北の縄文(常呂川河口遺跡(北見市)) 常呂川河口遺跡(北見市) ■遺跡の概要 ▲全景 北見市(旧常呂町)常呂川河口遺跡は、常呂川河口部に近い蛇行部分の右岸標高2~5mの氾濫原から低位段丘面にかけて広がり、面積が14万m2もあります。本遺跡は、川の蛇行部の河川改修工事が行われるため、旧常呂町教育委員会によって発掘調査が行われました。縄文時代前期と中期の石囲み炉群が発見され、それに伴う押型文(木の棒に格子目や楕円、刻み目などを彫り、それを土器の成形時に回転しながら押し付けた文様)の土器が層位的に分れて出土。また縄文時代晩期の墓には、コハク玉やヒスイの飾玉、朱漆塗りの櫛などが副葬されていました。 ■特徴的な遺構 縄文前・中期の石囲み炉は、直径1.2m前後の大型の方形で、その周りに直径80cm前後の小型石囲み炉が配置されます。炉の中はまっ赤に焼かれており、細片となった獣骨や魚骨がびっしり入っています。 ▲押型文土器の時代の石囲み炉 ▲縄文時代晩期の墓(中心部は赤塗の小型壷) ■主な遺物 縄文晩期の墓には、本州北部の縄文晩期文化の流れをくむ亀ヶ岡式土器と、道東部の在地の土器である幣舞式の土器が同時にお墓に納められ、それに新潟県糸魚川方面からもたらされたヒスイの飾玉やコハクの玉類、漆塗りの櫛などがおさめられる例などがあります。 ▲ヒスイ勾玉 ▲常呂川河口遺跡出土の縄文土器 ←他の遺跡を見る Copyright(C)2003 Hokkaido Government. All Rights Reserved.