知事定例記者会見(令和6年8月9日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和6年8月9日(金)14:31~15:10
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/18名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

冒頭発言

  1. 災害への備えについて

知事からの話題

  1. 米国訪問について

記者からの質問

  1. 米国訪問について(1)
  2. 米国訪問について(2)
  3. 米国訪問について(3)
  4. 鈴木宗男参議院議員のロシア訪問について
  5. 連合北海道の要請について
  6. 「北海きたえーる」について
  7. 高レベル放射性廃棄物について
  8. 泊発電所について
  9. 陸上自衛隊オスプレイの道内飛来について

冒頭発言

災害への備えについて

 私から一点、まず冒頭発言をさせていただきます。災害への備えについてです。
 昨日、日向灘を震源とする、震度6弱の地震が発生いたしました。本日8時30分現在、人的被害としては、軽症の方8名、住家被害としては、全壊1棟、一部損壊2棟、鹿児島県、高知県では合わせて約6万人の方々に対し、避難指示や高齢者等避難が発令されていると承知しているところでございます。まず今回、災害により被災された皆さまに対し、心からお見舞いを申し上げます。
 この地震によりまして、気象庁では初めてとなります、「南海トラフ地震臨時情報・巨大地震注意」を発表いたしました。茨城県から沖縄県までの太平洋側の地域に対して、少なくとも一週間程度は地震の備えを再確認した上で、すぐに避難できるよう準備して日常生活を送るよう注意喚起しているところであります。道民の皆さまに対しましては、この地域に帰省や旅行などでお出かけになる方々におかれましては、出かける先の市町村のホームページ等でハザードマップや避難場所などを確認いただきますとともに、ご家族との連絡手段などもご確認し、地震発生時に直ちに避難できる態勢の準備をお願いいたします。
 災害はいつ起こるか分かりません。これは北海道においても、この機会にあらためて道民の皆さまには、北海道やお住まいの市町村のホームページ等を通じて、備蓄品や避難場所、避難経路など、日頃の備えをご確認いただきたいと思います。
 また、昨日に小笠原諸島の南で発生した台風5号でありますけれども、発達しながら北上を続けています。来週12日月曜日から13日火曜日にかけて、北海道に接近する可能性があります。道といたしましても、本日、万全の体制を構築するため、本庁と振興局のほか、気象台や開発局、自衛隊等の防災関係機関と会議を開催し、緊急連絡体制などの確認を行っているところでございます。この台風につきましても、お住まいの地域や訪問先の地域の気象情報、交通情報、市町村から出される避難情報等に十分ご注意いただくようお願い申し上げます。
 

知事からの話題

米国訪問について

 次に話題として一点お話しさせていただきます。
 8月19日から23日までの日程で、ANIC(エイニック、一般社団法人北海道新産業創造機構)の藤井理事長や道日米協会の岩田会長、北大の寳金総長、鈴木道経産局長など、道内の産学官を代表する方々と米国ニューヨーク州を訪問いたします。詳細なスケジュールにつきましては、皆さまのお手元に資料を配布させていただいていますので、そちらをご覧いただければと思います。
 今回の訪米の目的につきましては主に三つございます。一点目でございますけれども、半導体エコシステムの先進地であるニューヨーク州のオールバニー・ナノテク・コンプレックスを訪問し、運営主体であるニューヨーククリエイツのアンダーソン・プレジデントなどと面談いたします。そしてIBMのワトソン研究所では、ギル・シニアバイスプレジデント、さらにレンセラー工科大学では、シュミット学長などとの面談も予定しているところでございます。現地関係者の皆さまとの意見交換、そして関連施設の視察なども行うこととしております。こちらについては、ラピダス社の小池社長も同行する予定となっております。IBMのワトソン研究所では、ラピダス社が量産を目指しております2ナノ半導体を使用したデモサーバーを目の当たりにすることができるほか、オールバニー・ナノテク・コンプレックスでは、IBMとともに研究開発を行っているラピダス社の技術者とお会いさせていただく予定でございます。現在、100名を超える技術者がオールバニーに派遣されています。今後、順次帰国し、千歳市等で勤務される予定でございます。この機会に現地で研究開発の状況を確認してまいりたいと考えています。また、道が目指す半導体の製造、研究、人材育成等が一体となった複合拠点の実現に向けて、現地との連携協力関係の構築を図るため、ニューヨーク州政府機関との面談も予定しています。
 二点目でございますけれども、北海道への投資促進等に向けた関係構築についてであります。6月のGX金融・資産運用特区の決定、半導体・デジタル産業集積の動きといったタイミングを捉え、世界有数の経済、金融都市であるニューヨーク市を訪問し、米国で大きな影響力を持つ日米親善団体の一つであるジャパン・ソサエティーのウォーカー理事長や、投資銀行にもお勤めで、ニューヨーク道人会の代表を務めておられる方など、北海道とゆかりのある現地投資関係者の皆さま、さらには調整中でございますが、ニューヨーク市政府との面談を通じ、現地要人との関係構築を図り、北海道への投資促進に向けた取り組みを加速していく考えであります。
 三点目であります。ホタテなどの道産食品の輸出拡大についてであります。北米に向けたホタテの輸出が昨年に比べると倍増しています。さらなる輸出拡大に向けた加工施設の整備が進む中において、ジェトロ(日本貿易振興機構)が来月スタートする、ニューヨーク市内でのレストランフェアのキックオフとなるプロモーションイベントに参加いたします。私から現地のシェフ、流通業者の方々に対し、道産のホタテをはじめ、和牛、ワインなどの道産食材の魅力をPRし、米国へのさらなる輸出拡大を目指すものであります。
 今回の訪問を通じ、これまでの食や観光といった北海道の強みに加え、半導体、再生可能エネルギーなど、世界に誇るべき新たな北海道の価値を最大限生かしながら、トップセールスによる現地との関係構築を図り、北海道の経済の発展に向けて、海外からの投資などの呼び込みに向けた取り組みを加速していきたいと考えています。皆さまの報道のご協力をよろしくお願い申し上げます。
 私から以上です。

記者からの質問

(読売新聞)
 アメリカ訪問の関係で、半導体エコシステムのところなのですが、ラピダスに技術協力していますIBMであったり、ニューヨーククリエイツという産官学の、ある意味北海道が目指しているような姿のところも視察されると思うのですが、そういったところというのを北海道に戻ってきて、どういうふうに地域に知らせて、参考にしていくというか、そういったところをもう少し詳しく教えていただいてもよろしいでしょうか。

(知事)
 先ほど冒頭で、一点目の主要な目的として説明させていただきましたけれども、今、ご質問にありましたニューヨーククリエイツにつきましては、まさに先進的に取り組みを進めている、われわれが製造、研究、人材育成等が一体となった複合拠点の実現を目指す上で、大変参考になる事例であると考えておりますし、またラピダス社と連携しているIBM、こういったところと実際に現地での開発状況なども意見交換も含めて確認をしていく。この内容についてもあらためて道民の皆さまにお知らせすることで、今、ラピダス社が目指している取り組みの意義、また将来目指している姿、そういったことについてもより道民の方にも理解していただけるのではないかと思いますし、また具体的に、現在調整中でありますが、ニューヨーク州政府機関との面談も予定しております。今後、さらにラピダス社において、製造、研究、人材育成等一体となった複合拠点を実現するにあっては、現地IBMとニューヨーク州との関係において、さまざまな取り組みが進められているところもございますので、そういった政府機関との関係構築も極めて重要だろうと思っております。相手のあるところでございますので、現在調整中でございますが、しっかり皆さんに共有できる段階でお話しできればと思っています。

(北海道新聞)
 冒頭の発言と重複する部分もあるかと思うのですけれども、北海道側も、今回知事をはじめ産官学の代表者の皆さんと訪米するというところの意義について知事はどのようにお考えでしょうか。

(知事)
 このプロジェクトは北海道、いわゆる行政だけで取り組んでいるわけではございません。先ほど同行いただく皆さまについて、代表の方々をご紹介させていただきました。ANICの藤井理事長においては、ラピダスと道内企業との架け橋として、さまざまな取り組みをしていただき、また、経済効果の試算等さまざまな取り組みを進めていただいておりますし、また、日米協会の岩田会長においても、これまでもアメリカとの交流を拡大するためにご尽力いただいてきた立場でもございます。また今回、大学等も訪問させていただくわけでございますが、北海道大学の寳金総長においても、現在、人材育成を中心として、北海道大学でさまざまな取り組みを今後も展開していくことを検討いただいている中で、ご一緒させていただくわけであります。また、この人材育成全体のパッケージを、今、北海道の経済産業局が中心となって、取りまとめていただいている中において、(北海道経済産業局の)鈴木局長も同行いただく。そういった北海道関係者一堂に会して現地に訪問することが最も効果的であり、有効であろうと思っています。その効果を最大化するために、現在まだ引き続き調整中のところもありますので、そこをしっかり詰めて、当日を迎えたいと思っています。

(毎日新聞)
 今回の視察と複合拠点の形成のことでちょっと伺いたいのですけれども、現在道内の複合拠点の形成というのがどの程度進んでいるという認識を持たれているのかということと、あとその目指す姿を実現するにあたってですね、今回の視察でどういうところを学んでいきたいと思っていらっしゃるかというのを教えてください。

(知事)
 まずこれも何度もここの場でもお話ししていますが、まず(半導体・デジタル関連産業振興)ビジョンを策定したわけでありますが、今、ラピダス社の進捗状況につきましては、建設工事も順調に推移しているという報告を受けております。年内には建物も建ち上がるのではないかということをお聞きしています。来年にはいよいよパイロットラインが稼働するという状況であり、またそういった動きを着実に進める中で、関連する企業の進出表明等も出てきているという状況です。そういった意味では、関連する企業の表明など、確実な進捗を受けた中で取り組みが進んでいる一方で、製造ということでは、まだパイロットラインが動いてるという状況でもないところですので、今後、そこを着実に進めていくというのが何より重要ということだと思っています。
 そうした中で、ニューヨーク州においては、現実に複合的な形態が実際に動いているという状況がありますので、そういった先進地に学ぶべきことは多いわけでありますし、またラピダス社と先ほども申し上げましたIBMが連携した中で、この2ナノ半導体の量産に向けた取り組みが行われていますので、その観点からも私は非常に今回の訪問は重要だと考えています。また、この2ナノ半導体を使用した実際のデモサーバーも、おそらくこのIBMが開発を唯一成功した2ナノ半導体のデモが体験できる施設というのも、私はおそらくここぐらいなのではないかと思うわけであります。それはどうなのか(担当部局の方で)分かるかな。多分そうなのではないかと思うので、後で答えてもらいたいのですが、唯一そういう状況が確認できるということもあるので、そういったものも目の当たりにしながら、進めていければと思っています。

(広報広聴課長)
 今の半導体の部分、次世代半導体室長からお答えします。

(次世代半導体戦略室長)
 IBMが開発している2ナノを使ったサーバーということでは、ここが唯一だと思いますが、そういった機能を持つもの、一般的なものとして世界で唯一かというのは少しお調べして、後でお知らせしたいと思います。

(朝日新聞)
 北方領土の関係でお尋ねします。7月末に、鈴木宗男議員がロシアを訪問されて、現地の高官の方などといろいろお話を持ったようですが、現地のモスクワでの囲み取材の中で、ロシア側から北方墓参について、ビザなし交流もあわせて2022年9月3日をもって協定の効力は破棄されたと説明を受けたというふうに、その場では話したそうです。この発言について、知事として受け止めがもしあれば教えていただけますか。

(知事)
 鈴木参議のご発言、報道等でもなされたと思うのですが、この件については、林官房長官のほうから、墓参の枠組みが維持されていることについては、確認が取れているということで、政府の現時点での考えをお話しされていると考えています。道としては、この北方墓参をはじめとする四島交流等事業の早期再開を求めております。国や関係機関と連携を図りながら、その取り組みをしっかりやっていきたいと思っています。

(朝日新聞)
 その上でもう一点ですが、今年も8月末から洋上慰霊が予定されているかと思います。旧島民の方などからは、北方墓参の再開を強く望む声、知事のもとにも届いてるかと思いますけれども、今おっしゃっていたように再開に向けて国と連携し、みたいなお話がありましたが、道としてこれからこういうことをやっていく、もう既に進めている等の考えが何かあれば教えてください。

(知事)
 まず今回、多くの方々からご希望いただきまして、やむを得ない措置として、洋上での慰霊ということで実施いたしますので、まずそこをしっかり進めていきたいと思っていますが、この洋上からの慰霊は、この北方墓参がかなわないという状況の中、本来果たすべきものがかなわない中で、行われているという状況を忘れてはならないと思っています。この千島連盟(千島歯舞諸島居住者連盟)をはじめとする元島民の方々からは、私も洋上慰霊が始まってから、参加させていただく度に、今回が最後の慰霊になるかもしれないという本当に切実な声も直接お伺いしています。これは総理にお会いしに行った際もお話ししましたけれども、まだ洋上の慰霊については、大臣はご参加されたことがないということがありますので、私としては大臣にもぜひ、参加いただいた上でその元島民の切実なる声を、この洋上慰霊に集まる方々の声を直接聞いていただくことは叶わないのだろうかということも官邸に行った際もお話しさせていただきました。政府としてできることをやるのだという中でそういった元島民に寄り添った対応をぜひ、いただきたいと思いますし、いち早くこの島民の思い、この墓参がかなうよう政府にはしっかり取り組みを進めていただきたいと思っています。

(北海道新聞)
 ラピダスの建設工事の関係でお伺いします。今月2日に連合北海道がラピダス建設工事に関する労働環境の改善を求める要請書を道に提出しました。弊社の取材では、納期が間に合うのかという労働者の方の声であったりとか、あとラピダス社のほうは工期の延長を否定しています。知事はこれらについてどう考えているのか教えてください。

(知事)
 この件については、8月2日金曜日でございますが、ラピダス社の北海道進出に関して、建設現場における労働基準法の遵守、柔軟な工期の延長等のほか、人材確保や交通などに関して幅広い要請を、連合北海道のほうからいただきました。この中で、労働環境につきましては、ラピダス社はもとより、指導監督機関である北海道労働局にも確認させていただきましたけれども、今回の工場建設工事において、過重労働の発生事実は伺っていないというところでございます。その上で、今後は工期がピークを迎えます。最大4500人という多くの方がこの工事に携わるという状況になっていきますので、ラピダス社のほうでは、この元請の建設業者に対して、過重労働防止についてこれまで以上に留意するようにということをあらためて依頼されたと。さらに、この元請建設業者においては、ラピダス社からの依頼を受けて、その契約先となる下請けの建設業者の方々に対して、過重労働の防止と労働時間管理の重要性についてあらためての周知徹底を行ったということでお伺いしているところでございます。このほかにも工事車両も増加しますので、交通安全も含めて、工事の安全について万全を期すように、あらためて関係企業に徹底したということでございます。道としては、この労働環境、そして工事の安全については、何よりも優先すべき事項であると認識しています。今後とも状況を注視して、ラピダス社はもとより、北海道労働局をはじめ関係機関とも適宜情報の共有を図りながら、必要な対応について、進めていきたいと考えています。

(HBC)
 (北海道立総合体育センター北海)きたえーるについてお伺いさせていただきます。レバンガの件で今後きたえーるが改修されるということですけれども、改修後VIPスペースというかラウンジを設置されるということですが、今後、そういった改修後のきたえーるを道としてさまざまなイベントに使われると思うのですが、現時点でどのような使い方を考えていらっしゃるのか、知事のお考えなどあれば教えていただきたいと思います。

(知事)
 レバンガ北海道については、新リーグの参入に当たって、このライセンス基準を満たす新たなホームアリーナの確保に向けて、札幌市のほうと協議を行ってきたというところがあるわけですが、期限までに新ホームアリーナの建設めどを示すことが困難ということで、札幌市で、そういうことになったということがありました。それを受けて、(レバンガ北海道から)北海道に対して、本年3月にきたえーるの改修に向けた協議をしたいということで申し入れがございました。これを受けまして、北海道として検討を行った結果、この要望を受け入れて改修することとし、改修により設置する施設を寄付受領ということにさせていただくということになりました。今回改修する施設については、レバンガ北海道だけではなくて、今ご質問にもありましたけれども、多様なスポーツ、そしてイベントにおいても利用可能であると考えています。ご家族ですとか、グループでの観覧スペースとしての活用など、新たな観戦スタイルを提供して、施設の用途の拡大、そして機能の向上にもつなげていきたいと考えています。今回の改修を契機として、きたえーるがより魅力のある施設として広く道民の皆さまに利用していただけるように取り組んでいきたいと考えています。
 また、北海道では、平成29年にレバンガ北海道と包括連携協定を締結させていただいていますので、スポーツ体験教室、ホームゲームでの道政広報、観光PRなどさまざまな分野での連携、ご協力もいただいています。道としては今後とも、こうした取り組みを進めていきたいと考えていますし、レバンガ北海道が国内最高峰のBプレミアに参入することや、多様な観戦スタイルを提供することによって、多くの道民の皆さまにスポーツの素晴らしさや感動を与えてくれるということで、スポーツへの関心、参加気運の醸成が図られることを期待しているところです。

(HBC)
 ありがとうございます。もう一点きたえーるについて、改修するということですけれども、今後、新月寒体育館が整備された場合、レバンガ北海道が本拠地を移転する可能性もあると思うのですが、せっかく改修するということですけれども、その後、本拠地移転される可能性というところで、道として、知事としてレバンガに、本拠地をきたえーるで残してほしいのかどうか、知事としての今のお考えはありますか。

(知事)
 基本的には札幌市のほうで、そもそも新ホームアリーナの確保に向けて協議を進めてきたが、それができないという状況の中で、急なそういった変更に伴って、きたえーるも、このレバンガ北海道だけではなくて、道民の方々を含めて、いろいろな予定が、利用予約等も入るという状況もある中で、いろいろと調整も図りながらレバンガ北海道のそういった急な変更を受けて、何とか対応できないのかということで対応してきたので、札幌市としても、新たなアリーナの確保についてはもう全く関係ありませんというではなくて、何とかこの協議、いろいろ相談を続けていこうという状況になっていますから。ですので、本来、そういった(札幌市が建設してそこへ移転する)ことが想定されたわけですから、その方向で今後、考えていくのがまず必要なことだと思っています。レバンガ北海道にご利用いただくのみならず、きたえーるについては多くの方々にご利用いただいている現状もありますので、そういった状況の中で、われわれとしてできることを精一杯やって貢献していきたいと思っています。

(北海道新聞)
 寿都町、神恵内村、両自治体で行われている、核のゴミの文献調査の報告書案についてお伺いしたいと思います。先週、経済産業省の特定放射性廃棄物小委員会が、報告書案を了承し報告書に関する審議が終了しました。報告書案の中には、知事がかねてから要望していた概要調査への移行について現時点で反対するという自身の考えだとか、寿都町、神恵内村、両自治体で行われた対話の場での地域の意見に関する記載も盛り込まれたと思います。報告書の内容に対する知事の評価だとか、受け止めを教えていただきたいと思います。
 
(知事)
 条例の趣旨を踏まえ、仮に概要調査に移行しようという場合には現時点で反対の意見を述べるという考えについては、この会見の場で何度も申し上げてきました。一方で、そういったものが盛り込まれるのか否かという状況が不透明だったわけであります。その状況の中で、まずこういったものも盛り込まれましたし、あとはもう一点、やはりさまざまな意見がありました。文献調査を初めてわが国の中でやる中で、対話の場でもさまざまな意見があったわけです。その部分についてもどう取り扱うのか全くわからない状況でありましたので、その点も実際にさまざま出た意見を資料として全部添付していただいた上で、そのさまざまな意見があったということについても記載をいただいたので、この点については、やはり一定のわれわれのそうした考えを取り入れていただけたのではないかと思っています。

(北海道新聞)
 関連して、今後、NUMOが報告書案をまとめた後に、報告書の記載事項を周知するための説明会などが開催される運びになると思います。道はかねてから、寿都町、神恵内村のほかに、道内の全14振興局管内と、希望する道内外の市町村でも説明会を開催するようにNUMOに求めていると思いますけれども、ここについての考え方は変わらないのか伺えればと思います。

(知事)
 そこは変わらないです。先日、全国知事会がありました。私はこの原子力発電対策特別委員会の委員長ということで仰せつかっていまして、国への提言を取りまとめる立場なのですけれども、その場でも、例えば福井県や青森県のほうからも、まずこの問題が大変重要だということと、やはり国が前面に立ってやってほしいということだったり、青森県と福井県も全国の問題なのだと、そういった意味では原発の関係でさまざま本当に対応に悩まれている、そういう知事なわけですけれども、やはり国が前面に立つことや、全国のそういった問題で、例えば原発が立地する地域だけではなくて、多くの地域で考えてほしい、そういうこともしっかり委員長として国に提言する際は要望してほしいということでお話もあって、私も委員長として知事会を代表して国に対して要望していく旨、知事会でも発言させていただきました。そういったこともしっかりお話ししながら、やはり国に対して、NUMOに対しても、丁寧な説明をしていただきたいと思っています。

(北海道新聞)
 もう一点ですね、北海道電力が泊村において、泊原子力発電所で使う核燃料などを積む輸送船が発着する新たな港の建設を検討していることが、弊社の取材でわかりました。投資額が最大500億円見込まれるとのことですが、既に、北電側から知事に対して、この内容の報告があったのか含めてですね、知事の受け止めを伺えればと思います。

(知事)
 北電のほうからは、今ご質問のあったこの度の変更というかその内容につきましては、道の担当部局に対しては7月10日に説明があったということであります。そして事務方のほうから私に対して7月の末になりますが30日に報告がございました。その際に私のほうからは、道民の安全安心を図る観点から、北電に対して伝えるべき事項について直ちに整理して欲しいということを指示し、7月31日に担当の副知事から北電に対し、方針変更に伴う発電所外のリスク対策、これも含めて講じる安全対策、これについては原子力規制委員会はもとより、関係する機関や地元をはじめ道民の皆さまにご理解いただけるよう、事業者の責務として発電に係る安全性を確保していくことについて説明を尽くすこと、そして、現在も継続している原子力規制委員会の審査に対して今後も真摯に対応していただくように求めたというところでございます。

(北海道新聞)
 今のお話で気になったのが、7月10日に北電側から事務方のほうに連絡があったと思うのですけれど、それを知事に伝えるまで20日間ぐらいかかっていると思うのですが、結構かなり膨大な費用もかかるかなり大規模な変更になると思うのですけれども、ちょっとその20日間はなんでかかったのかということについてですね。

(知事)
 私もそこは気になりまして担当に聞きましたら、いわゆる資料とかそういったものを整理していて、段階的にこの説明があったというような形でありまして、そういった意味では、10日以降もいろいろな必要な説明を確認して、それを持ってきてみたいな形でやり取りしていたという状況で、10日以降、何もやっていないということではなくて、そういった作業をしていたということであります。ただやはり、10日の時点で、まだ情報は十分整理しきれていない段階でも、もしかしたら共有する必要性についてはあったのではないかという点についても、担当にはお話しさせていただきました。

(北海道新聞)
 最後ちょっと関連して一点ですね、費用に関して、北電は今年3月に、総工費約1800億円の新たな防潮堤の建設を開始するなど、原発の再稼働に向けて、安全対策費というのが累計4千億円を現在超える見通しとなっています。新港を建設することになると、さらに費用がかさむと思いますけれども、費用がどんどん膨張していくことに対する知事のお考えをもしあれば伺えればと思います。

(知事)
 安全対策はしっかりやっていただくということはこれは重要だと思います。そしてしっかり原子力規制委員会の審査に対して真摯に対応いただく、これは大事だと思っています。ただ、今回の変更等につきましても先ほど申し上げていますけれども、これは地元をはじめとする道民の皆さまに対してご理解いただくということについては、今まだそういった部分での十分な説明がなされていない中でこういった変更、こういう報道等も出ているという状況があるのかと思っています。ですから、先ほど申し上げたように、担当の副知事のほうから、こういったリスク対策も含めた部分についてしっかり道民の皆さまにご理解いただけるように、対応をお願いしたということであります。北電においてはそういったわれわれの要請も踏まえてしっかり対応いただきたいと思います。

(STV)
 今日、北海道防衛局のほうから、陸上自衛隊オスプレイの飛来が再来週に予定されているということで(道は)緊急要望を行っているわけですけれども、道として今後どういったことを注視して、どういったことを求めていくのか、道民の中には飛来に対して不安に思っている方もいらっしゃると思うのですけれど、どういうふうに対応されていくのかお伺いできますでしょうか。

(知事)
 この件については、昨日ですけれども、北海道防衛局のほうから道に対して、今ご質問のあった今月21日から23日に陸上自衛隊のオスプレイ1機、人員輸送や離発着訓練を実施すると、そのため、陸上自衛隊丘珠駐屯地、旭川駐屯地および帯広駐屯地に飛来する予定であるということでございました。そして本日の午前に発表するということになっていると私も担当部局から報告を受けています。オスプレイに対しては、墜落事故が発生するという状況など、不安を感じている道民の皆さまも多いということがありますので、この発表を受けて直ちに道防衛局に担当の副知事を派遣し、安全管理の徹底、事故防止に万全を期すことなど、道民の皆さまの生活に不安や支障を与えないよう、最大限の配慮を求める緊急の要請を行ったところでございます。道防衛局のほうからは、住民の皆さまの生活への影響が最小限となるよう、道防衛局としても陸上自衛隊とよく連携し、安全確保および事故防止に万全の措置を講じ、国として責任を持ってしっかりと対応してまいるとの回答がありました。道としては引き続き、道防衛局、関係自治体とも情報共有を図り、道民の皆さまの不安解消に向けて適切に対応していきたいと考えています。

 

この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)

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