一本の樹木はどのくらい蓄えているの?

樹木が固定している炭素量の推定方法

樹木が吸収・固定する様子

 森林は、光合成により大気中の二酸化炭素を吸収し、炭素として固定しています。二酸化炭素の排出量や吸収・固定量については、二酸化炭素の重量に換算した「二酸化炭素トン(t-CO2)」や二酸化炭素中の炭素重量に換算した「炭素トン(t-C)」といった単位が用いられており、ここでは、炭素トンで表しています。

1.材積(体積)(V)を求めます。

(1) 地際1.3メートルの箇所の「木の太さ(d)」を測り、木の太さより胸高断面積(g)を調べます。

g=(半径(dの1/2))二乗✕3.14

 木の太さは、通常「輪尺(りんじゃく)」や「直径巻尺」という道具を使用して計測しますが、手元に、こうした道具がない場合、巻尺で地際1.3メートル(北海道以外では1.2メートル)の箇所で、木の一周の長さを測り、円周率(3.14)で割ることで、木の太さを調べることができます。

(2) 「木の高さ(樹高)(h)」を調べます。

 木の高さ(樹高)は、通常「測高器(そっこうき)」や「検測桿(長さの目盛が入った伸縮式の竿)」という道具を使用します。手元に、こうした道具がない場合、木の根元に高さのわかっている棒(2~3メートル)を立てて木の高さ程度離れたところから、木の高さがその棒の何倍あるかを測って、おおよその高さを調べることができます。

(3) 「胸高断面積(g)」、「木の高さ(樹高)(h)」により、材積(体積)(V)を計算します。

材積(体積)(注) V=形数(f)×胸高断面積(g)×樹高(h)

(注) 樹木の材積(体積)の求め方には、様々な方法があります。

 ここでは、立木の状態のままで単木の幹材積を知る場合の形数法(V=f×g×h)(V:材積、f:形数、g:胸高断面積、h:樹高)という求め方をご説明します。

 この形数(f)の値は、生育環境によっていろいろ変化しますが、樹種群によって大まかに3つに分けた値として示されています。樹齢が小さいうちは、0.6前後をとりますが、大きくなるに従い小さくなり群によって減少度合いが異なりますが、0.5を下回るようになります。

胸高形数表
樹高(m)第1第2第3
50.65500.65290.6517
100.55620.54420.5238
110.54830.53540.5131
120.54210.52820.5042
130.53650.52210.4966
140.53200.51690.4902
150.52810.51240.4846
160.52470.50850.4796
170.52170.50500.4753
180.51910.50200.4714
190.51670.49920.4679
200.51460.49680.4647
210.51270.49450.4618
220.51100.49250.4591
230.50940.49070.4567
240.50800.48900.4545
250.50660.48740.4524
300.50140.48110.4440
  • 第1:エゾマツ、トドマツ
  • 第2:ヒノキ、アスナロ
  • 第3:スギ、その他針葉樹、広葉樹

出典:林業技術ハンドブック(発行:全国林業改良普及協会)形数法_表1胸高形数表より抜粋

2.「樹木図鑑」などで木の種類(樹種)を調べます。

 木の種類(樹種)は、多種多様にあるため、計算に必要な係数等が下記の表で区分されていない樹種においては、外来種か固有種かで区分をしてください。

いろんな木

3.固定量を推定します。

 次の計算式により、材積と樹種別の係数(表「樹種別のバイオマス拡大係数、地上部に対する地下部の比率、容積密度、炭素含有率」)を用いて固定量を推定します。

固定量の計算式

表「樹種別のバイオマス拡大係数、地上部に対する地下部の比率、容積密度、炭素含有率」

表 「樹種別のバイオマス拡大係数、地上部に対する地下部の比率、容積密度、炭素含有率」

免責事項

 このページに掲載している計算方法や情報の正確さには万全を期していますが、吸収量や固定量をおおよそに試算するために示した標準的なものです。このため、利用者が本ページの情報を用いて行う一切の行為について、いかなる責任も負うものではありません。また、道は利用者の皆様が本ページを利用したために被った損害、損失に対して、いかなる場合でも一切の責任を負うものではありません。

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