知事定例記者会見
・日時/平成30年4月20日(金) 14:30~14:54
・場所/記者会見室
・記者数/26名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 有毒植物による食中毒予防とヒグマ事故防止について
記者からの質問
1 4期目残り1年の姿勢について
2 旧優生保護法について
3 財務省事務次官のセクハラ報道について(1)
4 財務省事務次官のセクハラ報道について(2)
5 日米首脳会談における貿易協議について
知事からの話題
有毒植物による食中毒予防とヒグマ事故防止について
〔配付資料:有毒植物による食中毒に注意しましょう!!(PDF)〕
〔配付資料:春の山菜展2018チラシ(PDF)〕
〔配付資料:平成30年春のヒグマ注意特別期間チラシ(PDF)〕
〔配付資料:ヒグマによる人身被害の発生状況(PDF)〕
私からは1点であります。お手元にリーフレットがあろうかと思います。
春を迎え、雪もほぼ融けてまいりまして、多くの道民の皆さま方が自然に親しみながら山菜採りを楽しまれる季節になったというふうに思っております。
一方で、庭や野山に見られる山菜の中には、食用との区別が難しい有毒の植物があり、毎年のように食中毒事故が発生しております。
道民の皆さま方におかれましては、食べられるものなのか判断のつかない山菜は、「採らない」、「食べない」、「人にあげない」の三つに注意するとともに、万が一、山菜を食べて異常を感じたときには速やかに医師の診察を受けていただきたいと思います。
道では、山菜と間違えやすい有毒植物について、ホームページで掲載をしております。また、「毒草ハンドブック」を保健所で配布するなどして、正しい知識の普及啓発を図っております。加えて、5月11日(金)と12日(土)になりますが、道立衛生研究所の薬用植物園において実際の植物やパネルを展示し、加えて専門家が毒草と山菜の見分け方を解説する「春の山菜展」を開催することといたしております。
また、山菜採りなどで野山に入る機会が増えるこの時期は、冬眠から覚めたヒグマが活発に活動し始めるという季節にも当たりますので、ヒグマによる人身事故が発生しやすいことにもご注意をいただく必要があります。ヒグマによる事故防止に向けた取り組みとして、道では、4月1日(日)から5月31日(木)までを本年度の「春のヒグマ注意特別期間」と定め、道民の皆さま方に対し、注意喚起を呼び掛けているところでございます。
昨年は4月に、標茶町で山菜採りの男性がヒグマに襲われ、負傷するという人身事故が発生しております。野山ではヒグマに遭遇する恐れがあることを忘れず、一人では野山に入らない、野山では音を出しながら歩く、食べ物やゴミは必ず持ち帰るなど、ヒグマに出会わないための基本的なルールを守っていただきたいと、このように思う次第であります。
有毒植物による食中毒予防とヒグマによる事故防止の注意喚起について、マスコミの皆さま方のご協力をよろしくお願いいたします。
私からは以上、1点であります。
記者からの質問
(NHK)
明後日、知事の4期目の任期満了残り1年ということで、何度も記者会見で質問される各社いらっしゃいますが、あらためて今後1年の抱負と今後の進退について、現時点でどういうお気持ち、またどういうお考えなのかお聞かせください。
(知事)
来週月曜日の4月23日で4期目の4年目に入るところでございます。私自身の道政に対する基本的な姿勢というのは、今までも、そしてこれからも全く変わらないわけでありまして、道民の皆さま方にとって、今、何が大切かということ、そして北海道の未来にとって何が重要か、そのことを実現するために、今、何に手を付けなければならないのか、常にそのことを念頭に置き、考えながら日々の課題を一つひとつ乗り越え道政に取り組んできたところであり、今後もその姿勢で道政を進めてまいりたいと考えております。毎年、毎年の環境変化の中で、少しずつ道政の方向性も変わってきているわけでありますが、今年につきましては、何といっても北海道命名150年です。多様な事業を一歩一歩進めさせていただいております。8月には、まだまだ予定の段階ではございますが、天皇皇后両陛下に御来道いただき、道民挙げての式典も行うなど、さまざまな事業を全道14ブロックごとにそれぞれ展開してまいりたいと考えております。150年に1回しかない年であります。これは、4期目4年目ということとは直接は関係しないのでありますが、このことはしっかり取り組んでまいります。
それから何と言っても地域創生、人づくり、そして世界の中における北海道ということをしっかり意識した戦略的な取り組み、こういったことに取り組んでまいりたいと、こんなふうに考えているところでございます。
加えて、進退についてもご質問がございました。もとより、4年目の時にはいつもそうなのでありますが、まだそこまで思いは及んでおりませんが、しかるべきタイミングにしっかりと判断をしてまいりたいと、こんなふうに考えております。
(HBC)
旧優生保護法について質問させていただきます。HBCが先日道内にある障がい者、障がい児の入所施設に行ったアンケートで、回答があった121施設中少なくとも八つの施設で合わせて21人の方が不妊手術を受けたという回答がありました。道庁のほうでも現在手術の実施状況の調査ですとか、個別に対応する窓口というのは設けてはいると思うのですけれども、実際手術を受けた人が現在どこに住んで、どのように暮らしているのかという、そういう実態の部分に関して、率先して把握するような調査を行う予定はございますでしょうか。
(知事)
まず私どもの対応として直近のことを申し上げれば、新たに手術が行われたことを示す方が521人分判明いたしましたので、そのことについての記録が確認されたということを4月18日に公表させていただいたところでありまして、情報開示の請求があれば、それに真摯(しんし)に対応してまいりたいというふうに考えております。今のご質問は、それぞれの手術をされた方の所在を私どもが、こちらから確認をするつもりがあるかどうかということだと思うわけでありますが、今のところそういったことをこちらから行うというふうに計画をしているところはございません。もとより、これからまた、さまざまな環境変化の中で、そういったことのご要請が道内から多く出てくれば、また考えることもあるかと思いますが、今私どもが取り組んでいるのは、ご承知のとおり、3月12日に開設をいたしました相談センターに専任の職員を置きまして、いろいろな方々からのご相談をお受けして、寄り添うように丁寧にしっかりご説明をしているという状況でございます。手術を受けられた方、ご本人それぞれの心情や状況もさまざまでございますし、またご本人が亡くなられているような場合など、ご親族の思いというものはさまざまだと思いますので、異なった状況にある方々お一人おひとりを、私どものほうから所在を確認するというのは、今段階でそこまで思いは及んでおりません。
そして3月中旬にスタートいたしましたこの相談センターへの相談実績というものを見ますと、ご本人様からよりも、ご親族様からの相談件数が多いという実態にあるところでございまして、これは前回の記者会見でも申し上げたところでございますが、個人情報保護法との関係において、例えばご本人が亡くなっておられる場合、情報開示請求をできる方の範囲を広げるということについて、これは事柄の性格上、慎重に行わなければならないので、審査会に諮問をしている状況でございます。その諮問が答申という形になれば、その答申に沿う形でしっかりとこの開示請求をできる方の範囲は広げてまいりたいと考えております。今私どもがこの旧優生保護法の対象として、大変ご苦労された皆さま方に対して取り組もうとしている政策はそういう状況にございます。
(HBC)
アンケートにお答えいただいた方の中には、すでに90代の方もいらっしゃったり、あと事情を知っているであろうご家族も亡くなっているケースもとても多かったため、施設自体も相談センターに申し立てができないという状況も何件か聞いていた状況がありまして、それで今、国のほうでも議員立法によって救済策など検討されてはいますが、今の段階のやり方だけだと、いわゆる今後救済されない人も出てくる可能性があるのではないかと、もうご年齢もご年齢ですし、時間がないのではないかと思うのですが、そういういわゆる今の段階ではまだ受け身というか待つ状態というままで、今後の被害者の方々の救済というのは十分図られるのかと考えるのですが、いかがでしょうか。
(知事)
まずは、国のほうで国会議員の方々、議員サイドでの救済の方策について海外の事例なども聴取をしながら検討が進んでいると理解をいたします。その動きが速やかに進むことを大いに期待しつつ、われわれとしては相談センターで相談される方々に真摯(しんし)に寄り添っていくという状況で、国の動きも見ていかなければならないと思いますし、道議会でのご議論もあろうかと思いますが、国に対してあるいは国会議員の方々に対して、救済措置を急いでいただくように、そういったことの要請をしていかなければならない、そんなふうに思っております。
(共同通信)
財務省事務次官のセクハラ問題について2点お尋ねします。まず、被害女性に名乗り出るように求めた調査手法の是非について。それと、テレビ朝日が会社として抗議、セクハラ被害を従業員が受けたとして抗議されたわけなんですが、一連の経過についての受け止めをお願いできますでしょうか。
(知事)
財務省、私が霞が関にいた頃は大蔵省と言っていたのですが、省庁の中でも、国全体の政策予算を取りまとめるという立場にある省庁であり、また税の徴収の取りまとめなど、国民に大変深く関わる分野の政策において、絶大なる権限を有する省庁の一つであるというふうに認識をいたしますので、その事務方のトップにある人に、こういったセクハラ疑惑ということが起こること自体、大変遺憾です。私も霞が関にいましたので、そのように思う次第であります。
今、調査手法についてのコメントを求められましたが、当初、財務省が表明した調査手法については、さまざまな批判的な指摘があるということは承知しております。ただ、一応それはそれで、専門家の意見を聞いてそのようなことを発表されたと思うのですが、その調査手法についての批判的な議論がある中で、やはり適正な手法で行うことが不可欠であると思う一方で、退官を表明はしましたけれども、事務次官はセクハラを否定しているという事実があります。そして、テレビ会社のほうは、セクハラはあったということを言っておられます。当事者間の主張が違っているわけでありますので、適正な調査手法によって、調査ということを中立的に客観的に、徹底的に行い、真実が何であったかということをできる限り早く国民に公表すべきではないかと、そんなふうに思う次第であります。
(朝日新聞)
今のセクハラの質問に関連してなのですけれども、知事、かねてから女性の活躍推進とかですね、訴えてこられているのですけれども、道庁で、こうしたことが起こらないようにするために、何か対策というか、あるいは道庁としてあるべき姿とかですね、そのあたり、もしあれば教えていただきたいと思います。
あと、先日の日米首脳会談で、通商面について、日米FTAも含めて、あらためて二国間の貿易交渉を求めるようなトランプ政権の動きが鮮明になりましたけれども、そうするとTPPで求められる水準以上に、FTAで、特に農業面で市場開放が求められる可能性がありますけれども、その点について北海道の知事として、どのように受け止めていらっしゃるか、そのあたりも合わせて教えていただきたいです。
(知事)
はい、分かりました。まずはこのセクハラ被害ということについて、これは道庁でも、どの企業でもあってはならないことだと思うわけでありまして、それを道庁で起こらないようにするためにというご質問でございますけれども、まずはやはり一人ひとり、職員の気持ちの上で、そういったことが絶対に起こらないようにするということが、大変重要なことであると思うわけであります。この財務省のケースは、財務省の職員とマスコミの女性との関係ということでありますけれども、道庁でも取材をされる女性の記者の方々、今もお二人からご質問がございました。私もたまたま女性ですけれども、男性幹部職員が多い中で、襟を正し、そういったことがないようにといった意識をしっかりと高めていくことが不可欠であると思うわけであります。道庁ではご案内のとおり、この4月に入ってから、あってはならない職員の逮捕事案というものが2件、一つは胆振(総合振興局)で、一つは本庁経済部で、立て続けにあったわけでありまして、その意味では、こういったセクハラという絶対にあってはならないことも含めて、職員一人ひとりの倫理意識ということを高めていく、しっかりと規律を守るための取り組みというものを、あらためて私どもとして考えていかなければならないかなと、こんなふうに思っております。
それからもう一つの日米首脳会談でありますが、北朝鮮への対応という意味では、私ども北海道においても拉致被害と認定を受けた方もおられます。残念ではありますが、まだ発見されておりません。また、拉致被害ということまでの認定には至っていませんが、特定失踪者(民間団体である「特定失踪者問題調査会」が独自に北朝鮮による拉致の可能性の調査の対象としている失踪者)の方もいらっしゃいます。拉致の被害も含めて、(警察庁の発表による)不明な方の数は、海岸線が長いということもあり、多分、全国一北海道が多いのではないかと記憶してございます。そういった意味では、米朝の首脳会談でこの拉致問題を取り上げるということをトランプ大統領が明言されたということは、一歩進むことになるかなという思いはあります。また昨年は、北朝鮮のミサイルが北海道の上空を2回に渡って通過したということもございましたので、日本の立場も含めて、この米朝の首脳会談には大いに期待したいというふうに思うわけであります。
そして、今のご質問は、経済の貿易協議の話でございまして、安倍政権というか日本のスタンスは、TPPというマルチラテラル(多国間)の協定のほうが個々の国の主張というものをバランスを取って全体で調整する、この枠組みのほうがバイラテラル(二国間)の協議よりも、より成果が大きいだろうというスタンスのもとでTPPという申し入れをしたと。それに対してトランプ大統領はFTA交渉、米国と日本との二国間の交渉に関心を示したというふうに報道を通じて聞いているところでございます。そういたしますと、やはり牛肉をはじめとする農畜産物について、アメリカが二国という枠組みの協議を要求する中でどのように言ってくるのかということは、日本国全体の食料供給基地であり、一次産業が基幹産業である北海道の知事としては大いに関心を持つところでございます。このため、日米両政府間におけるこれからの協議というものをしっかり注視していかなければなりません。報道以上は知りませんが、茂木(経済再生担当)大臣がこちらの協議主体となるというお話もございます。茂木大臣はものすごいネゴシエーターになりそうな頭の回転の速い方でありますので、そういう形で進んでいくのかなというふうに思うわけでありますが、私ども道としては、基幹産業の農業など一次産業を守るために、必要に応じて、協議内容の丁寧な情報提供や農林水産物の重要品目に係る必要な国境措置の確保ということを国に求めていかなければならないと思っているところでございます。そして、それと並行して、これはTPPの議論の時にも、そして日EUのEPAの議論の時にも常に申し上げておりますが、いかなる国際環境下にあっても北海道の一次産業が生き残り、そして競争に勝ち進んでいけるような付加価値を向上すること、そして生産性、効率性を高めていくこと、こういったことを一次産業の当事者の方々としっかり連携をしながら進めていかなければならない、そんなふうに思っております。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。
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