知事定例記者会見
・日時/平成21年7月30日(木) 14:00~14:38
・場所/記者会見室
・記者数/26名(テレビカメラ2台)
会見項目
知事からの話題
1 「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」について
2 天候不順による農作物生育状況の遅れ等について
記者からの質問
1 各政党のマニフェストへの評価について
2 候補者や政党を選ぶ基準等について
3 今後のアイヌ政策の内容及びスケジュール等について
4 候補者への応援等について
知事からの話題
「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」について
一つ目は、昨日終了いたしましたアイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会についてでございます。この懇談会は昨年の8月からほぼ1年間にわたって議論を重ねてきました。道内の現地調査に2回お越しをいただいたことを含めて、大変に熱心なご議論がございまして、昨日、その最終回が行われて佐藤座長から河村内閣官房長官に報告書の手交があったところでございます。
私自身もメンバーとして参加をさせていただきましたが、メンバーの中で道外在住の有識者という立場でご参加の方にも、北海道ご出身など、北海道にゆかりのある方々が多々おられたこともあり、大変に熱心に誠実なご議論を展開していただいたことを心から感謝を申し上げたいと思います。
今回の報告書によりまして、歴史的な経緯等を大変丁寧に叙述いただき、アイヌの人々が日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族であるということを明確に打ち出していただいたこと、そして、そういった歴史的な背景なども踏まえて、国が主体性をもって政策を立案し遂行すべきであるということ。それから国の姿勢と覚悟を法律の形で具体的に示すことが意義が大きいということなどを明記し、今後のアイヌ政策の国主導の展開に向けて、大変大きな一歩となったと思っているところでございます。
しかしながら、これからがより重要だと私自身思っているところでございまして、先ほど幹部とも議論をしたのでありますけれども、さらにこれから国の政策の実現を強く求めていくために、道内におけるさまざまな課題についての検討を加速してまいらなければならないと。そして昨日もぶら下がり取材でも申し上げたのですが、来年度予算から、できるところから着手をしていただくということを、国に強く強く申し上げていかなければならないと、このように思っているところであります。
天候不順による農作物生育状況の遅れ等について
[配布資料:「平成21年天候不順に伴う営農技術特別指導チーム設置要領」、「7月の半旬別の気象経過」]
二つ目ですが、天候不順による農作物の生育状況の遅れ及びその対策等についてであります。
6月にオホーツクの方で降雹(こうひょう)被害が発生しました。そして7月に入ってから、特に終盤以降でありますが、全道的に降水量が平年の約3倍。それから気温が平年を2度以上下回る低温。それから日照が、これは地域によっていろいろですが、総じて言えば7割程度の日照しかないということでありまして、とりわけ平年の3倍の降水量、一ヶ月間でここまで多雨というのは過去の記録を見ても、前例がないということを農政部から報告を受けており、農作物の生育にとって大変に厳しい気象であると認識いたしているところです。
こういった状況の中で、農作物の生育状況は、7月15日現在ではほぼ平年並みであると認識していたのですが、あらためてチェックをしましたところ、豆、てん菜、馬鈴しょにつきましては、前例のない多雨によって、圃場に水が溜まるなど、地域によっては、収量や品質に大きな影響が懸念されています。
また、小麦につきまして、各地で雨のせいでの倒伏がそこここで発生をいたしております。
収穫時期を迎えているのですが、生産者の皆さん方は雨をぬって、刈り取り作業をしておられるわけでありますけれども、まず雨が降って畑へ入れない状況の中、さらには降雨と低温による穂発芽が多発することによって、製品にならない小麦が多くなるということが大変に憂慮される状況にございます。
また、稲、水稲の生育についてでありますが、ちょど7月20日前後、海の日の連休あたりでございましたが、上川中部、石狩空知あたりの状況でありますが、ちょうどこの時期、花粉をつくる重要な時期であったにもかかわらず、最低気温が13度ぐらいになり、この低温によりまして米が稔らない、いわゆる不稔(ふねん)の発生ということも懸念されております。
これは、技術的には今段階で不稔かどうかというのは確認できないそうで、詳細なチェックがいるのだそうですが、花粉をつくるべき重要な時期に花粉ができないと、いかに天候が好転しても取り返しのつかない状況になってしまうということであり、大変に憂慮いたしております。
そして、こうした状況に加えまして気象台からは夏の気温は平年よりも低く推移するとの長期予報も出ているところで、私ども道といたしましては今週の月曜日に全道、それから地域それぞれの段階に「営農技術特別指導チーム」を設置いたしまして、農業改良普及センター、農業試験場、支庁などまさに農業の生産者に近いところで、地域の関係機関と連携をして、きめ細やかな状況把握と技術指導を今、鋭意行っているところでございます。
なお、直近でいいますと2006年、平成18年、この時もご記憶にある方もおられると思いますが、気温は結構低くて4月は平年よりも1.6度低かった。それから6月は平年よりも0.4度低かった。そして雨は5,6月両月とも1.3倍多かったと、直近の悪い気候の状況でございましたが、この際には今申しました営農指導等、それから、農家の生産者の方々のたゆまぬご努力などもあって、結果的には最終的な作柄の面で、米、麦、豆など総じて前年を越えるような、そういう状況になったという実績もあるわけであります。
私ども道もそれなりにこういった指導の部分のレベルアップということは進んでいるというふうには自負はいたしておるわけでありますが、何せ今年の場合には先ほども申しましたように、特に多雨の部分の影響が過去に前例のない状況にもあるところであり、私どもとしては、何とか天候の回復を期待しつつ、最大限の現場の指導と農家の方々との連携を強化していかなければならないと、このように思っているところでございます。
私もスケジュールを調整して、できる限り早く特に畑作で大変に深刻な状況にある十勝、あるいは水稲の関係で上川・空知あたりの状況視察等をしなければならないと、このように思っているところでございます。
記者からの質問
(HBC)
総選挙に関しまして、何点かお伺いしたいのですけれども、まず1点目なんですが、先ほど開かれました全国知事会のほうで、各党のマニフェストを点数評価して、8月の上旬にも発表する方針が決まったということがございました。このことに関してなんですが、知事のお考えをあらためてお聞かせください。それがまず1点です。
次に、月曜日に民主党さんがマニフェストを発表されましたけれども、これに関して国と地方の協議の場の法制化ということが盛り込まれなかったという内容でしたけれども、このことを含めまして地方分権という観点から、民主党のマニフェストに関して知事はどういうお考え、ご感想をお持ちでしょうか。
(知事)
一つ目の各党のマニフェストの評価、これは前回もこの記者会見の場で申し上げたと思いますが、私も手を挙げまして、知事会の評価メンバーの一員になるというふうに決めております。
それで、知事会の事務局から、それぞれの項目に則した形で統一的な判断基準のようなものがきておりますので、それに沿った形で各党の、各党と言っても自公民だったと思いますが、公約の評価をして、送付をしようと思っております。
自民党さんのも明日、出るようでありますので、それと比較をしながら評価を行い知事会にも送付すると同時に、皆様方にも申し上げていかなければならないと思っているところでございます。ですから、中身については今申し上げられません。
それから、二つ目の民主党さんの出されたマニフェスト、まさに今、私も勉強中で、それから担当部署でも精査をさせておりまして、それが上がってきた段階で、私も自分自身で、また、職員と議論を深めて、評価を最終的に固めていきたいと思っているところであります。
まず分権のところで、鳩山代表の写真のついたマニフェストを一見して思ったのは、中央集権から地域主権へというふうに書いておられて、この「地域主権」という言葉がいいなと思いました。
このことについては、政府の委員会も分権委員会ですし、一般的には「地方分権」というふうに言われているのですが、私ども道では、分権というのはそもそも中央に権利があることを前提として、それをいかに地方に分け与えていくかという、そういう発想だと思っておりまして、このこと自体が我々の思想と合わないということで、「地域主権」ということを相当前から言っております。
道の組織の中にも、地域主権局というものを設けてやっているぐらいでありますので、そういった地域側、地域を中心とした発想をキャッチフレーズの中に入れていただいたという、これは高く評価をいたしております。中身については、また追って申し上げたいと思います。
パッと見た感じで、一つ二つだけ申しますと、これは分権と直接関係あるかどうかはよくわからないのですが、暫定税率の廃止と明記しておられて、これは暫定的な税率だから、廃止して当然という、一般論としてはよくわかるのですが、ただ、この暫定税率廃止ということを本当にやられますと、私どもの道の税収も、数百億オーダーで影響が出てしまいます。これをどうするのかということを今内部で議論もいたしております。
道財政はもともと厳しい状況にございますし、たぶんこれは道だけではなく、他の都府県もみんな同じではないかと思うのですが、それで、やるにしてもやはりステップバイステップ(一歩ずつ)でやるとか、あるいは国から補填をしていただくとか、何がしかのそういう支援がないと、道政自体が立ち行かなくなるかなというようなことを、一つの例示として思っております。
それから、ちょっと表現は忘れましたが、日米のFTAを推進するということもあったかと思っております。FTAとEPAとはどう違うのか、WTOのマルチとどう違うのかといった些細な議論は別といたしまして、どうして日米のみのFTAなのかなと、やや唐突に出てきた感じは否めないのではないかと思っています。
今、世の中でいろいろ議論が進んでおりますのは、日豪のEPAの枠組みをどうするかということと、WTO全体のマルチとしての枠組みをどうするかというような議論でありまして、そもそもAPECという、こういう地域連合体もいかに域内の物とサービスと人の行き来を円滑化するかとか、まさに自由化をするかということで設けられたものでありますし、世の中の大きな流れはわかりますが、ただ、ここは農業立国北海道として、例えば日豪のEPAの議論などの時もいつも申し上げておりますとおり、今やはり食料安全保障ということが強く強く言われている中で、食料自給率の低い日本が国内の農業をいかに守っていくのか、さらには国土保全であるとか、自然環境保全など多面的な機能を有している農業農村、こういったもののありようについては、十分に考慮することが不可欠であるというふうに思っております。特に、米国という相手を考えた場合に、これは豪州と相通ずる部分もあるのですが、多くの本道の主要農畜産物と競合をしているところでありまして、相当慎重なご検討をしていただく必要があるのかなというようなところを、一見して、例示的に思っておりますが、そういうことを含めて、追ってお話を申し上げたいと思います。
(uhb)
総選挙まで今日でちょうど一ヶ月ということで、あと一ヶ月後に総選挙なんですけれども、今回の選挙は政権の維持なのか、政権の交代なのか、政権選択をする選挙ということで、大変有権者の関心も高いんですけれども、一有権者である高橋知事自身は候補者や政党をどういった基準で選んで一票を投じるのかということを教えてください。
(知事)
昨日もどなたかに聞かれた記憶があるのですけれども、やはり今道の抱えている問題というのがあります。例えば経済雇用対策については、昨日、本部員会議(北海道経済・雇用対策推進本部員会議)を開きまして、8月5日の臨時会(北海道議会第3回臨時会)にかける800億円の補正予算案の決定をし、さらに我々としても国の補正等を踏まえて対策をやっていくということを考えているわけでありますけれども、そういう中で、今、我々は、第3次緊急総合対策をやっています。去年の後半から累次にわたって国の経済対策等が出て、道内でも、まあ、底打ちかなと、マインド的にも数字的にもそういう状況になっていますけれども、まだまだ弱いです。不安もたくさんありますので、これをやはり本物にしていく。それはある意味、我々道庁自身の責務であるというふうに思っていると同時に、やはり国政の場でもそういったことにしっかり目配りをするような政策を展開していただくということが、第一点ではないかなと思います。
それから2点目は、社会保障だと思います。少子高齢化が進んでおります。少子高齢化自身がなぜ起こったかといえば、成熟社会の中で、我々の価値観が多様化する中で、結婚するしない、子どもを産む産まない、そういったことは究極の個人の選択ですが、価値観が多様化し、多様なライフスタイルを求める個人が多くなってきた中で、現象として少子化が進み、結果としてそれが人口全体の高齢化に結びついているということがあるわけであります。
ただそういう環境変化の中で、今の社会保障の基本的な考え方、生産人口である若い人たちの働きによって、高齢者の医療を含めて、社会保障を支えていくということが、立ち行かなくなりつつある、そういった中で、これからの社会保障政策というものを、理想論は誰でも作文できると思うのですが、現実論に立って、現状から理想に到達するまでに一歩一歩プロセスを経て進んでいかなくてはならないので、そういうことを含めて社会保障についてどういうビジョンを描いていただけるのかというのは、やはり大きなポイントだと思います。
それから、私自身は、地方政府を担っている立場からすれば、先程来質問の出ております分権、我々流に言えば地域主権ですが、このことをいかに達成する政策を国政の選挙のレベルで各政党が示してこられるのか。このことは、繰り返しになりますが、国が本来、今までやってきたことを地方に分け与えてやるというような、そんな単純な話ではなくて、地域地域が、住民が中心となって、自分で決めるかわりに自分で責任を持つという、地域の運営について、創意工夫をこらしながら、我々自身の責任においてやっていくという、そいういうまさに文字どおりの地域主権、住民主権というものを達成するため、分権というものがいわば手段となります。そういったことを我々自身がしっかりやっていく担い手として、位置づけられることが重要でありますので、国と地方は対等ということは、当たり前のことでありますが、やはりそのことをしっかり担保するような枠組みというものも重要ではないかというふうに思っております。
そのことは、別に道が権限や金を持って威張るということではなくて、むしろ我々が念頭に置いている地域主権というのは、主役は住民。その次に行政主体の中で一番大きな役割を担うのは基礎自治体、それを補完する形で都道府県や道州か、あるいは国という、そういう位置づけでありますので、そういうトータルとしての地域主権型社会というものを実現しようとする私の理想に近いものをご提示いただける政党はどちらか、あるいは個人として、候補者がどれくらい高い理想を持っておられるか、そういうことを参考にしたいと思います。
(朝日)
昨日のアイヌの有識者懇談会の件で、先ほど知事からも言及ありましたが、その補足で伺います。先ほど道内において課題の検討をこれから進めると知事おっしゃいましたが、具体的に道として来年度に向けてどういった作業を進めていくのかということと、スケジュールの問題ですね、内容とスケジュールの問題。それと、昨日の有識者懇談会の報告書の中には政策遂行においては国の責任においてというふうな書き方があって、国が政策を中心に進めていくわけですけれど、一方で今までアイヌ政策というのは基本的には北海道庁が主導で進んできた背景もあって、道がイニシアチブ(主導権)をとって何もしないというわけにはいかないかと思うんですね。
その上で、道として今後今までやってきた奨学金制度対策とか、そういったものに加えて、新たに道等独自でやっていくべきじゃないかと現時点で考え得る政策というのはどういうことがあるのか。この2点を伺います。
(知事)
まず、道としてやらなければならないこととして、先ほど幹部の人たちとも議論をしていましたのは、国の方向性というのはたぶん総選挙の後でないと出てこないと思うのですけれども、さまざまな政策を実施する際の実行主体という中での道内の各機関の位置づけというのは結構大きいと思うのです。
例えば、財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構の体制について、道議会でもやや運営の仕方について不透明なところがあったのではないかというようなご指摘もあったわけでありまして、我々としてしっかり精査をした上で、もちろん公金を扱う、かつ、国あるいは道からの事業がさらに増えていくことが想定される中で、しっかりとした体制整備が必要でありましょう。
また、文化の研究なり振興なり、そういったものの中で、例えば常本先生が北大から参加をしていただいておりますけれども、北大は北海道にある大学ということで一歩も二歩も他の地域の高等教育機関との比較においては進んでおりますので、どういう役割を担っていただけるかということもございますし、また最近、丹保館長指導の下に方向性が出てまいりました開拓記念館をどういう形でアイヌ文化の発信、あるいは保存という観点から位置づけていくかなど、道内の各機関のいろいろな体制の状況について、今一度見直していくということも重要ではないかというふうに考えております。
また、アイヌの方々の強いご希望でございました、共生の象徴の施設というようなものについて具体的にどういう姿を描いていくのか。「民族共生の象徴となる空間の整備」という表現が懇談会の報告書の中にあるのですけれども、これは当然、たぶん道内に設置されますので、そういったものをどういったコンセプトでどういう形で整備をするというように考えていくのか。さらに生活支援等についてはまず全国調査とか、個人認定の透明性の確保などさまざまなポイントがありますので、今直ちに取り組むわけにはいかないわけでありますけれども、今申しましたようなことについて、国の事務方と連携をしながらの検討が必要と考えております。
それからイオルの再生という強い思いをアイヌ協会の方々は持っておられますので、そういった点についても来年度我々としてもどういう対応ができるかなど検討をしていきたいというふうに思っております。ですから、スケジュールというか来年できるものについては今年いっぱいぐらいにはある程度のめどをつけていくというスピード感、スケジュール感が必要かなというように思っております。
それから、道としての独自の政策というのは、もういろいろやってはいるのですが、今回の懇談会の報告書も我々の提案を踏まえた形になっているわけでありますので、さらなる道内のアイヌ文化の振興であるとか、そういった分野についてできることをさらに探っていくというぐらいにとどめさせていただければと思います。前向きであるということは当然であります。
(朝日)
補足なんですが、15日のアイヌ議連(アイヌ民族の権利確立を考える議員の会)の中で、イオルの再生事業について吉川衆議院議員が、道としても応分の負担ではなくてむしろ道のほうがより多く負担してでも進めるという道の意欲というのが必要じゃないかというご指摘があって、今まさにイオルの再生について知事が言及されていましたが、来年度予算において、先の話なんですけれど、道として応分の負担以上、折半じゃない、道のほうがより負担するということをお考えになるのかということが一つと、それから今、道はアイヌ政策は生活向上推進方策に沿って進めているかと思うんですが、これを今回の報告書を受けて少し見直す考えはないのかどうか。
(知事)
一つ目はそのような気はありません。今むしろ我々が求めておりますのは、折半1対1を国直轄化してくれということを言っておりますが、直轄といって我々がゼロになるところまでは考えておりませんで、そこはいろいろな組み合わせがあろうかと思いますけれども、少なくとも今の1対1以上に道が負担を増やすというつもりはありません。それは明確に言っておきます。
それから、生活向上施策について、さらなるメニューを増やすかどうかということについては、今明確にこの部分をというつもりはありませんが、ただ最近マニフェストの中でもさまざまな一般的な教育支援策の中で、貸し付けではなくて助成ということが必要ではないかという議論も結構出ていますよね。
そういう中で、今の道と国でやっております学業支援が奨学金、要するに返すことを前提とした制度としてやっておりまして、その所得制限が形骸化して1人しか返していないのはどうかという議論も道議会でもあったのでありますが、私は今の一般的な学業支援の議論の中で必ずしも貸し付けということにこだわらない発想が世の中的に出てきているのであれば、一番我々として学業支援をしたい対象の一つがアイヌの方々でありますので、そういった面で制度をどういう形で見直していくのかというのは、これは道だけではできないことであり、国との相談が必要でありますが、一つのテーマかなというように思っております。
(道新)
一つ前の総選挙の関係に戻るのですけれども、マニフェストを吟味してこれから所見を述べるというお話ですね。それから、先ほども選択の際の基準についてもお話されましたけれども、その一方で知事は自民党と公明党の候補者、事実上の選挙戦に入っている候補者達をかなりの頻度でもって応援して歩いていると。それは今後も、公示後も続けるお考えなのかどうか。それが1点と、それから一方でこれからマニフェストを吟味してから所見を述べるとおっしゃる知事と、自民、公明を応援する知事と、道民から見ると、そこをどういうふうに整合性を持たせて捉えれば良いのかと、どちらの知事を信用すれば良いのかということが、なかなかわかりづらいと思うのですけれども、ここについての説明もお願いします。
(知事)
これは、今に始まったことではなくて、知事になった時からの課題だと思っております。私は自分自身、2回の選挙を戦っておりますが、その中で自公の推薦を受けて戦ってきたという経緯は皆様方ご承知のとおりでありまして、そういった意味で長年お世話になっている政治家の方々の選挙に恩返しという意味で応援に行くというのは、これは一般的に許されることではないかなと思っているところであります。
しかしながら、これも6年前からずっとそうでありますが、公務優先でありますし、また、一定のいろいろな条件を課した上で応援をさせていただいているという、この基本方針も一切変わりはございません。
一方で、道政と国政というのはトップの選び方のシステムが違い、ご案内のとおり知事というのは直接道民から選ばれるわけでありまして、道議会議員の皆様方から選ばれるわけではありませんので、国政における与党、野党という位置づけとは、都道府県の地方議会というのは違うと思います。
例えば直近でいいますと、地球温暖化防止条例や障がい者の条例については、一部反対された方がおられるかもしれませんが、全体、オール会派で成立をし、それを受けて我々が施行しております。また、例えば条例に基づく新たな環境目標という議論を今年度いっぱいでやっておりますし、それから政策面でいろいろな連携もしております。
また、先ほど8月5日の臨時会には800億円の補正予算を提案するということを申しましたが、直近の2定(北海道議会第2回定例会)におきます補正予算は、これも各会派、
基本的には賛成をいただいております。そういった意味では道政の運営にあたってはまさに道民本位で、別に政党うんぬんということはなく、オール道民のために仕事をするという私の政治姿勢は、道民の方々から一定のご理解をいただいているのではないかと、そのように思っているところでございます。
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