農業分野の取組方向

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道としての取組方向

 道として、環境負荷低減に資する農業分野の取組方向として、再生可能エネルギーの活用と温室効果ガスの排出削減に向けた取組があり、次の大きく6つに分類されます。

1_道としての取組方向(大枠)

道における環境負荷低減事業活動【例示】

 農林漁業における環境負荷低減事業活動の促進に関する北海道基本計画」において、環境負荷低減事業活動として求められる事業活動は、次のとおりです。別ページ(道HP)で、これらの事業活動の参考又は関連するページを紹介します。

1_○道の基本計画における環境負荷低減事業活動の類型 (JPG 231KB)

地球温暖化ガス削減に資する基本技術【例示】

 前記のとおり、環境負荷低減に資する農業分野の取組は様々なものがありますが、そのうち、道内の農業生産現場で、取り組むべきと考えられる基本的な技術(既存技術の延長の取組)についてご紹介します。
 この技術は、新たな知見などを踏まえ随時追加等していきます。

水稲における稲わら搬出・たい肥化など

〇 水田は温室効果ガスであるメタンの発生源とされています。
〇 水田のように嫌気的な状態で、稲わらなどの有機物が、メタン生成菌によって分解され、メタンが発生します。
〇 北海道では稲わら発生量のうち73%が水田にすき込まれています。
〇 水田におけるメタン発生抑制に最も有効な取組は、「稲わら搬出」・「たい肥化」とされています。
〇 また、温暖で透排水性が良好な水田では「秋すき込み」が可能であり、「春すき込み」と比較し、メタンの発生抑制効果があります。
〇 稲わらが畜産の粗飼料としてニーズがあることなどを踏まえるとともに、土壌や気象条件、機械の装備状況等、さらには良食味生産や収量への影響などを総合的に考慮し、地域や農家等において「稲わら搬出」・「たい肥化」・「秋すき込み」を検討願います。
〇 なお、次の技術によりメタン発生を抑制できるとともに、水稲安定生産や良食味米生産にも寄与します。
・ 秋すき込み時の微生物資材等の併用による分解促進
・ 透水不良田ではメタン発生が高まるため、乾田化対策や暗渠等基盤整備等により透水性を改善
・ 無代かき栽培は、慣行の代かき栽培よりもメタン発生が抑制される
・ 中干処理や間断灌漑は土壌還元の進行を抑制

グラフ

畑作における減農薬、減化学肥料(クリーン農業技術導入)

〇 畑作生産では、子実乾燥やトラクター作業などで直接発生する二酸化炭素と農薬や肥料、機械の消費に伴う間接的に発生する二酸化炭素のほか、耕起に伴い土壌から発生する二酸化炭素、土壌からの一酸化二窒素があり、1ヘクタール当たり年間1.72トン(小豆)~2.71トン(てんさい)となっています。
〇 道総研の研究では、畑作においてクリーン農業を導入し、農薬と化学肥料を節減することで、一酸化二窒素の揮散抑制と資材製造における二酸化炭素の削減により、温室効果ガスを大きく削減できることが示されています。
〇 また、クリーン農業を導入することにより、化学肥料などの生産資材を節減することにより、生産コストの低減にも寄与します。

クリーン農業技術導入グラフ

たい肥施用による土壌中の炭素貯留効果

〇 我が国最大の酪農・畜産地帯である北海道では、年間約2千万トンの家畜排せつ物が発生し、たい肥やスラリー等の肥料資源として活用されています。
〇 切り返し等たい肥化の過程で温室効果ガスである一酸化二窒素とメタンが発生しますが、麦稈を十分混合することや固液分離により、それら温室効果ガスの発生を低減できます。
〇 品目別のたい肥施用による温室効果ガス発生低減策は次のとおりです。
(1)畑地
・ たい肥を畑地に施用することにより、土壌条件によっても異なりますが、年間140~630kgの二酸化炭素が土壌中に蓄積されます。
・ そのたい肥を連用することによって、土壌中の炭素が年々蓄積されていきます。
(2)施設栽培
・ 施設栽培において、たい肥を施用する場合、未熟たい肥に比べ完熟たい肥は、一酸化二窒素の発生を大幅に減らします。施用のタイミングも重要です。
(3)牧草地
・ 牧草地においても、化学肥料よりもたい肥施用の方が、温室効果ガスの排出が抑制されます。

グラフ

施設園芸(無加温パイプハウス)

無加温パイプハウスとは

〇 暖房を使わずに厳冬期にビニールハウスで野菜を育てる技術が、(地独)道総研農業試験場によって確立されました。
〇 ハウス屋根外張りを二重にして空気膜を作ったり、ハウス内の内側にさらに小さなハウスやトンネルを作ったり、不織布をべた掛けしたりして、ハウス内の最低温度を外気温よりも9~23℃高く維持することができます。
〇 上川北部や空知、渡島、日高管内などで取り組まれています。

無加温ハウス解説図

どんな野菜が栽培できるのか

 道総研農業試験場のマニュアルでは、野菜(リーフレタス、結球レタス、こまつな、チンゲンサイ、紫からしな、みずな、からしな、小かぶ、ベビーリーフ)の栽培技術を提供していますが、「ほうれんそう」や「しゅんぎく」、「万能ねぎ」、「はくさい」などの取組事例もあります。

取組のメリット

①冬季間に暖房を使用しない→燃料費がかからない→経費節減=温室効果ガス削減に貢献
②冬場に道内の消費者に道内産野菜を提供→高収益を期待→地産地消に貢献
③冬場に農業収益を確保

北海道カーボンファーミング推進協議体

「北海道カーボンファーミング推進協議体」とは、北海道農業の脱炭素化に向けて、生産者をはじめ産学官金など、幅広い分野の関係者が集う情報交換と協働の場として、道のホームページ上に設置したバーチャルな協議体です。

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北海道カーボンファーミング推進協議体(各種情報)

  • 北海道カーボンファーミング推進協議体では、随時、参画申込みを受付しています。
  • また、カーボンファーミングに関する情報提供・掲載依頼についても随時、受付しています。

主な関係サイト

上記に関する主な関係サイトは以下のとおりです。

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食の安全・みどりの農業推進局食品政策課のカテゴリ

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