知事定例記者会見(平成29年5月16日)

知事定例記者会見

・日時/平成29年5月16日(火) 15:30~16:02
・場所/記者会見室
・記者数/18名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 陸上自衛隊機の行方不明事案について
2 「第68回結核予防全国大会」に伴う秋篠宮妃殿下のお成りについて
3 ニュージーランド首相の来道について
4 自動車税の納期内納税について

記者からの質問

1 救急医療体制について
2 東京オリンピック・パラリンピックに係る費用負担について
3 陸上自衛隊機の行方不明事案について
4 ハワイ州への訪問について(1)
5 ハワイ州への訪問について(2)

知事からの話題

 

陸上自衛隊機の行方不明事案について

  今日は私から4点お話をさせていただきます。
  まずは、昨日から報道されております陸上自衛隊機の行方不明事案についてであります。
  昨日、緊急患者搬送のため、道の要請に応じて函館空港へ向かった陸上自衛隊の航空機が、函館空港に到着する直前と聞いておりますが、通信が途絶えたままとなり、自衛隊の方々をはじめとして、道警や地元の消防の方々などが懸命な捜索を行ったところであります。そして、本日午前10時36分に不明機と思われる機体の一部が発見され、その後、4人の隊員の方々が発見されたと報告を受けております。発見された隊員の方々の安否につきましては、現在確認中と報告を受けているところでありますが、道の要請に応じて緊急搬送に向かっていただいた自衛隊の皆さま方が、このような形で発見されたということは大変残念なことでございます。山崎北部方面総監をはじめ陸上自衛隊の皆さま方には、昨年も夏の台風被害へのさまざまなご対応、あるいは年末の鳥インフルエンザへのご対応など、本当に道民の生活の安全・安心を確保するために常にお力添えをいただいているところでございます。
  私からは昨日、この事案が発生したということを知った直後に、山崎北部方面総監に電話をさせていただいたところであります。今日は、記者会見が終了いたしましたら、あらためてお電話で私の思いをお伝えできればというふうに思っているところでございます。
  陸上自衛隊におかれては、今回の患者搬送をはじめ、先ほど申し上げましたとおり昨年の台風被害、山岳遭難の際の災害派遣など、本当に多くの場面で道民の安全・安心を確保するためにご尽力をいただいております。本当に心から感謝を申し上げるところでございます。
  なお、今回航空機で搬送できなかった函館市内の患者さんにつきましては、救急車で札幌市内の病院に搬送され、到着時は容態は安定していたと報告を受けているところでございます。

「第68回結核予防全国大会」に伴う秋篠宮妃殿下のお成りについて

〔配付資料:第68回結核予防全国大会プログラムチラシ(PDF)〕
  二つ目でありますが、今週の18日から19日の2日間、札幌市内で第68回結核予防全国大会が開催されます。この大会は、結核の予防に取り組んでいる全国の関係者が一堂に会し、諸課題や対応方針などを協議する場として、公益財団法人結核予防会と都道府県が主体となり開催しているものであります。
  北海道での開催は、1958年の第9回大会以来59年ぶりであります。
  結核は、かつては不治の病と恐れられておりましたが、今は医学の進歩、そして国を挙げての対策によって、近年患者数が激減しているのはご承知のとおりであります。
  一方で、現在も多くの方々が発病しているという事実はあるわけでありまして、そういった状況下で、結核に対する国民の関心を高めていくということも重要だというふうに考えているところであります。
  この大会には、結核予防会総裁でいらっしゃいます、秋篠宮妃殿下が御臨席になるとともに、コドモックル(道立子ども総合医療・療育センター)と北海道手稲養護学校を御視察いただく予定となっているところであります。
  妃殿下の公式の御来道は、2013年の日本赤十字社北海道支部創立125周年記念大会以来4年ぶりでありまして、私といたしましても、大変光栄に思い、心待ちにしているところでございます。

ニュージーランド首相の来道について

 三つ目でありますが、ニュージーランド首相の来道についてであります。
  秋篠宮妃殿下のお成りと時期が重なるところでございますが、ニュージーランドのイングリッシュ首相が5月16日から18日の日程で、実務訪問賓客として来日され、18日に北海道にもいらっしゃるとお伺いをしており、午前中に札幌市内で首相と会談をさせていただきます。そして、関係者との懇談会もございまして、首相をはじめ関係の皆さまの立会いのもと、道知事とニュージーランド大使との間でパートナーシップに関する覚書を取り交わす予定になっているところでございます。
  ご承知のとおり、ニュージーランドとは酪農分野などでさまざまな連携をさせていただいており、こちらが学ぶ部分が多いですし、それから今、白老町に整備を進めております民族共生象徴空間の関係で言えば、ニュージーランドにもマオリ族という先住民族の方々がいらっしゃって、アイヌとマオリの交流ということもこれからさらに充実していかなければならない。それから、ニュージーランドはラグビーを国技として大変熱心に取り組んでおられるお国柄でございます。北海道も2019年のラグビーワールドカップの開催地の一つでもございます。こういったラグビー交流など、さまざまな形で交流拡大の確認をさせていただければと思っているところでございます。
  首相の日程は駆け足でございますが、恵庭市の「えこりん村」にもいらっしゃいますので、私も同行させていただき、「えこりん村」におきまして、私ども主催の歓迎昼食会を開催する予定としているところでございます。
  これを機に、ニュージーランドと北海道のさらなる友好交流の発展に繋がることを大いに期待しているところであります。

自動車税の納期内納税について

〔配付資料:自動車税の納期内納税について(PDF)〕
〔配付資料:クレジットカード納税チラシ(PDF)〕
  四つ目は、この時期に必ず話題提供させていただいております、自動車税の納期内納税についてであります。
  今年度の自動車税の納税通知書は、約209万台の自動車につきまして5月8日に発送し、納期限は5月31日でございます。
  自動車税は、予算規模が766億円で、今年度の道税収入予算額6,058億円の約13パーセントを占める基幹税目であります。私どもはその納税率、特に納期内納税の率を高めるためにさまざまな工夫をしてまいりまして、平成19年度からコンビニ納税をスタートさせております。また、平成27年度からはインターネットを利用したクレジットカード納税の導入も進め、こういったこともあって、自動車税の道内における納期内納税率は年々上昇しておりますが、残念ながら、昨年度においても全国平均79.7パーセントに対して、道内は74.8パーセントと下回っている状況にあるところでございます。
  道といたしましては、自動車税の納期内納税率の向上のために、今年も企業やコンビニエンスストアの皆さま方に協力を求め、ポスターを掲示するなど、広く道民の皆さま方に納期内納税の呼び掛けをしているところでございます。
  ぜひ皆さま方におかれてもPRをよろしくお願いいたします。
  私からは以上4点であります。

記者からの質問

(北海道新聞)
  陸上自衛隊機が行方不明になった件に関連して質問させてください。広大な面積の北海道において、航空機やヘリを活用した救急医療は不可欠とも思いますが、道内における救急医療の課題についてどう考えるか、あらためてお考えをお聞かせください。

(知事)
  広大な北海道、広さの例えとしておよそ22の都府県が入るということを最近よく言うようになったわけでありますが、これだけ広大な北海道の中で、住民の方々がどこに住んでいても最適な医療を受けることができる体制の確保ということは、私ども行政の大きな課題であり、そのための搬送手段の確保は大変重要であるというふうに考えているところでございます。車両で患者さんを搬送する救急車両も重要であります。
  また、私が道政を担ってから4機体制のドクターヘリの整備ということを言いまして、道南にヘリを配備することによって、4機体制で稼働しているところでございます。加えて、防災ヘリの活用、今回の事案にも関わってくるわけでありますけれども、悪天候などにより対応がしきれないような場合には、自衛隊、あるいは海上保安庁などに搬送の要請をするなど、いろいろなケースがあります。今回のような、天候上ヘリコプターでは対応できないような場合があると思うのですけれども、患者搬送体制の確保に向けて、私どもとして努力をさせていただいているところでございます。
  そういった体制の中で、私どもとしては、広域分散型の北海道において、どこに住んでいても住民の方々が安心して生活できる安全・安心の確保ということを、関係機関のご理解、ご協力をいただきながら、しっかりとこれからも進めていかなければならないと考えております。
  今年度から国のメディカルウイングの制度がスタートして、道の予算も計上し、現在、運航準備の最終段階に入っております。できる限り早く進めていかなければならないというふうに保健福祉部に指示をしているところでありますが、国が決めておられるこのメディカルウイングの制度では、今回のような救急搬送は原則として含まれておりません。医療機関や航空事業者などの関係者が出動時間や搭乗医師等の調整を行った上で、計画的な搬送を行うものであるということを踏まえて、原則として、救急患者の搬送は行わないというのが、国の制度上の規定のようであります。確かにヘリよりも滑走路の長さが必要になり、いろいろな人員の体制整備も重要だということは分かるのですが、今回のような事案を踏まえた場合には、私ども北海道として、今年度の運用の結果も踏まえて、国に対しては、来年度以降もメディカルウイングについて予算計上することを前提として、場合によっては救急搬送ということも対象となり得るというようなことを、ぜひ明記して欲しいという申し入れをしていかなければならないというふうに思っております。

(北海道新聞)
  東京五輪の開催費用の負担についてお伺いしたいのですが、先日、東京都の小池知事が仮設施設の整備費については大枠で東京都が負担するということを公にしました。ただ、残る大会運営費92億円については5月中に大枠を示すということを言っているようなのですけれども、先日、知事のほうでコメントを発表された中で、他の自治体と足並みを揃えて、この問題については取り組んでいきたいということなのですが、5月中にも大枠が示されるということで、それについて具体的な要請ですとか、そのような活動を考えているようなことがありましたら教えてください。

(知事)
  東京都以外における仮設施設の整備についての方向性が、小池知事の発言によってやっと動き出したかなという思いを持っております。一方で、今、ご質問の中でも触れられた大会運営費については、これからということになっておりますので、このことについてもやはり立候補ファイル、あるいは開催基本計画を基本とし、その原則に沿って対応するように働き掛けをしていかなければならないと思っておりますし、必要であれば、われわれ自身も動かなければならないというふうに思っております。
  ただ、このことは以前にも記者会見で申し上げたと思いますが、早く施設整備を始めないと2020年の夏という時期は決まっておりますので、間に合わないということはあると思うのですけれども、大会運営費、ソフト予算については、本当にそれだけ費用がかかるのかという中身の精査をした上でのことだと思います。報道を見ておりますと、何百億円とか何千億円とか、その数字を見ただけで大変だという感じがしますけれども、中身については、やはりあらためて精査をして、国民や道民の負担に関わることなので、われわれは道民に、札幌市は札幌市民に、国においては国民、東京都においては東京都民にそれぞれ説明責任がありますので、経費の精査ということをしてほしいというふうに思います。

(毎日新聞)
  陸自ヘリの関係で、2、3点質問があるのですけれども、先ほど、お電話を昨日されて、今日もこの後されるということですが、だいたいどういった内容をお伝えされたのでしょうか。

(知事)
  昨日お電話したのは、こういうことがあって大変残念であると、皆さんご無事で発見されるように心から願っておりますし、そのために道として最大限の協力をしますということです。今日は先ほど冒頭でお話したことを申し上げたいと考えております。

(毎日新聞)
  言わずもがなの確認かもしれないのですけれども、大変残念だということですけれども、道として、天候が悪くてヘリでは無理だということで、自衛隊に要請したという手続きというのは、多分マニュアルなどに沿ったものだったと思うのですけれども、そういうことで問題ないというふうにはなっているわけですね。

(知事)
  何か問題ありますか。

(毎日新聞)
  何もないと思っているんですけど、問題ないということでよろしいのですよね。
  3点目なんですけれども、こういった天候不順の中で、他県などでも遭難救助のヘリが被災してしまう二次遭難みたいなことはたまに起きていると思うのですけれども、例えば、今回のことを教訓として、天候不順の時に空で行くか陸で行くか、それをどう選択するのかみたいな判断基準をちょっと考えてみるとか、何か今後、制度的に考える可能性はあるのでしょうか。

(知事)
  人の命に関わる問題であります。もともと函館市内の病院の患者さんの容体が大変厳しい状況になって、救急搬送の要請が私どもにあったというところからスタートしておりまして、その状況にもよると思うのですね。今回は、結果的には陸路で函館市から札幌市までお運びしても到着段階で容体は安定していたということを先ほど申し上げましたが、それは現場のお医者さまの判断ということもあると思いますので、制度というご質問の趣旨がよく分からない部分はありますが、私どもとしてやはりやっていかなければならないのは、自衛隊あるいは海上保安庁にお願いをすることもございますので、そういった関係機関の皆さま方と再発防止ということをいかに期していくか、このことについて、さまざまな議論を重ねていかなければならないと、こんなふうに思っております。

(毎日新聞)
  今、最後におっしゃったのは、そうしますと今回の事故を踏まえて道庁と陸上自衛隊、海上保安庁などで、今後こういった天候不順の場合にどうするかという再発防止策みたいなものを協議して、何らかの取りまとめをするというお考えですか。

(知事)
  これからの運用に活かしていきたいと考えております。

(十勝毎日新聞)
  ハワイ州との提携についてお話を伺いたいと思うのですけれども、北海道から総勢140名くらいの訪問団が向こうに参りまして、ハワイ側もずいぶん歓迎していたというふうに思います。あらためまして、今回の提携を知事どのように受け止められているかお聞きしたいと思います。

(知事)
  大変良かったというふうに思っております。
  出張の主な目的は、先方からご提案のございましたハワイ州と北海道との間の友好提携の覚書の調印ということでございまして、そのことに対するイゲ州知事をはじめ、ハワイ州側の期待も大きいということを肌で感じることができ、大変良かったと思っております。また、今回の調印に至る前段として、2012年にハワイアン航空によるハワイと北海道との間の直行便の就航ということが大きな盛り上がりのきっかけとなったというふうに思うわけでありますが、その後、北海道から食を中心とした企業の進出もございますし、また、北洋銀行とハワイのセントラルパシフィックバンクとの業務提携など、行政ばかりではなく民間でのさまざまな交流も拡大をしてきているというのは、私どもとしては大変うれしい限りでありますし、この交流をさらにステップアップしていきたいというふうに思っております。
  そういう中で、私どもの今回の一行の中に、有塚(十勝地区農業協同組合長会)会長、それから十勝毎日新聞社の林会長もおられましたし、十勝バスの野村社長もおられましたが、十勝の方々、帯広の方々に多くのご先導をいただいたということが私ども北海道全体としてハワイと交流拡大ができたということになり、大変ありがたいことというふうに思っているところでございまして、私どもとしては、今回の覚書の調印ということをきっかけとして、さらなる交流拡大に向けて、さまざまな知恵を絞っていきたいというふうに考えるところでございます。

(北海道新聞)
  今のハワイ州の質問に関連して、知事も今回のポリネシア・カルチャー・センターとハワイ語で授業をしている学校を視察されたと思います。ハワイ州の先住民族に対する施策であるとか教育を、今後の白老の2020年の象徴空間の整備に向けて、道として、ハワイ州の先住民族の施策をどんなふうに参考にして、活かしていきたいというふうに考えられますでしょうか。

(知事)
  民族共生象徴空間の整備の一つ一つのポイントを考える際に大変参考になるということを多くの方々からご示唆をいただき、ポリネシア・カルチャー・センターに行ってまいりました。常夏のハワイと北海道では天候状況も違いますので、一年365日、雨でも降らない限りは屋根のないオープンな雰囲気の中でお客様を迎えるということについては、北海道の場合は屋根が必要ですし、一年の半分は寒いし、吹雪くこともありますので、あまり参考にならないというようなところもあるのですが、ハワイだけではなくポリネシア全体の先住民族の生活のありようなどを展示し、そしてショーもやるというような、そういったことに学ぶべきことは大変多いというふうに思います。
  道内初の国立博物館である民族共生象徴空間は、アイヌ文化というものを発信していくという大変重要な目的のために、私ども道も協力をしながら整備を進めているところでありますが、ただ、アミューズメントの余地がなくて、誰も人が来ない施設であればアイヌ文化の発信自体もおぼつかないわけでありますので、いかに人を惹きつける施設にするのかという意味で、例えば、ポリネシア・カルチャー・センターのお土産屋のエリアは大変充実しておりました。現地でご説明をいただいた方によれば、こういうことが人を惹きつける一つのポイントになっているのだというようなこともおっしゃっていました。文化の伝承、文化の発信が目的なのだから余計なものは何もいらないということではなくて、いかに人に来てもらうかという知恵を出す面で、あのようなギフトエリアであるとか、それからショーであるとか、そういうことも重要な要素だなと思いました。
  ハワイですから世界から観光客がいらっしゃいます。それぞれ楽しんでいただく工夫として、ハワイ州内にある大学の学生は全世界から留学生が来ているのですが、そういう人たちに学費の補助の代わりに一定の対価を払って、それぞれの国、例えば日本人の留学生であればわれわれのような日本人に対する説明をすると、アメリカ本土の留学生もそうですし、私どもが見かけたのはヨーロッパからの生徒もいて、それぞれの得意な言語で説明をするという、より多くの人に来てもらうためのいろいろな工夫もしておられたんですね。そういった点も含めて、私と環境生活部長でしっかりと勉強してまいりましたので、今後の運営に活かすようにできればというふうな点は多々あったかなと思っております。
  それからハワイ語の伝承プログラム学校「クラ・カイアプニ・オ・アヌエヌエ」、ハワイ語で「虹」の意味だというふうに説明を受けました。虹というのはハワイで大変特別な意味のある、「雨は嫌だけど、雨が降ると虹が出る」、その虹をシンボルとしているハワイでありますけれども、このハワイ語伝承プログラム学校で、ハワイ語という、やはりアイヌ語と同じように文字を持たない先住民の方々の言葉をいかに伝承していくかということで教育をしておられる。これも大変参考になりました。これは今すぐに私どもができるということではありませんが、どういうところから始めることができるのか、このことについてもしっかりと検討していかなければならない、こんなふうに思ったところでございます。

 


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