説明をいたしましたが、西の方の欧露部、ヨーロッパ・ロシアとも仲良くさせていただきたいということを始めようと思っておりますので、そういう関係でも外務省のご理解、ご協力をいただき、そのようなお話もさせていただければということで、私の思いはだいたい固まっているところであります。ぜひご取材方よろしくお願いします。

 


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