道民のご意見を聴く会(中川町会場)(環境・エネルギー室)

 

 

道民のご意見を聴く会(中川町会場)(環境・エネルギー室)


 

 

道民のご意見を聴く会におけるご意見等

 

(中川町会場





        

平成12年9月

北海道経済部資源エネルギー課

 


道民のご意見を聴く会の開催状況

1 開催年月日
  平成12年8月7日

2 開催場所
  中川町山村開発センター

3 参加者数
  30人 

4 意見陳述応募者数
  6人


5 意見陳述者数
  6人(1人欠席)

6 意見記入用紙提出件数
  6件


7 皆様からいただいたご意見等の内容
  別添のとおり

 


 

目    次

  
1 意見陳述者からの意見等   

2 意見記入用紙による意見等   

3 意見陳述者以外の応募者からの意見等   

4 会場参加者との質疑等
   


 意見陳述者からの意見等


【渡辺 政治】 
 本日は、この道民の意見を聴く会に、道並びに科学技術庁、核燃料サイクル機構の先生方のご出席をいただき、私どもの意見を聞いていただくことをまことにうれしく思っています。ありがとうございます。それでは、幌延町における深地層研究所計画に関して発言をさせていただきます。最初に、この計画に対しては、私は賛同しております。もし原子力発電を現状にて廃止しても、放射性廃棄物は残り、また地上管理にしても、何百年、何千年も安全管理することはいかがなものでしょうか。従って、幌延町の深地層研究所は、放射性廃棄物を安全に処分するため、研究や技術の確立をするための重要な研究施設と聞いているので、早急に取り組むべきではないかと思うわけでございます。これは総論でございます。次に、幌延町を中心といたしまして、天北地域の振興について申し上げたいと思います。これは、幌延町における深地層研究所計画書により、予算内容を見せていただいたわけでございますが、深地層研究が地域に及ぼす経済効果を考えると、幌延町に位置されているとはいえ、160人の住民計画、施設建設費は340億でございます。そして、約35億円の調査費は相当な波及効果をもたらすものと考えられるわけでございます。さて、国際共同研究の実施や海外の研究者の招聘を積極的に推進し、国際的に中核となり得る総合的な研究センターとして発展を目指すわけであるから、稚内空港の利用実績の増加につながり、各業種、業務に目に見えて効果が上がるものと考えられるわけでございます。また、地元雇用についても優先するとされており、雇用の場が確保できることは周辺の地域にとって喜びであります。現在、一人、二人の事業所でも進出してこられることは貴重なことであり、深地層研究により160人規模の研究所の進出は、幌延町のみならず天北地域全体の活力につながるものと信じます。どうか知事におかれましても地域事情を賢察いただき、前向きにご判断くださいますようお願いをしたいのであります。次に、原子力発電についての資料を、新聞を切り抜いておりますので、紹介をしたいと思います。先ほど道の先生がおっしゃられたわけでございますけれども、深地層の研究が必要だと。高レベル放射性廃棄物処分、道は初めて考えを示すということが新聞に出ておったわけでございます。幌延町が立地して計画している深地層研究所について、道は26日、道議会エネルギー問題調査会特別委員会で、深地層の研究が必要とする道の基本方針を定めたわけであります。原子力についてでございますけれども、原子力発電以外の発電ということになりますと、ご案内のように、昨年から1年かけて、1バーレルが10ドルが、今度1バーレルが30ドル近くの高値に値上がったということでございます。日本国民の生活、工業、企業を守るためには、どうしても原子力発電というのは是非欠かせないものということがこの新聞で出ております。また、ドイツの脱原発についても出ておるわけでございますけれども、ドイツの声として、しからばエネルギーをどこから確保するかという見通しがないということでございますが、それはフランス、他国から電気を買い入れるというようなことだということが新聞に出ておりますし、原発は大変危険だということでございますけれども、今度新しく原発発想を基本にして国のエネルギーを賄うということが新聞に出ておるわけでございます。泊原発3号機増設についてでありますけれども、これは私の予想では、この前の新聞で、知事もこの原発、泊3号機増設については認める可能性がということが新聞に出ておったわけでございますけれども、まだ決定はしておりません。それから、福井県のサンケイ新聞の主婦の意見をひとつ読んでみたいと思います。「深地層研究所計画反対論こそ疑問」と。これは、主婦はサノクミコ、渡島管内長万部、34歳。2月16日のこの欄に、「深地層研究所の計画を慎重に検討しているのに、なぜこのような見解なのか、私は不思議でなりません。しかも、道新朝刊に、『深地層研究で道が報告』などの関連記事から判断しても、核に関する研究でなく、深地層研究であり、当事者の不安を払拭するなど、地震、断層などの研究や調査をする施設であることを容易に理解されるはずです。もしこのガラス固化体が容器から放射性物質が漏れ出し、地下水に浸み込み、水源が汚染された等を考える前に、なぜ早急に深地層研究施設を完成させ、私たちの不安を払拭するためにも徹底的に調査研究してほしいとならないのでしょうか。私たちの子供や孫たちが将来にわたって核のごみで苦しまないように、関連調査や研究を徹底的に行うのが現世代の役割と考えております。深地層研究所に反対する人々は、一切の安全確立することなく、負の遺産として次代に残すべきだと無責任な主張をしているように思います。本当にそれでよろしいのでしょうか。」というのが出ておりました。ちょっと忘れましたけれども、私は幌延の核貯蔵研究施設について勉強させていただいたのです。原子力発電所はちょっと危険だなという感じがしておったものですから勉強させていただいたのですけれども、内容をずっと勉強させていただいたら、これは安全だなというように私は感じてまいったわけです。そして、3年間に皆さんに視察をしていただいたのが、100人ぐらい視察していただいたのです。その方々は、原子力発電というのは恐ろしいものだと思ったら、これは安心できるねということでございました。以上で発表を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。  

【中川平和運動センター事務局長 渡辺 雅弘】 
 まず最初に、この道民の意見を聴く会という会が一方的な提起と参加者の意見陳述だけで、やったという既成事実に終わらないということを期待しております。案内の文書の中では、今回の意見陳述に関しては道の回答は一切ないということでありますけれども、今後の道の考え方にどう反映されていくのか、また、そういった議論経過を明らかにしていっていただきたいというふうに思います。まず、今から約15年前、当時動燃、低レベル放射性廃棄物の誘致から高レベル放射性廃棄物といったことへの施設誘致を表明してきております。当時から私たちも、そういった高レベル放射性廃棄物の関係に関しましては反対をしてきたところであります。当時の動燃の体質といいますか、闇夜に乗じて現地踏査を行うようなアリバイづくりをしたり、ヘリコプターによるボーリング機材の搬入といった、要するに強硬な行動をとっておりました。そういった部分に関しましても私たちは、組織は新しくなった、核燃サイクル機構というふうに名前は変わったわけですけれども、私たちの感じている不信感というのは一切払拭されないのではないかというふうに思っております。そのころ私たちもいろんな核廃棄物関連の勉強をさせていただきました。当時動燃のパンフレットの中に、キャニスターのそばに立って女の人が紹介している写真があったわけですけれども、中川で前に、十数年前、「東京に原発を」という本を書いた著者の広瀬隆さんという方がいらっしゃいまして、こういったパンフレットは絶対あり得ないと。そういうキャニスターのそばに立っただけで人間はほとんど即死状態になるというようなことを言われておりました。そういったパンフレットに関しましても、今回の核燃機構さんが持ってこられた資料の中には全くそういった部分はありませんでしたけれども、当時はそういったデリカシーのないというか、危険性を全く唱えないというようなやり方をされていたというふうに私たちも思っております。そういった部分、ましてや昨年、一昨年の原発事故や事故隠しなどに見られるように、私たちが思ってもいないところでいろいろな事故が起きている、そういった部分を公表されない。発覚してからというようなところが非常に道民、日本国じゅうそうですけれども、不信感を抱いているのではないかというふうに思っております。原子力政策についても、世界各国が原子力発電の危険性を認識した中で、新規原発計画の見直し、または稼働中の施設も縮小していくという現状にあるのに対して、日本は原子力発電を一方的に推し進めるといったような、世界の流れに逆行しているというふうに言わざるを得ません。私たちというか、地元のエゴというか、私のエゴであるかもしれませんけれども、そういった研究施設や処理施設をどうしてもつくらなければならないのであれば、なぜ原子力発電施設の敷地内に建設することを計画しないのかというところを、これは感情的な部分も非常にありますけれども、そういったところが全く見えない。手を挙げたところだけを指名してやっていく、そういったところが、私たちも、手を挙げたところと核燃、または科学技術庁の方々がどのようなお話をされているのかわかりませんけれども、そういう選考の不明さというのもあるのではないかというふうに思っております。道内でも、産業廃棄物施設の関係の建設計画に対して住民の反対運動はいろいろありますけれども、近くでは鷹栖ですか。あとは道の方が許可するかしないかにかかっているという話ですけれども、そういった部分で反対運動が起きるというのはそういった、これは産業廃棄物と核廃棄物の違いもありますけれども、いろんな部分で危険なものだとか有害なものだとかが含まれている。ましてや、そういう廃棄物施設にかかわる部分については、必ずと言っていいほど風評被害があるということだと思います。一番怖いのがこの風評被害でありまして、この道北酪農地帯における核の施設に関して、どういった調査研究施設であっても、そういった風評被害はあるというふうに私は思っております。そういった部分をどういうふうに考えているのか。道の方々がそういった部分もどういうふうな認識をされるのかというのはわかりませんけれども、今回この隣の町の幌延にできようとしている施設が核関連施設でありますし、そういった部分に関しましては、エゴと言われましても絶対反対していきたいというふうに思っております。また、道の方は、放射性廃棄物の最終処分にならない、持ち込ませない担保措置をとると言っておりましたけれども、先ほど配られた文書の中でも、最終処分の権限は通産省が持っているというふうに聞いております。最終処分の権限を持っていない核燃サイクル機構さんや科学技術庁さんとその担保をとるという、どういう担保なのかというところがいまいち不明確だというふうに思っております。権限のないところとの担保措置、そういうのも非常にわからないということで、不安だというふうに思います。最後に、泊3号機の知事判断に見られるような不明瞭な判断をしていただきたくない。きちっと説明できるようなことをしていただきたい。将来ここに住んでいる人たちに、どうしてこんな施設をつくることを許可したのかということを言われないためにも、あらゆる核関連施設に対して反対していきます。以上です。

【三和 寿志】 
 中川町、会社役員の三和寿志でございます。資料の中にございます陳述者発言趣旨にありますように、私、深地層研究所計画について賛成の立場から意見を述べさせていただきます。資源に恵まれない我が国、電気エネルギー源として長い間石炭、石油を利用してまいりましたけれども、限りある資源エネルギーを考えると、効率のよい発電ということで原子力発電が生まれ、そして稼働しているという現状を理解しております。安全確保を大前提に原子力政策は進められておりまして、現在全国で51基動いておりますし、道内でも泊1号機、2号機の2機が稼働しておりますし、先般、3号機の増設について北海道電力より申請が出ましたが、その結果を堀知事は容認したというふうに報道されていることを私も認識しております。全国的においてクリーンエネルギーということで、原子力発電所を減らそう、そういう動きはございますけれども、その中で、道内にもクリーンエネルギーによる風力発電の機数も相当数ふえてきてはおりますけれども、電力需要の中からすると、安定度、そして採算面からいっても、風力発電所に頼り切れるということは不可能であろう。それ以上に、30%以上を超える、3割以上を超える原子力発電所にかわるものは今のところないであろう。反対派の方々が申し上げておりますように、原子力がだめであれば、それに代わるエネルギーを皆さんが考えて提案していただかなければならないのではないかというふうに感じております。したがって、原子力発電が今ある以上、原子力発電とともに避けられないものは放射性廃棄物、特に使用済み核燃料から再処理する際に生ずる高レベル廃棄物は、どこに安全に処分するかと、これが必要であり、そのために、安全に処分するための研究を一日も早く着手することが今必要な時期に来ていると思います。研究主体となる核燃料開発機構ではございますけれども、旧動燃時代に、残念なことに放射能漏れですとか、ナトリウム火災を起こしておりましたし、また昨年のJCOの臨界事故についても、推進する我々ですら考えられないような人為的なミスとはいえ、実際事故は起きております。また、これを監督・指揮する科学技術庁についても、どうも形が見えてこない、姿が見えてこないというのが現状でないかというふうに私は感じております。しかしながら、それをおざなりにするばかりではなく、前に進めていく、そしてそれがどうなっていくのかという勉強もしなければならない。私、個人的に東海村のサイクル機構研究施設は相当数見させていただいておりますし、今年の2月には東海村のサイクル機構本社の隣のアトムワールドで、この深地層研究施設のシミュレーションの疑似体験もさせていただきました。これについて体験して、肌で感じ、目で見て、まさに世界の最先端の技術をこの道北の地に持ってくるのだな、そこで研究をするのだなということで、これは核燃料サイクル機構だけではなく、科学技術庁、そして国の技術を私は信頼していきたいというふうに思います。深地層研究施設について、核燃料サイクル開発機構は、先ほどのパンフレットにもございますように、放射性廃棄物は持ち込まない、使用しない、将来的に処分場にしないということも明確にしておりますし、科学技術庁も、地元がノーという状況が出れば、道内が処分場になり得ないということを堀知事にも回答しております。幌延町における深地層研究所計画は核抜きの研究施設であるということは、知事の公約に沿ったものだというふうに考えております。道の考え方でこのまま進めるべきだというふうに思います。今日のこの道民の意見を聴く会を初め、科学技術庁はもっともっと前面に出て、国民に、そして道民にわかりやすい説明をしていただきたい。そして、監督官庁としての立場をしっかり見えるものにしていただきたいというふうに思いますし、核燃料サイクル開発機構におかれましては、我々住民に不信感を持たれないような、地域住民に対してよく声を聞く開かれた研究施設となるような情報公開を徹底して行っていただきたいというふうに思います。あわせて、雇用の場がふえ、そしてこの中川町も地域の振興につながるような、そんな施策も北海道、科学技術庁、そして国と協議しながら地域振興を図っていただく、それがこの地域としてのこれから生きていく道の一つであろうというふうに考えております。以上、賛成の立場から私の意見を述べさせていただきました。ご清聴ありがとうございました。

【北海道教職員組合中川支会事務局長 倉内 直樹】 
 北教組中川支会の倉内と申します。本日は、この道民の意見を聴く会に中川支会を代表して意見を述べさせていただきます。よろしくお願いします。まず、深地層開発は、高レベル放射性廃棄物の最終処分としての研究が中心となると思います。この高レベル放射性廃棄物の最終処分を深地層でということには幾つもの問題があります。一つ目は、原発を今後も推進していこうとすることによる問題です。確かに現在、日本のエネルギーの3分の1ほどは原発によるものです。しかし、本当に原発による発電は今後も必要なのでしょうか。先進国のほとんどが原発を縮小しようとしている今日、しかもそれを住民の意思として行っている世界全般の現状に反して、日本はほとんど唯一原発を推進しようとしています。原発は、エネルギー効率や二酸化炭素の点などで現在の他の発電よりもすぐれていることは事実でしょう。しかし、チェルノブイリのような事故が起これば、放射能被曝、大気汚染など、数世代にも及ぶ大きな被害が引き起こされることは明らかです。しかも、日本においても、その安全性の不確実さはここ数年で実証済みです。このような危険と不安を常に住民に与えるような原発は、絶対に推進するべきものではなく、なくしていくべきものであると考えます。さらに、原発では放射性廃棄物の問題が起こります。原発による放射能の半減期は数百年と短いと言われています。しかし、それは逆に言うと数百年もあるのです。この核のごみは、負の遺産として数世代後の子供たちにまで伝えていかなければならないのです。未来を担っていく子供たちのためにもそのような負の遺産を残してはならないというのが、教職員として切に感じていることです。このようなことから、まず、原発を推進していこうとする政策に反対し、それに伴う核のごみを今後も出して処分していこうとする考えそのものに反対します。原発縮小を進めているスウェーデンなどでは、代替エネルギーの問題で悩んでいるという話も以前聞いたことがあります。しかし、それについてもいろいろな考えが既に出されているのはご存じのとおりです。数年前の資料かもしれませんが、日本では、1年の95%は原発なしでも電力量は事足りているそうです。足りなくなるのは真夏の数日、日中のエアコンを大量に使用するときだけだそうです。つまり、現状ではそれほど原発はなくてもよいのです。さらに、これも数年前のものかもしれませんが、日経サイエンスによると、全国の70%の家に太陽電池を設置すると、日本の電力消費量の78%を賄うだけの電力量が生まれるそうです。しかも、その経費は原発よりもずっと安くできると試算されています。そのほかにも、科学の目覚ましい進歩につれて、いろいろな方法が代替エネルギーとして可能となってきていると思います。ですが、何よりも大切なことは、エネルギーの消費を抑える工夫をすることです。このことが今後何よりも求められていくことではないかと考えています。このような工夫を行っていくことにより、原発に頼らないでもよい社会は実現可能なはずです。これからはエネルギーを消費する社会から脱却することを目指し、環境に害の少ないエネルギー体系をつくることを目的としていかなければならないと思います。このような意味からも、現在の原発を推進していこうとする考えには賛成できないのです。二つ目として、地層処分に対しての不安です。1999年11月26日に核燃料サイクル開発機構から原子力委員会に提出された「我が国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性-地層処分研究開発第2次取りまとめ」について、原子力資料情報室というところでは以下のように述べています。この第2次取りまとめは、地層処分の実施可能性や安全性にかかわる多くの重要な事項について恣意的な解釈と評価を行い、不確実さに対して科学的に真摯な検討を経ることなく、地層処分が行えるというあらかじめ定められた結論を導いている。これら多くの恣意的で不確実な点は、第2次取りまとめの技術的信頼性が著しく低いことを示していると同時に、日本において地層処分を実施することが困難であることを強く示唆している。これにはさらに、地層の長期安定性の問題、地下水の問題、ガラス固化体の安全性などが問題として指摘されています。このように、地層処分がかなり不確実なものによっていることも大きな不安ですし、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律についても大きな不安があります。それは、この法律は計画的に確実に実施するということを目的としており、安全にということを中心としてはおりません。それは、さっさと埋めてしまいたいというような原発を動かす側にとって都合のよい法律であるということが、ここからもうかがうことができます。さらには、放射性廃棄物の後始末の責任の所在が十分に示されていないなどという問題もあり、このような不安を抱えたままで深地層について研究を進めていくことは、無謀としか言いようがないと思います。原発に伴って発生する高レベル放射性廃棄物は、後の世代に残さなければならない最大の負の遺産です。そうであればこそ、まず、今後はその放射性廃棄物を出さない社会体系をつくり、今あるものについては、後の世代の負担を小さくする方法を模索するべきだと思います。これまで述べてきたように、現在の世界の現状に反した原発を推進する政策、そしてそれに伴う放射性廃棄物の安全性の不十分な処分方法の推進に反対ということを踏まえた上で、今回の幌延町における深地層研究所計画について、さらに意見を述べたいと思います。幌延の深地層研究所には核廃棄物を持ち込まないと幌延町を初め、道や核燃料サイクル開発機構は明言しています。しかし、その周辺地域や施設に近い同じ地層の地域等について核廃棄物を持ち込まないとの記述はなく、なし崩し的に核廃棄物処理施設を建設される可能性があります。先ほどそのことについて説明がありましたが、その疑問は払拭できません。また、国の政策の中では処分法案など問題の多い政策しか示されておらず、このような中で幌延町に深地層研究所計画を推進していくことには全く反対です。このようなさまざまな問題を抱えた幌延町における深地層研究所計画は撤回していただくよう強く求めるものです。それともう一つ、この深地層計画についてこれまで懇談会などが行われてきましたが、その中でも多数の反対意見があったにもかかわらず、この計画を推進しようとする動きしか見られていません。この今回の道民の意見を聴く会でも、意見を聞くだけにとどまってしまっては全くやる意味のないものになってしまいます。道民の中には反対意見が多数あることを十分に理解していただき、今後それに基づいた手段をとっていただきたいです。そこでまず、本当に道民に合意を得ているかどうか、アンケートをとってみてはどうでしょうか。道としては、この計画に関して、道民合意を得ながら取り組むとしています。しかし、この道民の意見を聴く会では、前回の幌延町でも複数の反対意見が出され、中川町でも反対意見が複数出されております。このような現状を踏まえると、道民合意を得ているとは言いがたいと考えます。そこで、最低でも道北住民を対象としたアンケートを実施して、本当に道民合意を得ているかどうかを確認していただきたいのです。このようなはっきりとした形で道民の合意が得られているかどうかを確認し、それに基づいて計画を考えてください。現在、公共事業でも見直しが進められています。これからは、計画があるから進めるのではなく、本当に必要で、地域に求められているかどうかを十分に確認した上でなければ計画を推進してはいけないと思います。我々の生活に直接かかわってくる問題だけに、その点を十分配慮していただきたいです。最後に、原発に伴って発生する高レベル放射性廃棄物は、後の世代に残さなければならない最大の負の遺産です。そして、その処分方法が、我々のみならず、次世代を担っていく子供たちなど数世代にわたって危険を伴っていくものである以上、絶対に許すことはできません。これからも十分に研究を重ね、話し合いを積み重ねて、深地層処分とは違うよりよい方法を模索していただきたいです。そして、このような反対意見が今後の計画に対して効力を発揮することを願い、北教組中川支会の意見とさせていただきます。ありがとうございました。 

【大島 保雄 本人欠席のため発言要旨を代読】 
 幌延町で深地層研究を行うのは、研究に適した堆積岩が広く分布して安定した地層である事と、塩水系の地下水が存在することから深地層の研究の場として必要な条件を備えている事。原子力発電が主流である現状を考えると、原子力の廃棄物処理問題は解決していかなければならない問題であり、また、原子力政策を進めるに当たって地元の理解と協力があると聞いています。他の有力な処理方法が発見されていない現状を考えると、安全性を確認する意味でも深地層研究を実施すべきだと思います。私は、賛成したいと思います。以上でございます。 

【吉田 寛】 
 お手元の書類に記載されているとおりで大変申しわけございませんが、私なりの賛成意見を述べさせていただきます。幌延町の深地層研究所の設置は、これからの地球開発にとってなくてはならないものであり、時代の先端をいく施設が近隣の町村にできるのは大変名誉な事ではないでしょうか。今後のエネルギー問題を考える上で、我々地元住民が深地層研究所についてもっともっと柔軟な考えで理解、対応し、町の活性化につながるのであれば、住民皆で応援してみてはどうかなと私は思います。以上です。ありがとうございました。 


2 意見記入用紙による意見等 

【名寄市 天野 信二】 
 何故、幌延なのかわかりません。
 ただ幌延がOKを出しているという理由では理解できません。 
 処分地の考え方を明らかにしない(北海道を除くとか)と、研究は認められない。  

【中川町 西田 秀巳】 
 深地層研究の事業主体は、その研究実施区域においては核抜きを明確にしているが、科学技術庁は区域外の幌延町の地域や隣接自治体において核廃棄物の持ち込みや貯蔵、処分場の立地の可能性について否定していません。これは先行立地等の余地を残すことにつながる。
 担保措置として「放射性廃棄物の持ち込みは認めない、貯蔵や処分場につながらない」ことの担保が確保されなければ、道民の合意は得られない。しかるに、当事者間の契約行為である協定が運輸省との間でないどころか、科学技術庁が立会人という不十分なものである。省庁再編はどうなのか。
 中川町にできるということもありうるのか。
 担保措置に実効があるのか。大変不安である。
 核関連施設の計画を撤回してほしい。

【豊富町 野口多美次】 
 科学技術庁、核燃料サイクル機構、の説明を、聞いて感ずることは、まず廃棄物は今後も将来に渡って出すということ、つまり危険な原子力政策を特に原子力発電を将来にわたって中止しないことを前提にしている事に一番の問題がある。原子力発電を何年か後に中止し、それまでに出た廃棄物を何とかしなければならないと云うならば、他の意見も考えられるか、この前提無しではどの様な言動を表明しても説得力ある説明にはなり得ないのである。
 ましてや、法律や約束事は公共の立場にたってという名目でいつでも変えられるたぐいのものである。
 以上のことから、まず国や核燃、その他の関係機関が危険な原子力政策の大転換を表明し国民に示されることが大前提であることをいいたい。
 それまでは、いかなる計画にも反対し、今回の幌延町での研究計画も又同じことである事を意見としてのべておきたい。 

【中川町 山本 豊】 
 協定に反することがあれば、ハキし、復元させることを協定にもり込むのか?
 ぜひ、周辺を含めてアンケートを取ってほしい。  

【中川町 渡辺 雅弘】 
 今後の議論経過について明らかにしてもらいたい。
 道は、早急な結論を求めず、じっくり検討して下さい。  

【不明】
    地域振興に
 深地層研究が地域に及ぼす経済効果を考えると、幌延町に立地されるとはいえ160人の人員計画の施設建設費340億、約35億円の調査費は、相当な波及効果をもたらすものと、考えられます。
 国際共同研究の実施や海外の研究者の招へいを積極的に推進し国際的に中核となり得る総合的な、研究センターとして発展を目指すわけであるから稚内空港の利用実績の増加につながり各業種業務に目に見えて効果が上がるものと考えられます。また地元雇用についても優先するとされており雇用の場が確保できることは周辺の地域にとって喜びであり、現在一人二人の事業所でも進出して来ることは貴重なことであり深地層研究所のように160人規模の研究所の進出は幌延町のみならず天北地域全体の活力につながるものと信じます。
 どうか知事におかれましても地域事情をご賢察いただき前向きなご判断をされますようお願いします。
 きたいときぼうをもてると信じます。  

3 意見陳述者以外の応募者からの意見等(当日の意見陳述は辞退) 

【斎藤 守生】 
 深地層の研究が一般の人々に不安や不信を生じる事につながると問題は非常に大きくなると思います。しかし、現在の計画は、放射性廃棄物を持ち込む事や使用する事は一切ないと断言している事から将来の研究が目的である。地下深部の状況を確認するための基礎研究でもある。幌延町の場所で研究協力ができれば、この地域での活性化につながると思います。  

【菊池 広幸】 
 深地層研究所が実施されると将来において、幌延町など、北海道内での処分場の立地につながるのではないかと心配される方もいますが、科学技術庁やサイクル機構は、北海道知事に対して深地層の研究施設が処分場につながる事はないと言っています。又、通商産業大臣は、概要調査地区等の所在地を定める場合は、「所在地を管轄する都道府県知事や市町村長の意見を聴き、これを十分に尊重しなければならない。」と規定されている。この事を考えると深地層の研究所は幌延町で実施しても問題はないと思います。  


4 会場参加者との質疑等 

【中川町 ニシダ】 
 こんにちは。中川町に住んでおりますニシダと申します。よろしくお願いします。私は、核関連施設の計画をぜひとも撤回していただきたい、そういう意見を持っております。と申しますのも、深地層研究の事業主体というのは、その研究実施区域においては核抜きを明確にしておりますが、科学技術庁は、区域外の幌延町の地域及び隣接自治体において核廃棄物の持ち込みや貯蔵、処分場の立地の可能性については否定しておらないと思います。これは選考、立地等の余地を残すものではないかというふうに考えるわけでございます。担保措置として、放射性廃棄物の持ち込みは認めない、貯蔵や処分場にはつながらないということの担保が確保されなければ、道民の合意は得られないというふうに考えるわけでございます。しかるに、当事者間の契約行為であるところの協定が通産省との間でないというところ、それどころか科学技術庁が立会人という、そういうふうな不十分なものであると。大変残念なものであると思います。それに関連しまして、省庁の再編、そういうふうなことも絡みまして、通産省がどのような権限と責任を持って行ってくれるのかと。行ってくれるか行ってくれないかということにおきまして、そういうふうなことも大変不安を感じるものでございます。私、中川町に住まいさせていただいておりますけれども、この中川町にそういうふうな核関連施設が、何と申しましょうか、できないでほしいものであると。私個人、ひとり云々というわけではなくて、これからの中川町に住まいされる方々、そういうふうな方々に対しての責任ということも私自身考えるわけでございます。今言われているような担保措置に本当に実効があるのかと。実際の効力があるのかということ、大変不安でございます。 以上でございます。  

【中川町 フジモリ】 
 中川町のフジモリと申します。多くの方から意見が出されていましたけれども、道民合意ということで今回道民の意見を聴く会ということが開催されたと思います。でも、この中身を見ますと、どうしても8月中に9市町村をこの昼間から、皆さんお忙しい中今回来ていただいて、いろいろ意見をいただいているのですけれども、どうも行政というのは、こういう会をやって、やったという証言をもとに道に帰っていってどういう報告をしているか、自分たちになかなか見えてこないのです。ただやったという口実をやって、近隣市町村を回ってきました、札幌で開催しました、多くの皆さんから意見を聞きました、そういう形の中で本当の道民の意見を聞けるのかというのが、今までのそういう幌延関係の道の対応やなんかですごく不安も持っていますし、不満があります。実際本当にそこの中身を自分たちの現地に折り返し往復運動というか、キャッチボールというか、そういうような聞き返し等とか、そういうのをもう少し地域に戻していただければ幸いかと思います。それとあと幌延町研究所、そして多くの方が一番不満に思っているのは、研究所をつくったら、やっぱり最終処分地に来るのではないかというのが多く不安を持っていると思うのです。いろいろ担保措置とかなんか皆さん言っていますけれども、最終的にこれから年度を重ねることによってわかりません。そして、最終処分地云々といったら、多分、だれが町長になっているかわかりませんけれども、幌延町はまた手を挙げると思います。研究所はあるし、金もなくなったし、ここで一緒に云々となるのが多くの道民の方は思っていると思います。そこをどういうふうに克服していくというのか、そういう不安を取り除かない限り、自分たちもずっと反対していかざるを得ないし、その辺やっぱり多く住民の理解、地域の理解等を聞いていってもらわなかったら全然だめだと思います。そして、これは個人的ですけれども、自分、もう15年間幌延とか中川に住んでいますから、幌延問題にかかわっています。どうも科学技術庁とか動燃さん、今名称が変わって開発機構になりましたけれども、過去の行動とか言葉のうそ、そういうのが私たち一人一人心の奥底にずっと残っています。本当に信じられません。一言一言、一介のマスコミ等、新聞等で、多くの方で、いや違いました、また釈明します等々の意見を聞きながら、そしていざこういうふうにすばらしい言葉でいろいろ説明していただいても、やっぱり心の奥底には不信感を抱いています。そこを、今までのことを反省しながら、道民に理解を求めるような行動とか、そういうのをとっていかなかったら、近隣市町村としては、そういうふうに一回裏切られたことに対してのあれをどういうふうにするかというのは、すごく自分も不安ですし、これからも信用していくつもりは全然ありませんし、そういうように一人一人の人間がいることをどういうふうに助言というか、不安を取り除くような行動というのが見えない中で、ただやるやるという先行しているだけでは、やっぱり地元住民としては理解できません。以上です。どうもありがとうございました。  

【中川町 ヤマモト】 
 中川町に住んでいますヤマモトといいます。この会、意見を聴く会ということで今日参加させてもらっていますが、実は2年前ですか、この計画が提案されたというのは。私も含めて多くの道北の人が、実はこの2年前の計画されたものでなくて、15年前ですか、高レベル廃棄物処理施設の関係、これがどうもひっかかっているのが実際なのです。そういう意味で、どうもこれを入れると、実は裏があるのではないかという疑念がちょっとわいてくるところが一つあります。それに対して、違うのだというのなら違うなりのちゃんと説明して、道の方が言われていました担保、実効性のある担保がちゃんとあるのかというのをちゃんとあれば説明してほしいと思っています。それがあいまいなままで今日まで来ているし、今日だって、ご意見を聴く会だって平日の1時から、これ、来れる人もいますけれども、勤めをしている方は来れないと思います。そういう意味で、もっと広く、多くの人の声を聞くというのは大事なことだと思いますから、この計画というのは大事なものだと思いますから、もっと広く聞くということは直接具体的にやってほしいと思います。やろうと思えば何ぼでもできると思います。時間もあると思います。アンケートなり道民意見を含めて、投票でもいいですから、やってほしいなと思っています。それとともに、ホームページを開いて、今まで道の方で話していることは開いていますと言っていますが、みんながみんなパソコンを持っているわけではないですし、直接地元の方に説明をしているということはあるのでしょうか。ほとんどの方が知らないと思います。新聞で見るのが精いっぱいだと思っています。それであれば、時間をそんなに気にせずにもっともっと説明をしてほしいと思っています。そういうことが不安や、何かやっているのではないかと思われるような疑義というのですか、そういうのをなくす一つだと思っていますから、急がないで、もっともっと真摯に考えながら説明や検討をしてほしいと思っています。以上です。  

【道からの回答】 
 3名の方々、貴重なご意見いただきましてありがとうございます。質疑というよりもご意見として承って帰らなければならない部分が多かったかなというふうに思っておりますけれども、担保措置のことに関する不安、その実効性、そういったことがお話しされたというふうに思います。道の方で、先ほどご説明したように、担保措置の方策ということで、研究を行う地域そのものに対する担保措置と、それからその周辺に分けての二つの考え方を今回示させていただきました。研究を実施する区域そのものに関してですが、手前みその話し方になろうかと思いますけれども、まずその協定が有効、現実的というふうなことで私ども整理させていただいておりますけれども、その前に、例えば道の考え方を示した際に対する国やサイクル機構の回答が現実にあって、意に沿わないことはしないということもありますし、サイクル機構そのものもそういった約束を責任持って果たすのだという意思表示をされております。また、これまたご存じだと思いますけれども、幌延町自身も条例をつくられて、この施設の誘致促進は図るけれども、放射性廃棄物の持ち込みは認めないと、そういった前段のいろんな環境があります。ある中で、それでもなおかつ不安があるという、そういう声も私ども受けとめておるのも事実でございまして、それらの不安の払拭というものの方策ということで、一つには、研究実施区域に関する協定というものを考え出してきたものであります。協定の有効性ということでございますけれども、まず一つに、先進地といいますか、先例がある、前例があるということが一つあろうと思います。それから、協定そのものは関係者、お互いに合意の上で締結されるわけですから、それは民法上で言う契約行為ということであって、お互いにそれを忠実に履行する義務を負うという立場に立たされるものであるわけです。もちろん信頼関係がなければ協定は結べない部分でありますけれども、その中にかつてのいろんな地域の方々の不興、不快感があったという、本当にそれも事実でございますけれども、新しく組織がえをしたサイクル機構、あるいは科学技術庁、あるいは幌延町という自治体、そしてさらにそこに道も絡んで、こういった中で協定をするということになれば、これを重大な信義にもおとる行為があるとすれば、これはもう恐らく国内的に抹殺されていく組織になっていくのであろうというふうに思います。そのことの重みというものは、今申し上げました関係の団体というのは、十分、十二分知っての上で協定が果たされるのであろうというふうに考えております。また、一般的な法律のように、法律ありきで処罰ありき、そういった形で処罰の実効性というのは図られていっているわけですけれども、私どもとしては、そういった罰則という一つの縛られ方の世界もありますけれども、当事者間で約束したことに対する守る義務、そこのところの心理上のものも非常に大きいものがあろうかと思います。仮に、本当に考えられないというふうに思いますけれども、もし仮に何らかの万一のことがあれば、それはもう即刻研究停止だとかそういったことを考えておりますので、協定がお互いに納得できた形で合意に達することができれば、私は実効性は十分に図られていくのではないかというふうに思っております。一方、隣接地といいますか、周辺地域に対する不信でございますけれども、一つには、たまたま先般浜頓別町議会が、私内容をつぶさに承知してございませんけれども、議会の議決としてそういうふうな拒否の議決をされております。こういったことも一つの方策かなと思いますし、道も道自体で今後の方策ということも考えておりますけれども、先ほどの話の中で、科技庁あるいは通産省、その約束事、所轄官庁でないとか、そういったお話も出ました。もう既にきっと承知されていることだと思いますけれども、改めて私の方からお話しますと、科技庁が北海道に対して、北海道の地元が嫌だよと言えばそういうことはあり得ないよということで見解を示してございますけれども、その見解そのものは、このたびの処分法を所管する通商産業大臣は、それはまさしく認識しておりまして、国会答弁の中で、かつて北海道、青森、岐阜、こういったところと科技庁が取り交わした見解については、それはまさしく通産省が持って、それを承っていくのだというふうな国会の中で答弁されております。そういった場でやられた政府答弁というのは重いものであるというふうに思っておりますし、ですから、科学技術庁が所管庁でないと言われますけれども、それは大きく言えば政府一体といいますか、そういう中でその気持ちが受け継がれているものだというふうに解釈しております。しかしながら、道は道として、今後またさらに安心の一歩を踏み出す、あるいは条例なのか宣言なのか声明なのか、そういったことも考えていきたいと、こういうふうに思ってございます。  

【科技庁からの回答】 
 先ほど溝井参事の方からもご説明がありましたけれども、最初のニシダさんのご質問の中で、省庁再編後は一体どうなるのかということでご質問がありました。まさに今、溝井参事の方からご説明したとおり、科学技術庁がこれまで北海道知事に対して、あるいはほかの青森、岐阜県知事に対しまして政府としての文書、科学技術庁長官としての文書を出させていただいておりますけれども、この考え方につきましては、国会の場で引き続きこの法案の法律、新しい最終処分の法律ですけれども、この成立後も通商産業大臣が、引き続きこの有効性は変わりませんということは答弁されています。それから、省庁再編後でございますけれども、通産省は経済産業省ということで、そのまま事務は引き継ぎますので、この考えは変わることはないものというふうに考えております。それから、1点、研究所をつくったらそれが最終処分場になるのではないかというご懸念をおっしゃった方がいらっしゃいましたけれども、ぜひ押さえておいていただきたいのが、この研究の計画、これはあくまでも核燃料サイクル開発機構が行うものでありますし、処分場に関する今後の取り組みというのは、新しく今度設立されます原子力発電環境整備機構というものが担ってまいります。したがって、これらは全く別個の法人でありますし、それから、これは通産大臣がやはり国会で法律の議論のときに答弁しておるものでありますけれども、そもそも概要調査をやって、それから精密調査をやっていくという、こうした手続の中でも地元の意見は極力取り入れるべく最大限努力をしていくと。それで、少なくともこの所管する都道府県知事、それから市町村長の意に反して概要調査地区等についての最終処分計画に記載することはないというふうに答弁もしております。以上です。  

【サイクル機構からの回答】 
 サイクル機構の圓山でございます。今日は大変お忙しい中お集まりいただき、また貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。先ほどのお三方のご意見に対して、私どもに関連する問題としてお答えしておきたいと思います。まず、第1点につきましては、ニシダさん、それからもう一人の方もあったかと思うのですけれども、要は、私どもの今回の新しい計画につきまして、その前提として廃棄物を持ち込まないということを明確にして道及び幌延町に申し入れさせていただいているわけですけれども、それは信用ならないと。幾ら協定等の担保措置をとっても十分でないと、こういうご意見があったかと思います。本件につきましては、道の方で今後検討していただきまして、前向きに対応していただくということを前提に考えましてお答えさせていただこうと思うのですけれども、あくまでもこれまで申し入れの際に私どもがお約束させている事項につきましては、協定等で一応再度きちっと確認をさせていただこうと、こう考えております。協定の法的根拠云々で、いろいろなところでご意見があることも我々十分承知しているところでございますけれども、先ほども溝井参事の方からお話がございましたように、これは私どもと、それから北海道さんと、それから幌延町さん、この当事者同士で約束事をきちっと契約行為として取り交わすわけでございますから、これについては我々はきちっと守っていかないといけないし、また、法的にもこの協定につきましては実効性があるというふうに我々理解しているところでございます。それから、幌延さんの従前の誘致経緯から、今度の新しい計画の誘致については、また将来廃棄物なんかの持ち込みの誘致をするのではないかと、こういうご意見がございましたが、これももう既にご案内のように、幌延町さんは去る5月に、いわゆる私どもの新しい計画の推進をしていただくということと、この新しい計画におきましては廃棄物を持ち込まない、いかなる廃棄物も持ち込まないという条例を議会の多数で決めていただいております。これは自治体の取り決め事であるわけですけれども、我々としてはこれを真摯に受けとめて、遵守していくという心づもりでおりますことを改めてご紹介させていただきたいと思います。それからもう一点は、フジモトさんだったと思うのですけれども、かつての、いわゆる旧動燃時代の前の計画における私どものいろいろな対応についてのご批判があったことかと思います。過去のいろいろな動き等からして、幾ら新しい計画を出直しして提案されても信用できないと。いつまでも当時いろいろ対応した動燃の姿が心の底まで地元、周辺を含めて残っていると、こういう厳しいご意見だったと思います。かつては本当に地元、周辺の皆さん方に対しても、私どもの旧貯蔵工学センター計画における地元の調査におきまして、いろいろご迷惑をおかけしたということはそのとおりだと思います。これは何回謝っても謝り切れないと、謝ってもらっても仕方ないと、こういうおしかりをいろいろなところで受けているところでございますけれども、この問題については、先ほども事故等の問題についても言及されておりましたが、再処理の事故とか、あるいはもんじゅのナトリウムの漏洩事故、こういうことで私どもは非常に厳しい国民の審判を受けた次第でございます。その結果、2年前に、平成10年の10月に動燃から新しくサイクル機構という形で改編されたわけでございます。現在経営者及び職員一丸になって、そのかつての動燃のまずさについて大いに反省しながら、新しい、いわゆる地元の皆さん方に理解を得る方策をいろいろ取り組んで、今努力しているところでございます。言葉では簡単に言って、その姿は皆さんの前にまだお見せできていないというところでございますが、この新しい計画の中で、皆さんからご指摘を受けている部分については我々は前向きに改心して取り組んでいきたいと、こう思っております。その形を今後見ていただければと、こう思っております。よろしくお願いします。

【道からの回答】 
 北海道でございますけれども、ご3人からいただきました内容の中に、苦情といいますか、ご指摘といいますか、おしかり、そういったものも確かにお伺いしました。例えば、ヤマモトさんからいただきました、平日のこういった時間帯に仕事を休んでまでというふうなこともございました。本当に受けとめさせていただきたいと思いますし、また、前段陳述させていただきました方々のご意見もあわせて整理させていただきまして、知事あるいは道議会にこの内容を逐一漏れず報告させていただきたいと、かように思っております。 

【中川町 タムラ】 
 地元中川町に住んでおりますタムラと申します。1点だけなのですが、道、それから科学技術庁、核燃料サイクル機構とそれぞれ、先ほど来地元という言葉がたくさん出てくるのですが、その地元という地域、範囲についてどう考えているのか。私は、いろんな風評被害等々、実際に施設ができる幌延町だけではなくて、近隣の町村ともいろんな影響があると思います。影響がある近隣町村等は私は地元と考えています。この点について、それぞれ三者の地元という考え方についてお聞きしたいというふうに思います。私は、その地元の範囲に近隣町村も含めるべきだというふうに思っています。お願いします。

【道からの回答】 
 決して意図的でないので、ご承知いただきたいと思うのですけれども、場面で地元の使い分けは確かにあろうかと思います。それで、私どもの道の基本的な考え方という部分で先ほど説明させていただきました。そこで言うのは、協定に関与する地元という言葉で使わせていただきまして、協定に参画する地元とは何ぞやという部分で、一義的には私どもは協定に幌延町が入るというふうに思っておりますけれども、その協定に周辺の自治体の方々が、我が町民の不安を払拭するために私の町も入るとされるかどうかという、そういうとらまえ方での地元の範囲という部分は、各自治体のご意見をお聞きしてまいらねばならないのかなというふうに思っております。

【サイクル機構からの回答】 
 それでは、サイクル機構の方から、今のご質問に対してお答えいたします。私どもは、基本的には、2年前の平成10年12月に北海道及び幌延町にこの新しい計画を申し入れさせていただいております。そういう意味で、協定上といいますか、申し入れ先における地元として一応北海道と幌延町さんと、こういう考えでございます。ただ、これも道の方の基本的考え方の中で多少ご紹介あったかと思うのですけれども、その申し入れの際に、北海道からの私どもの理事長あてへの照会がございました。そこで、3点の照会があったわけでございますけれども、1点目が、これは繰り返しになって、簡単に申し上げますけれども、いわゆる幌延町における深地層の研究について、研究期間中はもとより終了後においても放射性廃棄物を受け入れる意思はなく、また放射性廃棄物については中間貯蔵施設や処分場についても受け入れる意思はないが、貴機構の見解を示されたいというのが1点。それから2点目が、深地層研究の研究終了後の措置等について、北海道や幌延町及び周辺市町村との間で協議する意思があるかどうかを見解を示されたい。それから3点目が、今述べました二つのことに関しまして、北海道や幌延町及び周辺市町村との間で協定等を締結する意思があるかどうかを見解を示されたいと、こういうご照会文をいただきまして、それに対して、特に2、3点の部分については次のように回答いたしております。幌延町における深地層の研究について道民合意が得られた場合には、深地層の研究終了後の措置等については、北海道や幌延町及び周辺市町村との間で協議します。それから二つ目、3点目ですけれども、上記の件に関しては北海道と協議の上協定等を締結する意思がありますと、こういうお答えをいたしておりまして、基本的にはこのお答えに沿って今後対応してまいりたいと、こう考えております。

【科技庁からの回答】 
 繰り返しになりますけれども、私どもとしましても、協定を締結するに際しての地元という考えで申し上げますと、これは北海道と地元幌延町というふうに考えております。ただし、まさに、先ほどからもご紹介しているとおり、道の基本的な考え方等で、地元についてはさまざまな考え方があるということをご紹介ありましたけれども、その協定で結ぶ範囲、それから、それとの関係でいいますところ、ほかのいろんな考え方があると思いますので、そうした点についてはそれぞれの場面に応じて検討する必要があると思っています。


(敬称は省略させていただいておりますのでご了承願います。掲載内容に誤字、脱字等がありました場合は、ご容赦願います。)


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