北の総合診療医 - その先の、地域医療へ(留萌3)

留萌市立病院

中村 秀寿 事務部長

2022.06.07 記事

中村秀寿事務部長は、2019年から留萌市立病院の事務部門のトップである事務部長を務めています。「病院の事務部門は医師や他のスタッフが働く環境を整える仕事であり、事務部長は経営者の一人でもある」と語る中村事務部長に、病院を取り巻く環境、仕事のやりがい、総合診療医への期待などを語ってもらいました。

2次医療機関とかかりつけ医の役割の両方の経験
総合診療医のスキルを磨く最良の病院

留萌2次医療圏は少子高齢化が非常に進んでいます。1次医療を担う地域の医師の高齢化も深刻で、圏域の中心である留萌市でも、診療所は無床が増えています。留萌市立病院は急性期中心の2次医療機関ですが、1次医療のかかりつけ医的な役割も担っています。高齢の患者がそれ以上悪くならずに日常生活に戻れるよう、回復期の役割も担っており、すぐに社会復帰ができない患者が療養型病院に移る状況も増えています。

「かかりつけ医的な役割も担うという意味では、留萌市立病院では総合診療医が診療の入り口で重要な役割を果たしており、患者一人一人の背景や生活履歴を見極めたうえで、専門診療科や3次医療につなぎます。病院では2017年度から「るもい総合診療医養成プログラム」を設け、総合診療医を目指す医師の受け入れを目指してきました。2020年度に初めて富田賢剛専攻医が来てくれましたが、「素晴らしい思いを持っておられる医師です。救急でも、まずは自分で診て判断するという姿勢がすごい。すごく役に立ってくれているという声を、周りのスタッフからもよく聞きます。当院には必要な人材といえます」と中村事務部長も感心しきりです。」

病院では医師確保に向けて、大学などへの働きかけはもちろん、総合診療医養成プログラムに対する期待が大きいといいます。「地域には専門的な医師も必要ですが、総合診療医も間違いなく必要です。総合診療医を目指す方々を積極的に受け入れていきたいです」。医師住宅の整備など、働きやすい環境づくりにも力を入れています。

地域になくてはならない総合病院
行政も役割を理解して、しっかりとサポート

中村事務部長は留萌市の職員として長年勤めてきましたが、病院での勤務はこれが初めてです。「以前から、地域にとって重要な『まちの病院』という認識はありましたが、正直に告白すると、赤字が続いていたころは、市にとっては負担で、不採算の診療科は閉じてしまってもいいのではと考えていました」。しかし、病院に来てその考えは誤りだと気づきました。圏域には、総合病院が留萌市立病院しかありません。不採算だからといって診療科を閉じると、総合的な診療体制が崩れます。医師は来てくれなくなるし、地域に住んでいる方にとっても悲惨です。「そうならないように、行政が地域医療をしっかりと理解して、財政面を含めてサポートする必要があります」。中村事務部長も病院側として、市のトップに対し理解を働きかけています。

  • 地域になくてはならない総合病院行政も役割を理解して、しっかりとサポート

病院の事務部門については「医師や他のスタッフが働く環境を整える仕事であり、事務部長は経営者の一人」と語ります。自分の仕事については「市の他の組織と違って、一人で何をどんなに考えようと、できることはほとんどありません。医師がいなければ成り立ちません。院長と相談しながら、院長の考えていることを具現化する方向で頑張る、というのが私の仕事です」と言い切ります。2016年に就任した村松博士院長は経営に明るく、事務職員も舌を巻くほどの勉強量だといいます。「院長の熱意に引っ張られ、どうしたら院長の考えを実現できるかをいつも考えています。それがこの仕事のやりがいでもあります」。

メッセージ

留萌市立病院は、地域にとっては唯一の総合病院です。高齢者だけではなく、いろいろな症例に出合います。2次医療機関の顔と、かかりつけ医の顔、両方を経験できますので、総合診療を目指す医師にとっては良い病院だと自負しています。留萌は北海道の西のはずれですが、実は札幌や旭川にも近い便利な場所です。冬の気候が厳しい地域ではありますが、春から秋にかけては非常に穏やか地域で、海と山の幸にも恵まれており、おいしい食材を食べながら、目指すスキルを磨くことができます。病院見学はいつでも受けていますので、興味を持ったら気軽に問い合わせてください。

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